そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/
監督:デビッド・イェーツ 脚本:J・K・ローリング 原作:J・K・ローリング

 

原作者J・K・ローリングが自ら脚本を手がけ、実際に発売もされたホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書「幻の動物とその生息地」の編纂者である魔法動物学者ニュート・スキャマンダーが繰り広げる大冒険を描く。
未知の幻獣を求めて世界中を周り、ニューヨークにたどり着いたニュート。ところが、魔法のトランクに詰め込んでいた魔法生物たちが逃げ出してしまい、魔法生物を禁じているアメリカ合衆国魔法議会のお尋ね者になってしまう。さらに、魔法の根絶を目論む秘密結社・新セーレム救世軍の暗躍で、事態は思わぬ方向へ転がっていく…(「映画.com」より)

 
子供向けな学園もののハリポタより幻獣ハンターの話のほうが好きなパターンかなーと思ったんだけど、はっきり言って脚本がクソでものすごくもったいないなあ…って思ったら脚本自体がJKローリング女史かよ!
前情報まったく入れてなかったんで原作者が脚本やってるって知らなかったよ。予告編見て主役がレッドメインだし面白そうだなあと思ったんで観たんだけどさー。
せめて演出で拾ってくれたらと思うとこもいっぱいあったけど、脚本が原作者じゃムリか。あーあ、せっかく面白そうな設定とかキャラなのになあ。
とはいってもぶっちゃけ昔のハリウッドエンタメ映画みたいなありがちな構成で、ポケモンGOかモンハンかってなネタをハウルっぽい魔法使いの主人公がマスターキートンのようにゴーストバスターズする話なんだけど、キャラも状況も背景の説明もなし、主人公の目的すらハッキリしないまま何となくだけで話を進めてて、まじめに何が何だか。
でも最終的に見た感はあるし、何となく話はまとまって解決した感じはあるんで面白かったような気にはなれるのかな。確認のために映画.comのレビュー見たら評価が良くてビックリだよ。
んでこの主人公がハリポタの幻獣の教科書の作者、ニュート・スキャマンダーなのか。うっすらとしか記憶になかったよw(ちなみにハリポタは原作は1巻めであまりの下手くそさにリタイヤ、映画はアズカバンまでしか見てない気がする)
映像はそこそこ良かった。ときどきCGやVFXが甘い気がするし、見てる間の映像的快感のほとんどが魔法で瞬間移動するときの爽快感だし、黒いカモノハシみたいなニフラーが可愛いってことに尽きるというかw
ああ、最後の最後で破壊された街を魔法使いたちが直していくところはとてもすがすがしく気持ちよかった!
以下ネタバレでクソミソに言うけど、映画自体はつまらなくはないし面白くないわけでもないんだ。とにかく脚本がクソでもったいないし、エディ・レッドメインの無駄使い、いやレッドメインじゃないとむしろ見てないかも。
 
 
つーかニュートが主人公のわりに使えなさすぎてイラッとするレベルなのはどうかと思うよ(^_^;)
もしかして彼はドジっ子属性の魔法使いってことなのかな?過去の悲しいことや今の立場がちょっと自己肯定感の少ないキャラを演出してるってのはとても興味深いんだけど、この脚本でそれが表現出来てるかというとあんまり出来てないような気がするし。なんか主人公のやってることが今ひとつよくわかんないんだよ。しかも本題に微妙に噛んでない感。何が本題だったのかという問題はあるにしても。(これ重要)
まあおっさんとの凸凹コンビは良かったけど、仲良くなってることにまったく理由がないし(さっさと記憶消して放流しろとしか)なんで汗ダラダラ流してるのかと思ったし、それ以前に早く手当してやれって。しかしそのままなし崩しにトランクの中案内して仲間になるならもうちょっとおっさんとのコンビ見たかった。
しかし過去の話ってのは知ってたけどいつなのかわかんないぞって思ったら、パンフ見たら1926年のNYマンハッタンって書いてあるね。もしかしてオレが見落としたのかもしれないけど、ジェイコブが1924年に復員してきて長い間缶詰工場で働いてたとか禁酒法の時代だとか言うから風俗的にも1930年前後かと思ってたよ。
つか全体に年代や登場人物の固有名詞、簡単な時代背景など、2時間の映画にあるべきお約束的に印象づけたほうがいいものがかなりスルーされてるんで、本気でこの原作者に脚本をやらせるのはやめたほうがいいし誰かそこは直してやれよと思う。普通は監督が補足するとは思うけどね。
あと観客はアメリカのマンハッタンを知ってる人ばかりじゃないから、普通はマンハッタンに不慣れなニュートの目線に合わせて舞台であるマンハッタンをわかりやすく見せると思うんだけど、具体的な地名が出てるわりにその辺の見せ方も下手だった。
意味なく魔法のお着替えを尺取って見せたりするわりに、マクーザの入ってるビルがノー・マジと同じ建物なのに(だよね?)違う場所につながってるってのもチラ見せ程度なのでよくわからなかったし。そういうとこ結構あったからこの監督もあんまり信用してないけど。
シリーズしょっぱなとして魔法や魔法動物、出すべき登場人物やコメディシーンに尺を取るのは別にいいんだよ。でも必要な描写は入れといてって話。
あとすごく面白そうだと思ったのはイギリスとアメリカの魔法使いのルールの違い、イギリスの魔法省に対してアメリカの魔法界、人間の呼び方(マグルとノー・マジ=非魔法族)やその関わり方、アメリカの魔法学校とホグワーツの違いとかはもっと小ネタで入れて欲しかった。
アメリカの魔法学校の名前、一回しか言ってないから覚えてないよ。絶対お互い牽制しあってるしあの感じだとお互いの学校自慢とかあるはずじゃん。(そこを見せろ)
そもそもハリポタよりも70年も昔の話なんだから、ハリポタを知ってても知らなくても当時の状況は軽く説明してほしいよね。
その辺の設定で面白そうな部分がたくさん見え隠れしてるだけに、脚本がヘタクソで全部スルーなのがもったいないんだ。くそ原作者め…!てか自分が知ってるからといってスルーしていいってもんじゃないぞ>細部
 
