そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ミュージアム

http://wwws.warnerbros.co.jp/museum/
監督:大友啓史 脚本:高橋泉、藤井清美、大友啓史 原作:巴亮介

 
正直、予告編からしデヴィッド・フィンチャー「セブン」っぽいなあと思ってたんだけど、相方がいうには「ソウ(SAW)」っぽくて(オレは見てない)、若干黒沢清の「クリーピー 偽りの隣人」みたいなんだけど、そのわりに主人公も展開も頭悪すぎてイマイチっつーか。ちなみに原作は未読。
こないだの「秘密 トップ・シークレット」もだけど、どうもオレは大友監督の映画ダメみたい。というか大友監督って映画演出、下手だよねえ?
ストーリーもまったく想定内。映画として出来が悪いともつまらないとも言い難いんだけど(こういう話で感動できる人はいると思うけど)、とにかく話が面白くない理由はサイコスリラーなのに驚きがないから。
こういうの観に来る人は基本的にサイコスリラーやホラーが好きな人だと思うんだけど、だとしたら相当の確率でネタの何もかもがありきたりで先が読めると思う。
伏線回収してる(つもり)なんだろうけどとにかく展開が丁寧すぎて長すぎてむしろ適当に端折ればと思うし、実際無駄なやり取り多くて全然話に入り込めないんだ。(ネタバレ後述)
描きたかったであろう家族愛については、そもそも主人公の沢村がああいう過去があるにしても家族を大事にするような人に描かれてないから共感できないし、逆になんでそこまで仕事そっちのけで家族第一になるのかまったく理解できない(だったら普段から家族のことも考えろよ)
その割に仕事できるようにも描かれてない上に、彼が家族を犠牲にして仕事をしてるという意識も見えなくてよく分からない、死んだ父親と絡めて刑事であることのモチベーションは描かれてるけどだからといって家族を大事にしない理由もわからない。だからそのことであんなにもカエル男に責められるのもまったくわからないから理不尽にしか思えないw そもそもカエル男のアート的な美意識がなぜ彼を選んだのかも分からないし。
てかこの映画で一番驚いたのはカエル男が妻夫木聡だったことだよ!(公表されてるんで全然ネタバレじゃないけど知らないで見に行ったんで)途中まで誰かな−、こいでくんかしら、でも声や体格、アクションシーン的には違うっぽいしと思ってたら妻夫木。こりゃ一本取られたねw
もちろん小栗旬の演技がまずいわけではないと思う(好き嫌いはあったとしても)
彼にまったく罪はないけど、ああいう頭が悪いというか刑事なのに頭使わない、かといって肉体派でもなく、家族思いが空回ってるひと昔前のハリウッド映画の主人公みたいなのやらせて、しかもただ延々と叫んでるだけでうるさいってのは観ててしんどいです。これ絶対監督が悪いよ。オグリンはもっと出来る人だよ…上手いんだよ、でもあれだけうるさいと上手く見えないんだよ… (>△<) 
これは尾野真千子もそうだけどさ。すきじゃないけど彼女だって上手いはずなのに、キャラとして頭悪いしただ怯えて喚くだけの奥さん役ってなあ。多分もっと違う人のほうがハマったと思うけど。
あと大森南朋はいい役どころだった。もうちょっと出番あっても良かったくらい。
というか大友監督って前々から思ってたけど、やりたいことはわかるんだけど、なんか昔のハリウッド大作映画を今追いかけてるみたいで、やってることに全然新味がないし、かといって演出が上手いわけじゃいからサイコスリラーやっても全然面白くないよね。どうなるのかとハラハラするところはもちろんちゃんとあるんだけど、他のことが気になってのめり込めないんだ。
とにかくこの映画は全体に無駄なこと多すぎるんだ。なんで132分もあるんだよ。あと30分は短くすべきだよ。
あと後半、とあるシーンで主人公というか小栗旬のピアス穴が気になって。腕力系の刑事だしそういうキャラに見えなかったんで俳優さんのピアス穴はメイクでちゃんと潰しといて欲しいなあーと思った直後に過去回想があって、昔はグレてピアスしてたって出てきたんでそこはスマンと思ったw でもそれならピアスの数はあわせて2個にして欲しかったな!それくらい気を使えよ。というかそういうキャラなのにスーツはスリーピースってどう見てもキャリア系かと思ってたよ?
以下ネタバレ。
 
