そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

坊っちゃん

http://www.fujitv.co.jp/bocchan/http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2015/i/151224-i260.html
脚本:橋部敦子 演出:鈴木雅之 原作:夏目漱石
 
坊っちゃんってこんな話だっけと思って、さすがにオレも坊っちゃんくらいは手元にあるのでざっくり読んでみたけど文字が小さくて読めねー (∋_∈) 昔の新潮文庫め!(悪いのはオレの老眼)
冒頭のほうだけ読んだけど、かなりアレンジはしてあるけどちゃんと坊っちゃんらしいシニカルさ(毒)をナレーションの語り口で二宮が上手く出してたのは良かった。内容はうろおぼえすぎるのであれだけど、最後が爽快だった記憶はある。またそのうち読み返すよ(たぶん)
まあ二宮は年末に「赤めだか」をやったばっかなんだけど、小説の登場人物というフィクションであるこっちのほうが赤めだかよりも二宮らしくてよかったかも。個人的には赤めだかみたいな真面目なドラマより(ドラマ自体はとても面白かったけど)こういうテイストのドラマのほうがニノさんはハマると思うんだ。
それはともかく、この演出は明らかに鈴木雅之さんですね(星護の下手なフォロワーである鈴木演出は好きじゃないのだ)…とわかってしまうのもあれだけど、脚本が橋部敦子だということもあって、このちょっと突飛な演出はまあまあ良かった。相変わらず間のとり方がどんくさく間延びしてるのと、意味不明のモブ人物アップ、今回はカメラの横移動+ワンショット撮影をむやみに使いまくるので鬱陶しかったけど、大体はニノの軽妙なテンポのいいコメディ演技に救われてたんでそこまでは気にならなかったかも。ミッチーや古田新太、八嶋さんたちはもちろんだけど、やっぱり二宮。
あと最後、ものすごく関係があるうらなり&マドンナの駆け落ち?と坊っちゃんと赤シャツのやり取りを一度に見せたいってのはわかるけど、あんな細かくカットバックで演出する理由はわからないよ。
(視聴者的に)マドンナが駆け落ちしたのがわかった直後に(いやあれも映像的には説明不足だと思うけど)、シーンが変わって坊ちゃんたちが見送られて戻って赤シャツを殴る…でいいと思うんですけどね。足元をリンクするとか要らねーし、単純に見にくいです。シンプルイズベストですよ。関係はあるけどなんでまったく違うシーンをごちゃ混ぜにするのかなあ。それぞれのシーンで感情的な感じ方が違うんだよ。マドンナ&うらなりは良かったね〜で、坊っちゃん&赤シャツはザマアwww→爽快!だろ。だから鈴木雅之の演出は好きじゃないんだよ。
一応面白かったとこはあの赤シャツの絵を何度も何度も直すとこ。別にそれでギャグになってるわけじゃないけど、わかっててもおかしい。たぶん直すのがニノとミッチーだからだと思うけど。まあ赤シャツの評価ガタ落ちっていうオチにも使ってるし、あれは何となく効いてるかと。あと食事して「美味い」の繰り返し&黒板で暴露ネタにされるのも特にギャグってわけじゃなかったけどなんか面白かった。

てことでキャストは大変良かった。公式がやたら豪華キャスト押しするほどではないと思うけど、2時間半のドラマだけどちゃんと坊っちゃん世界になってたし。あと今世紀はじめてのドラマ化っていってるからwikiで確認したら、前回が1996年だから20年ぶりの映像化ってことになるのかな。それはちょっとすごいな。でも今回のドラマ版はとても良かったと思う。主演が二宮なのが大きいと思うけど。
清の宮本信子はなんというかすごく昔の人風のいい意味での単純さがすごく上手かった。清がああだから坊っちゃんの二宮のキャラ、嘘が嫌いで真っ直ぐで純粋、それ故トラブルを引き起こすけど筋はそれなり通ってる、でも単純すぎるほど単純でおまけに癇癪持ちの気性…というのが善いことだと思えるのよね。まあ劇中で本人がまんまそう言ってるけどw
そして赤シャツがミッチーってのはハマり過ぎだろwwwと思ったんだけど、うらなり先生が山本耕史だと、イヤミな赤シャツよりヤマコーのほうがいいに決まってる…とは言いがたく(笑)いやまあ帝大出で名士の赤シャツならミッチーでもいいような?でも嘘つき(というよりええかっこしい)と一緒になっても幸せになるとも思えないので、駆け落ちで良かったのだね。うむ。
原作の内容、細かいとこは殆ど覚えてないけど、話のアレンジ自体も良かったみたいなのできれいにまとまってたよ。同じ下宿の又吉が夏目漱石だってのもいいアイデアな気がするし。(言うまでもなく原作にはないオリジナルだよ)
率直すぎる新人教師の坊っちゃんはトラブルも多かったけどその率直さで何かを変えたということが丁寧に描かれてたんで、坊っちゃんが去ることが決まって生徒たちの意識が変わり、生徒にからかわれただけでファビョる赤シャツを野だいこが見捨てた、というだけですごく爽やかな気持ちになった(笑)まさに都会からきた一陣の風、いや嵐。嵐だけに(だれうま)
校長も「なるほど」しかいわないけど「なるほど」でいろいろ表す岸部一徳がすげえや。
そういや最後のお弁当のおにぎりでやっと気がついたけど、下宿の女将さんがずっと芋ばかりを出してたのは最初に坊っちゃんがおかずの芋を「美味い」といったからだね?彼女なりにサービスしてたってことだよね?(と思ったけど)ずっと不機嫌そうだったからよくわかんなかったよ。というかそれならお弁当にも芋入れるかな?どっちなんだろ。