そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

はじめまして、愛しています。#9(終)

http://www.tv-asahi.co.jp/hajimemashite/
脚本:遊川和彦 演出:片山修
 
毎週ちゃんと見てましたw
特別養子縁組についてよく取材してあるし、それをちゃんとドラマとして面白く見せているし、あの遊川和彦にしては真っ当ないい話でなんだかんだ毎週必ず1回は泣かされたし、このまま普通に問題なく最後まで行くのかなあ〜と思っていたら、最終回の最後の最後ですごいのぶっこんできたよ。マジでテレビに向かって「えー!?」て叫んじゃったね。
梅田夫妻(尾野真千子江口洋介)が保護した虐待児童のやっと出てきたお母さんが志田未来で、正直出てきた時は5歳の子のお母さんには若すぎるから誰だかわからなくて、先週やっともしかして志田未来?って気がついたんだけど、これ 志田未来じゃないとダメなやつだった。あのワンシーンのための志田未来だったw やっぱり凄みが違うわー。
というかこのドラマ、奇跡の話っていうけどどうやってドラマ的に円満に着地するんだろうと思ってたし、状況から考えても特別養子縁組が梅田夫妻に認められてハッピーエンドな話になるんだろうとは思っていたけど…このすごいネタで結局ハジメは梅田夫妻が引き取らざるを得ない展開になったので、視聴者的にはそれはそれでよしかと。
以下ちょっと最終回ネタバレを何行か。
 
ハジメの産みの母親は泉さん(志田未来)だったけど、お父さんは誰なんだろうと思ってたら泉さんの実の父親だったという地獄。その罪の意識で泉さんは子供を愛せず家出をし、しかも病院にもいかずハジメを公園で出産。その後赤ん坊のハジメを鎖につないで放置というネグレクト。一つ一つはあるかもしれない話だけどそれをいっぺんにぶち込んでくる遊川ドラマ半端ねえ。
しかも泉の母親である月子さん(富田靖子)ときたら、すごいお金持ちだし警察署長に顔が利くってことはたぶん地元の名士だし、おばあさまというには若くて美しくて慇懃無礼でいつも笑ってるんだけど、何もかもがアレな感じにイカレてるっぽい恐さがあって富田靖子がすごくハマりすぎ。
あれ娘のことも考えてるんだろうけど、あそこまで世間体を気にしてるってことは、泉さんはお母さんには言ってないって言ってたけどたぶん知ってるよね、父親が娘を性的虐待したって。知ってるけど知らないふりしてやり過ごそうとしてるってとこにまた狂気が…
というかそのお父さんは死んだってさくっと言ってたけど、まさか月子さんが殺したわけじゃないだろうし(それだと違うドラマに)、罪の意識で自殺したってこともないだろうから、もしかして月子さんのほうが地元の名士のお嬢様だから旦那を追い出したか、旦那が出て行っちゃったってことなのかなあ…などといろいろ想像を巡らせるくらいにはトンデモない話だった。そこんとこ軽くスルーしてるし月子さんが「死んだ」って言ったこと以上に何のフォローもなかったから思うんだけど。
いやまあそれはそれで、泉さんが自分のせいじゃないのに背負わされた罪の意識から開放されて幸せになって、ハジメも梅田夫妻に引き取られてよかったからいいんだけどさ。月子さんは孫のことよりまず娘だよと。あのままじゃ真面目に泉さんは壊れてたよ?
ネタバレ終わり。
 
確かにこれは梅田夫妻が諦めなかったからこその奇跡の物語だった。あんまり深いこと考えなくても、望んだ者同士の繋がりが切れることなく家族になれたってことでは一安心。ハジメくんもだけどみんなが幸せになってよかった (´Д⊂ヽ
あと思ったけど、月子さんは自分とこがお金持ちだからハジメはうちに来るのが一番幸せという態度だったけど、美奈さんの父親は世界的に有名な指揮者だから梅田家でも教育的には十分だよな。まあ彼女のことだから探偵とか使って調べてても、自分に不利な話は見なかったことにしてそうな気はするけどさw
これでハジメが音楽家として大成したらその時初めて月子さんをギャフンと言わせられる気がしなくもないw(そうなって欲しいよ)←ドラマだからw
 
しかし遊川和彦先生は日テレやTBSだと(NHK朝ドラもかw)いつもへんてこなドラマばかりやってるのはプロデューサーのせいなのかなあ。今回のテレ朝枠でのこれはすごくまともで美しく面白いドラマだったんだけどw
これ、最初からよくありがちな家族関係ということではそこまで不幸な人たちはいなくて、表面的にはみんなそれなり普通に幸せだったように見えるけど、美奈さんとこも信次のとこもそれぞれ実の親からの意図しない呪縛があって内心では家族の不和と不信を抱えてたのが、ハジメが養子に来ることでそれぞれの関係を考え、お互い認め合うことが出来たこと、ちゃんと家族という物語を修復出来たことがとても良かった。
遊川さんのドラマはいつもみんな歪んだ関係は歪んだままでもよし、おかしな人は最後までどこかオカシイままってなりがちだけど、今回はみんなが本当の家族になってちゃんと美しく大団円で終わったよ。
このドラマには子供を産んだから大人になる・親子になれる・家族になれるということじゃなく、ちゃんとそれぞれが「愛してます」と言える関係にならなきゃダメなんだという信念を感じたしね。あと堂本さんはプロフェッショナルでカッコいい。確実に誤解受けそうだけど(コーヒーぶっかけられてたけど)子供の幸せ第一っていう筋の通し方は茨の道だね。堂本さんにもいいこと(ハジメくんのお手紙)があってよかった (´Д⊂ヽ
遊川脚本でも珍しく?(笑)ちゃんと普通に面白いドラマでとても良いお話だったです。