 
とにかく突っ込みどころが気になりすぎて話に集中できないんだ。
上でも言ったように、ストーリー展開は大体予想の範囲内過ぎてまったく驚きがないから見てて面白くないし、その理由の殆どがツッコめない突っ込みどころと無駄なやり取りだと思うのね。
まずその辺の定食屋で事件の話するなだしファミレスで極秘の捜査資料広げんな。おまけにそれ片付けないで外に出るとか気になってしょうがなくてさ。
伏線よりそういうとこをまずちゃんとやってくれとしか。昔のドラマならともかく今どきそういうとこに演出的に配慮がないって逆に気になってしょうがないよ。
定食屋で真犯人のカエル男があそこにいた(まさに本人だった)ってのは後半なんとなくその理由はわかる、わかるからこそ更なる恐怖感を煽るってのはわかるけど、なんかいろいろ見せ方が上手くないというか。
あと相棒の西野刑事(野村周平)がああいうふうに捕まってあの状況になってるのもあまりに無理すぎというか、大の大人がなぜあんな状況になった?気絶させられてた?つーかいくらなんでもカエルマスクの男が大人の男担いで移動してたら目立つよね?沢村は落ち着け。
というかカエル男が○○アレルギー(一応更なるネタバレ配慮)だから犯行が雨の日に限るってのは面白いと思うんだけど、それなのに彼があの体格で刑事の沢村と渡り合えるくらいに格闘術に優れてるってどういうこった。通信教育なのか、夜中にジムにでも通ってたのか。
ツッコミ以外でも映画なんだからそこ削れよってとこも。
沢村が家出した奥さん(尾野真千子)を探して友達の田畑智子のとこにいくとこ。同時刻に松重豊丸山智己の刑事たちが田畑のアパートから職場に回って来たのにまた戻るって、最初の時点であの彼氏が○○って予想できるし(ありがちパターン)それが見ててわかるだけに二度手間感ありあり。
さらに松重&丸山たちが逃げた沢村の後を追ってネカフェから病院巡りをする…ってなんで端折らないのか。同じこと見せんなよ。連ドラならともかく二時間ちょっとの映画なのに重複シーン多すぎ。
あとここでなぜ医者の市川実日子は警察に通報しなかったのかって思って。
そもそも通報があれば沢村の足取りはすぐわかったはず(と予想した)のに、そう観客に思わせてるのはいいけど同僚刑事たちに本当のことを言わない市川実日子に観客は「?」。その彼女の態度をおかしいと思った松重さんが調べると、実は彼女は…って、そのくだり本当に必要?原作知らないけどもうちょっと上手くできないのかな?
あと単純にシーンが長い。冒頭の犬のシーンとか被害者彼氏とのやり取り(彼氏が怪しいのかと思った)、被害者の繋がりがわかったあとそれをいちいち見せていくとかいらないし、車でのカーチェイスも長いし(どの程度犯人の計画範囲なのかわからない)、屋敷内の監禁から脱出までとか沢村はとにかく落ち着け(2回目)とか、とにかく無駄なとこ多すぎ。あとパズルはそうだと思ったし、ハンバーガーはフェイクかどっちかと思ったけど、途中まで良かったのに最悪の展開じゃなかったんで恐ろしさ激減。しかも結局確かクリーピーと同じパターン。
というかもうあの真犯人さっさと撃っちゃえばいいのにって何度思ったことか。あの拳銃、てっきり自殺用に弾1発しか入ってないのかと思ってたら全弾残ってるし。
あとさ、お話のキモとして裁判員制度での冤罪ってのがあるんだけど、これ原作がどうなってるのか知らないけど裁判終わって裁判員が出てくるところをチェックされたり、最後沢村の奥さんがフリーライターに突撃されたりって絶対ダメでしょ。奥さんそれ警察に通報してもいいと思うよ?裁判員が誰なのかわかっちゃダメじゃん!それによって脅されたりとかありえないし。プライバシー保護!プライバシー保護だろよ。それ罰則あるよ!
その辺のことを配慮どころかホラーネタに使ってるこの映画ってどうなの?っていいたいよ。オチもなぜ?って感じ。心因性だとしてもそれがなぜ○○アレルギーになる?
あー。ダメな映画ほど無駄にツッコミ書いてしまったよ。大いに時間の無駄、しかし書かざるをえないよ。
 
映画はTOHOシネマズで見たけど新宿ピカデリーに行ったらこんなのありましたw