そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

マネー・ショート 華麗なる大逆転

http://www.moneyshort.jp
監督:アダム・マッケイ 脚本:アダム・マッケイ、チャールズ・ランドルフ 原作:マイケル・ルイス
 
 
難しいけどなんとか面白かった!
アメリカでリーマン・ショックを引き起こした住宅ローン(サブプライムローン)の破綻についての実話映画。
リーマン・ショックについては、世間一般の認識、つまりアメリカの住宅ローンが破綻して銀行が潰れたことに端を発する世界金融恐慌だっていうくらいしか知らなかったけど、さすがにその程度のざっくりとした予備知識は必要かも。CDSだのCDOだのの金融商品はちょっとわかりにくかったけど、何が起こったのかの流れについては登場人物の説明でなんとかわかるから大丈夫。
あと3組の登場人物たちがそれぞれ動いてる話なので、そこだけ気にして覚えてればOK。このポスターの4人は大集合しませんw
てかこの「華麗なる大逆転」っていうサブタイとポスター(黄色い方)見るとオーシャンズよろしくアウトローのトレーダーたちが結託してウォール街に一泡吹かせる話にしか見えないけど、明らかに違いましたよ?念のため原題でググったら白い方のポスターだったけど、こっちはパンフの表紙に使ってた。
 
とにかく破綻に至る状況が大変な詐欺だとというのはわかった。
ネタバレじゃない(と思う)からいうけど、住宅ローンが不良債権化して破綻したのは格付け会社がいい加減な格付け(金で格付けを売ってることを黙認)をしたからだという事実。びっくり!マジびっくり。そこが原因って言い切っちゃっていいのって思うけど、それどう考えても破綻するわなあ。
でも自分的には、状況としてだんだんヤバくなっていくのは理屈としてはわかるけど、金融商品空売りの仕組みを理解してないんでカタルシスは今ひとつ。
ストーリーとしてはそれに気がついた変人トレーダーたちがうまいこと儲けられるかどうか(知識不足で説明できん。株じゃないから売り抜けでもないんだよね?)で破綻状況を描いていくっていうストーリーだし、シリアスなネタだけどそれをコミカルでメタな説明演出で見せてるからとてもわかり易かった…と思う。たぶん。なんか言ってること間違ってたらゴメン。
破綻してからちょっとわかりにくかったのは、たぶんオレが投資における「金融商品」の意味と「空売り」の仕組みを理解してないからだと思う。あとマークの投資会社が銀行の子会社だから損害被りそうになったってことの説明をもうちょっととか?
途中何回かコメディタッチなメタ視点演出のカメラ目線語りとか唐突に有名人が喩え話してくれるんだけど、喩え話が何を喩えてるか分かっててもそれでも空売りの仕組みはよくわからなかったんで、やっぱり知識ある人向けなのは確かか。 *1
 
役者は豪華で、クリスチャン・ベイルもスティーブ・カレルも役の本人に成りきりすぎてて、モデルになった本人は知らないのに凄みを感じるよ。ライアン・ゴズリングの語りで話は進むけど主役じゃないって意味分かんないし、プラピはちょっとしか出てないよ!(笑)
映像はドキュメンタリーっぽい遠目の構図ばかりが映画っぽくない…というより、フィルム調の荒れた感じがちょっと見づらかったという印象。その分リアルっぽいけど、途中で入る当時の出来事みたいなカットとか、説明描写はもう少しあってもいいかも。
とにかくマイケル→ジャレッド&マーク一派→若い投資家コンビとベンという流れで破綻に気がつくけど、彼らは交流が全然ないんだw 登場人物としてのポジションの説明もないし(銀行家のジャレッドはよその投資家とああいうことしていいのか?)、だから群像劇でもないってのがお話としてはわかりにくくてカタルシスが感じられないってのもあるかも。銀行が破綻した後の皆さんの身の振り方も映画としてもあまりちゃんと説明してないし。
ただ人間ドラマとしては、破綻を予測して大金をつぎ込んで賭けに出てもその結果が出るまでの損失と信用、そして自分が正しいのか間違ってるのかという葛藤があり、賭けに勝つこと自体がアメリカの金融業界が破綻し多くの人が家と職を失って路頭に迷うことだ(って伝説のトレーダーも言ってる)という怒りを描いてるのでそのへんは面白かった。彼らが賭けに勝ち銀行業界の腐敗しきった仕組みを知り、怒り、とてもダメージも受けた…そういうことを淡々と描いていく映画だった。
しかも今でもその当事者たちが裁かれず公的資金で銀行の責任もなんとなくウヤムヤにされ、また同じような金融商品が出回っている…という告発でもあるのかな。
1回めよりも2回目3回めのほうが理解できるのかもしれんね。
地味に面白かったのはマークの仲間たちがフロリダの住宅市場調査をしに行くとこ。オーナーがローン滞納してる家に貧乏家族が住み、ストリッパーが家5つと別荘買ってローンはいつでも借り換えられるとか言ってるとこ。住宅は価値が下がらないから変動金利で借りやすくなったからとか、信用融資で何の保証もなくても融資するとか、普通に考えてもヤバイとしか。そういうの見てると日本はさすがにそういうのの審査は通らないから、まだマシだなあと思ったりw
日本のバブルのこともこういう風にやればいいのにと思うけど、ここまで明解には出来ないだろうなあw 「バブルへGo!」くらいか?w(今確認したらあれの公開日ってちょうどアメリカでサブプライムが破綻し始める直前なんだよなあ…)
 
丸投げっぽいけどオレも説明を求めてネットをさまよってて見つけたブログ。
かなり詳しく映画の説明してくれてますので何が何だかの人は ( ・∀・)つドゾー

*1:あれはあれで何となく分かるんだけど、オレの理解では「タコが殆ど入ってないたこ焼きをブランド化して大量に売りつけた」…かなあと思いながら見てたなw あのジェンガの説明だとそう思ったというか。タコが入ってなくてもたまたまハズレかなと思って黙ってたけど、それを指摘する人が現れてみんながタコが入ってないことにやっと気がついて暴動起こした…みたいな?それでたこ焼き屋が潰れちゃったという感じか?w