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横山光輝版 項羽と劉邦 全12巻(文庫)

項羽と劉邦全12巻箱入 (潮漫画文庫)

項羽と劉邦全12巻箱入 (潮漫画文庫)

 
読み終わったのは2週間前くらいですが、メモ程度に感想書いとこうと思ったけどなかなか暇なくて。
こちらも三国志と同じく読んでる途中、毎回のサブタイトルもたいがいネタバレなんだけど、巻末の解説でも大いにネタバレされるよ。特に韓信の末路とか!(とはいえこの「項羽と劉邦」自体は項羽が死んで楚が滅んだところで終わってるけど)
時期的には三国志が終わったあとの連載だけど、時代は三国志より400年くらい遡って前漢の成立時期、劉備玄徳へ続く血筋ってことになるのかー…ってことすら初めて知りましたw 血筋と言ってもたくさんいるんだよね、そういうの(さすが中国w)

こちらはまた三国志とはまた別の味わいの話だったです。最初始皇帝から話が始まったのも「え、なになに?なんで?」って感じのオレだw
漫画として感じたのは、三国志が結構史実の話を追いかけるのに手一杯で(でもちゃんとキャラ描写はある)、ストーリーメインの遊びが少ない真っ当な物語だったのと比べると、そのあとだからか項羽と劉邦の方は漫画的な描写のお遊びというか余剰分が多くて、別の意味で楽しめたw(それでも三国志のキャラが立った名セリフには敵わないんだけど)
それにしても劉邦は元が小役人→野党になるような人物だけあって、地頭は良かったのかもしれないけど素直すぎるってのと、あまりに単純すぎるのが…w どうして張良先生はずっとついててあげなかったのか。(韓信の最後を思うと…)
項羽は最初から乱暴者でいくら虞美人とラブラブでも何かやるたびにああバカ…!としか思えない。劉邦じゃなくても確かにこいつは滅ぼさねばならんて思うよ!それと范増さんは本当に答えを急ぎすぎて貧乏くじ引いたなあと。いや少なくともこの人が項羽じゃなく劉邦に付いてたらなあ。自分の占いは信じねば。
あと韓信だよ韓信。なんかいろんな意味で残念というか、それ以上にどんなに偉くなっても何十年も前の股くぐりを言われるとか、容赦ねえ…っつか昔の奴らはホント単純バカだな!あまりにも認められなくて韓信気の毒すぎる!
まあどう見ても悪い人なので項羽が討伐されてよかったと思うし項羽と虞美人のラブラブっぷりより、そういや虞美人と同じころに項羽に使えた愛馬が…馬は意外と長生きだし、最後は可哀想(ホロリ)
しかしそうまでして中国を統一した劉邦が良い人かというとそうでもないというのも中国…って感じ。諸行無常
そういや三国志と比べてそこまでのめり込む面白さが少なめなのは、兵法や物事がすべて単純だからかなあ。軍師同士の腹の読み合いとかは三国志のほうが面白かったし。やっぱり400年も昔だとみんなまだ考え方も戦い方も単純なのは仕方ないのか…と。
あと雑兵死にすぎ。簡単に一言で20万人埋めましたって言われても…!あいつらにだって故郷に帰れば家族や友人がいるだろうに…不憫。本当に人間の価値が低すぎるっての、中国って感じ。まあ紀元前の話だから仕方ないけど。キリストだってまだ生まれてねえし。
ただ400年後の三国志の時代の方が戦略とかは洗練されてるけど、400年経ってもあんなもんってのもあるから、やっぱり一度世の中が平定されると時間の進みは遅くなるのだなあ。
というか紀元前から中国人は中国人なんだなあーと。(横山先生の描くビジュアルが正しいかどうかはともかくとして)紀元前はるか前からあんなにもすごい文化や技術があったのに、大陸的とはああいうことかと。そんで確かに中国四千年とかいうのは伊達じゃないんだなあーと実感した。項羽が燃やしたと言われる阿房宮とか今あったらどうなんだろう。あと兵馬俑だっけ(文庫の表紙はいろいろな兵馬俑ってことらしい)、いろんな発明もすごい。
つーか、背水の陣とか四面楚歌、狡兎死して良狗烹らるとか紀元前の故事成語が今現在の日本でも通用しているというタイムレスさにおののくよ。中国おそるべし。
こちらも三国志と同じく巻末の解説や読み物が面白くて、これまとめてどっかで電書で上げればいいのにと思うよ。文庫版の巻末にしかないの、もったいないよなあ。
 
そういやオモシロなコマを撮っといたんだw(暇人なオレ)
 項羽、ダメじゃん!
 悪いのは韓信だけど、死ねとは劉邦も酷いことを言うwwwこんな人が将軍で大丈夫か?
 劉邦のポエムよりも張良のフォローのほうがwwwさすが軍師w
 目上の人に酷いことを言う項羽将軍。
 優しい軍師w
 范増の長台詞に彼の激しい驚きを感じる…という漫画ならではの技法?上手いw
 と思ったら作者自ら「読まなくていい」とはw
 なんとも言えぬコマ描写www
こういう漫画的なお遊びと心の余裕、たまりませんな(笑)