そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

キセキ あの日のソビト

http://kiseki-movie.com/
監督:兼重淳 脚本:斉藤ひろし

 

メンバーが歯科医師で顔出しを一切しないという異色のボーカルグループ「GReeeeN」の代表曲「キセキ」の誕生秘話を、松坂桃李菅田将暉のダブル主演で描く青春ドラマ。
厳格な医者の父親の下を飛び出したミュージシャンのジンは、父の思いを受けて歯科医師を目指していた弟ヒデの音楽の才能を知り、ヒデとヒデの音楽仲間たちに自分の夢を託すことを決める。歯科医師を目指しながら音楽もやりたいが、そのことを恐ろしい父親に言い出せないジンとヒデは、顔出しなしのCDデビューという作戦をとるが……。「GReeeeN」の楽曲をプロデュースするJIN(ジン)を松坂、弟でグループのリーダーを務めるHIDE(ヒデ)を菅田が演じる。「そして父になる」「海街diary」など是枝裕和監督作で助監督を務める兼重淳がメガホンをとった。タイトルにある「ソビト」は「GReeeeN」による造語で、「素人」または「空人」と記し、「自由に新しいことに挑戦していく人」を意味する。(「映画.com」より)

 
上映前の予告に神奈川歯科大学が宣伝入れてて「君のキセキはここから」って、ねらい撃ち感すごいw(本編見たら神奈川歯科大学がロケ協力してたからかw)
やー新宿のバルト9で観たんだけど、レディースデーにしても平日の夕方に一番大きなスクリーンって豪勢だなあと思ってたら(前日夜に予約したときは真ん中しか埋まってなかったから)、上映時間になったら400席以上のとこがほぼ満席でした。すげー。
GReeeeNにそこまで興味なかったオレはキャスト目当てのつもりだったけど、思ってたよりいい青春映画だった。菅田将暉はやはり良い。(もちろん他に松坂桃李とか横浜流星とか成田凌が出てる俺得映画だから見に来たんですよ)
というかGReeeeNのキセキって「ROOKIES」の主題歌で知ったんだけど、あれが2008年だったんで(佐藤健の電王後の初レギュラー仕事)それからもう8年も立ってたという事実に何よりも驚愕したよ。もうそんなに…!
なのでその時に現役歯科医師のグループで顔出ししないで二足のわらじやってるってことは知ってたけど、デビューから10年ずっとそうだということにビックリ。そしてwikiで確認したタイアップ曲の多さよ…!(この映画ってGReeeeNの10周年企画なの?)
特にアルバムで聞いたりはしないけどよく耳にする曲ばかりなのは、歌詞がストレートで曲がキャッチーだからだと思うけど、そこがいちばん大事なところだというのがこの映画を見て本当によくわかったです。
この映画、原作とかあるのかと思ってたけどそういうわけでなく、本当にこの映画のために作られたお話だってことでいいのかな。いや「ソビトって誰のことや?」って真面目に思ってたし、映画見終わっても誰のことだ?って思ってたよw
何にせよ、大人気のミュージシャンなのに誰も素顔を知らない、実像がわからない人たちの実話ドラマというのは不思議な感じ。
その上、本人たちの曲がイメージ的に使われるわけでもないし、エンディングのタイトルロールに出てくる成功した(今の?)彼らも劇中キャストがやってるというのも、妙なメタドキュメンタリーのように思えるよ。
 
ストーリーはオーソドックスでとてもわかりやすく面白かったけど、ちょっと上手く話が運びすぎって気はするかな。
最初はお兄ちゃんのジンの話から始まって、思ったよりそっちの話に尺取ってることに戸惑うんだけど(一応GReeeeNのメンバーはみんな歯科大生だってのはわかってたんで)、その分兄ちゃんに踏み台感が無くてよかった(笑)兄ちゃんの挫折がなきゃ弟のデビューはなかったと。
いやそのジンの挫折から裏方に徹するとこや、父親との関係などなど、ジン(兄)とヒデ(弟)の気持ちは描きつつもディテールや時間経過はすっ飛ばし気味なので全体的に誰が見てもいい話で、まあ話の展開上ヒデが周りを振り回してるわりに許されてるなあってとこはほぼ実話だと思うとああ〜って思ったかなあ。(しかしデビュー簡単すぎる)
まあ兄ちゃんがわかりやすくヘビメタロックやっててイマドキ(10年前だけど)そりゃメジャーデビューはないよなあってオレでも思うもん。むしろフォークとか聞いてる弟の作る曲のほうがポップでキャッチーだとか、歌詞がストレートだから心に響くとか、なんか兄ちゃんの気持ち考えると苦しいよw
まあそういうとこが丁寧なのは良かった。話としても見せ方としても。
画面の雰囲気やトーン、細切れなカット割りの演出はいかにもなダサ邦画だし(こういう細かくカットをツメツメな演出好きじゃないんだ)、細かいところすっ飛ばしてるけど大事なところは押さえてるから話運びには無理がないというか、これはこれでまとまってて良しかな。
全体通してよくありがちな親への反抗というより、もともと親が医者で医者になることを期待されてる良いお家で育ったいい子たちが、なんとかして厳格な父親にやってることを認めてもらいたいという話だし、対立の解消に病気の少女とか絡めてくる辺りも和解の予想ができるって意味でわかりやすかった。
まあでも最後、ヒデが「キセキ」の歌詞を書き始めるとことかちょっと泣けたよ。最初に兄ちゃんがヒデの歌詞をこっ恥ずかしいからやめろみたいに言って直そうとするのを直させなかったってのがあるからね。
あと最後に音楽合宿に行くヒデたちを見送るお父さんが「GReeeeNって知ってるか、お前たちもGReeeeNみたいな音楽を作れるようになれ」って言ったとこ、お父さんが知ってて言ったのかそうでないのかってとこ含めて良かった。パンフ見たら監督は曖昧にしてるんだけど、オレはあそこはお父さんの照れ隠し的な「知ってて言った」だと思うな。たぶんヒデがお願いしに来たときはそんなことは言わなかったと思うし、でもお母さんたちがCD買ってるからなんとなくわかってたとは思うけど。(あの時点でもうGReeeeNって相当流行ってたし、オリコン1位って音楽に興味がない人も知ってるレベルだろうなあーと思ったw)
あーでもこれ、本人たちの実家は京都だし学校は福島だからそのへんはかなりアレンジしてあるってことなのかな?(しかもHIDEって中高と高知やん!親近感w)

そしてやっぱり菅田将暉の演技はとても自然で上手いなあ。なりきりとも違うというか、演技してるような感じじゃなくほんと自然なんだよね。一度諦めるところか、すごく自然に泣いててすごいよ。
とーりもボサ頭とヒゲが似合っててビジュアルがとても良かった。こういうのなら好みだし、弟の曲がレコード会社に認められたときのヤッター感とか今回演技もよかった。
あと目立ってたわけじゃないけど成田凌をちょっと見くびってましたすいませんw 出てるのは知ってるのにしばらく誰だかわかんなかったwいやーああいう役ができるんだなー。
そして最近小林薫を見すぎてるような気がするw 小林薫のお父さんの厳格さと麻生祐未のお母さんのフォローもいい感じだった。あ、忽那汐里も誰だかわかんなかったよwあれマジで実話?海援隊で?w
ところで劇場でも売ってたけど、GReeeeNプロデュースのこの歯ブラシカワイイよね。オレは去年見つけて買ってもう使ったけど、トラベルセットは初めて見たんで(カワイイ)買えばよかった。今度買おう。