そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

パワーレンジャー

http://www.power-rangers.jp/
監督:ディーン・イズラライト 脚本:ジョン・ゲイティンズ

 

日本の「スーパー戦隊」シリーズを英語版ローカライズしたテレビドラマを、最新の映像技術を用いてリブートし、映画化したアクション大作。
紀元前、世界の運命を決める大きな戦いが起こり、5人の戦士によって地球は守られた。そして現代。平凡な毎日を送っていたジェイソンら5人の若者は、偶然にも同じ時間・場所で不思議なコインを手にしたことから、超人的なパワーを与えられる。戸惑う彼らの前に、かつて世界を守った「パワーレンジャー」の1人であるゾードンと機械生命体アルファ5が出現。再び地球を滅ぼすべく復活した悪の戦士リタ・レパルサを阻止するため、ジェイソンたちが新たなパワーレンジャーに選ばれたと告げられるが……。
パワーレンジャーの5人には本作がハリウッドデビューとなるデイカー・モンゴメリーや全米ブレイク中の歌手ベッキー・Gら、フレッシュな顔ぶれを起用。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でBB-8の声を演じたビル・ヘイダーがアルファ5役、テレビドラマ「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストンがゾードン役、「ピッチ・パーフェクト」のエリザベス・バンクスがリタ・レパルサ役をそれぞれ演じる。(「映画.com」より)

 
なんとなーくネット上で日本の戦隊モノ好きクラスタのおっさんたちがくだらない文句言ってるのを見かけたけど、そういう見方しかできないのはくだらねーとしか。
ただ正直「大人の戦隊モノ」というのも抵抗あるというか、内容的にはティーン向け映画には違いないから、大人向けではないとは思うな。スパイダーマンよりも対象年齢は下だと思うし。
とにかく日本の戦隊もののリメイクではなく、向こうでもう何十年もやってる米国ローカライズ版なパワーレンジャーの初期のリブートものってことらしい。

戦隊かどうかはともかく、普通にはぐれ者のティーンエイジャーたちが運命の導きで自分たちの町を救うパワーを授かる青春SF映画だった。オレは好き。
パワレンは日本で見られるようになった時にちょこっとだけ見たけど全部は見てないから今の向こうのパワレンの設定の詳細はわからないんだけど、日本では様式美的キャラ付け記号のカラフルさにちゃんと意味を持たせてたのがよかった。ただ日本人の感覚からいうとその多国籍さが今一つ区別がつきにくいのはあるかも。わかりやすく金髪や赤毛がいるとか金持ちセレブがいるとかしてくれればわかりやすいんだけど、もしかしたらそういう見た目やクラスは彼らが思う個性や多様性ってことじゃないのかな。基本的には「人種」なんだろうけど。
PCに配慮してるから他国籍なキャスティングなんじゃなく、いろんな個性があるってことが重要で、5つの色は5つの個性、それをお互い認め合うだけじゃなくまったくの他人同士が繋がれるということが一番大事なことだというのはよくわかった。ジェイソンが「まったく他人が同時にここにいたことに意味がある」って言ってたのはそういうことなのかな。その辺アメリカはPC的な多様性から更に一歩進んでる気がしたけど。
変身できないのはお互いのことをよく知らないからだといって自分語りをするけどそういうことじゃなく、違う立場の者同士がお互いを思いやれるか=繋がれるかということのほうが重要なのは、それでみんなの心が一つになること=たぶん「善」ってことなんだろうな。
だから変身出来るってことが一番のクライマックスで、そこがヒーローになれるかどうかのハードルなのかと。個々が一番盛り上がった気がしたし。
そのせいか若干その後のアクションはそれこそ戦隊モノっぽいテンプレで、あまり考えることなく恐竜型のゾードメカに乗って闘い、何がかよくわからないピンチにいきなり合体して巨大ロボ出現、無敵という展開は葛藤がなくて若干物足りなかったかなあw
 
お話として残念だったのは、クリスタルを守ること、もしくは手に入れることがどういう意味を持つのかあまり説明されてなかったことと、過去のレンジャーたちが負けたという戦いの詳細はもう少し時間を割いて描いて欲しかったこと。
なぜリタは裏切って闇落ちしたのか、金を集めてるのはどうしてなのか、他のメンバーは?元リーダーのゾードンがなぜ任務に失敗したのかなどなどは普通に盛り込むべきエピソードだと思うし、自分が蘇ろうと思ってたゾードンがその過去をどう乗り越えたのかもキャラ立ちって意味でももうちょっと知りたかったよ。そこが曖昧だからちょっとばかしレンジャー自体の説得力に欠けるのが残念。
あと基地っぽいとこが宇宙船てのもよくわからないし、そもそも過去のレンジャーは何と戦ってたんだ?地球外から地球のクリスタルを守りに来てくれてたってこと?だからそのクリスタルってなんなのか。
あともう一つ言うと、監督がアクションの見せ方あんまり上手くないせいか肝心のクライマックスのせっかくのメカ恐竜との戦いや巨大ロボの合体などクライマックスのアクションで何が起こってるのかさっぱり分からないのは残念。コクピットばっかし映してて何が起こってるのか分かるように演出してくれないから何が何だか。
敵のゴールダーがレンジャーと同じような姿をしてる必然性ほしいとか細かくいうといろいろある。なんでいかにもな怪物じゃダメだったの?
クリスタルのある場所がクリスピークリームの店の地下なのはちょっと笑ったけど、そもそも6500万年前のクリスタルがなぜそこにあるんだよw でもメレたんみたいな緑の敵の人、リタ(普通の名前すぎる)がクリスピークリームの店内でドーナツ食べようとしてんのちょっと可愛かったしそういう笑いはもっと欲しかった。
てかクリスピークリームが重要なら途中でみんなが集まるとかで出しとくべきだよね。そしたらあのドーナツ屋がー!ってなるのに。(たぶんクリスピークリーム知らない人普通にいると思うよ)
ブルーが「蜘蛛に噛まれた」とか「アイアンマンかスパイダーマンか?」「ごめんバンブルビー」とか言ってるのも元ネタがわかれば面白いけど、そういう笑いももうちょい欲しかった。
レッド@ジェイソンが父親を助けるとこは良かったけど、この映画に必要なのはイマドキ描写としてのマスコミとSNSの拡散だよ…と思ってたら、最後安全になってから町のみんなが写真撮りはじめたの笑ったw
最後、グリーンの戦士を示唆するような終わり方だったけどこれ続編あるのかな?
 
あ、この劇場でもらえる大判カードって村田雄介先生だったのか。てかカードにちゃんと名前入れといてよー知らない人はわからないよ、もったいない

これすごい戦隊を研究してるなあ!読み応えあるし確認にもいいかも。