そしてこの話は一体何の話だったのか。
ニュートがアメリカに来たのは魔法動物のサンダーバードを元の生息地(アリゾナ)に返すためだけど(つーかアリゾナに行くのになぜマンハッタンに上陸した?)、そいつが捕まってアフリカで見世物にされてるって時点でアメリカ魔法界のいうところの機密保持法ってどうなってるのよって思うんだが。
大体ノー・マジのおっさん・ジェイコブの記憶を消さずに放置したってとこからしてドジっ子なんだけど、そこも本来はイギリスとアメリカの魔法使い認知度の差異って話だったんじゃないのかなあ。
まあとにかくこの登場人物がみんなボンクラだってのはあるけど。ヒロインも何がやりたいのかよくわかんないキャラだったし。(いいけど姉妹似てなさすぎ)
というかアメリカ魔法界とマクーザ(魔法議会)との関係もよく分からないし、ヒロインのティナの闇祓い師ってなんなの?魔法使いじゃないのか?説明して原作者!
そのティナが左遷されて元上司のグレイブスに疎まれてるのはわかったけど、魔法使いの機密保持法を破って処刑されるってどういうことよ。いやあの儀式も記憶見えたりよくわかんなかったけど。てか議会ってなんなんだ?
数回名前が出てきたグリンデルバルドとかいう闇の魔法使いがどう絡んでるのかわからないまま、最後はそいつがグレイブスに化けてて黒幕でしたーってどういうことなのか?えー?彼の話なんか全然してなかったじゃんよ。(ハリポタでは既出のようですが)
途中出てきた新聞社の社長とその息子たちや救世軍って必要だった?
しかもグレイブスが探してたオブスキュラスという闇っぽい生物の正体は誰なのかということでミスリードを誘ってるのに、そもそもそこに主人公のニュートは関わってないよね。最初から最後まで。全然ミステリーでもない。探偵役は主人公のニュートであるべきでしょうよ。
というかそもそもオブスキュラスって魔法生物なの?魔法生物だとしても結局その正体だったクリーデンスは、ニュートとは彼が正体を見せて街を破壊し始めるまで一度も会ってないし関わりもないし、ニュートが話してたスーダンの魔法使いの少女がオブスキュラスになった理由とクリーデンスがそうなった理由はぜんぜん違うよね…?
一応もうちょっと細かく突っ込むと、イギリスじゃ魔法使いは迫害されてないからオブスキュラスは生まれない(でいいのかな)、スーダンの少女は魔法使いだということを隠そうとしてオブスキュラスになった。クリーデンスは魔法使いの家系で唯一魔法が使えなかったからオブスキュラスになった…ってことで?本当なら劇中で説明すべきだと思うけど。
悪者が誰で、何をしたのかもさっぱりわからないけど、クライマックスの騒動を起こしたクリーデンスはむしろ被害者だよね?ニュートも被害者だと思うけど、何もかもがウヤムヤのまま、まったく関係ないクリーデンスを止めるためにニュートがグレイブスと戦うというわけわからなさ。原作者(=脚本家)、ちゃんと展開わかってる?
 
あと最初のオブスキュラス被害で壊れたマンションってつまり、クリーデンス兄妹の住んでた家だったってことだよね。わかりにくいけど。それをマクーザはニュートの逃げた魔法動物のせいだと言って(その流れから機密保持方違反で)処刑しようとしてたけど、ニュートが入国したタイミングを考えるとまったくの濡れ衣だと思うんだけどどうか。
しかもなぜティナまで巻き添えになってるのかもよくわからないままだった。そもそもなぜティナは闇祓い師の部署から異動になったのか。
あと重ねて言うけど、ニュートは何度も同じ動物(ニフラー)を逃しすぎだし、ニフラーを追って銀行や宝石店を破壊しまくるってどう見ても強盗以外の何者にも見えないんだけど魔法でなんとかすればいいと思ってるのかよ(苦笑)いやニフラー絡みのシーンはすべてかわいいから許す。ドジっ子魔法使いのニュートもカワイイから許す。ノー・マジのオッサンと友情を育んでもカワイイから許す。
ただなんか、ジェイコブとクイニーの無理矢理感のある恋愛描写はいらなかったなあ。その20分くらい切ってくれ。マジで。

そしてグリンデルバルドはやっぱりジョニー・デップだったよね?あれで捕まるのもなんか迂闊というか、闇の大魔法使いじゃなかったの、よくしらないけど。
ところであの蛇ドラゴンみたいな(アジア圏だと蛟とか蛟龍ってやつね)魔法動物の卵の殻、純銀って言ってたけどそんなに価値がある?パン屋が開けるほどに?金ならともかくと思うんだが。
とにかく良かったのは1920年代のニューヨークの街並みが良かった。あの街並みを修復していく魔法使いたちはなんかカッコ良かった。オレもやりたいw
パンフの解説がたくさんありそうなのでこれから読むよ。