そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

新感染 ファイナル・エクスプレス

http://shin-kansen.com/
監督:ヨン・サンホ 脚本:パク・ジュソク

 

ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道の中で突如として発生した、謎のウィルスの感染拡大によって引き起こされる恐怖と混沌を描いた韓国製サバイバルパニックアクション。
ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。
韓国のアニメーション界で注目を集めてきた新鋭ヨン・サンホ監督が初めて手がけた実写長編映画で、今作の前日譚となる物語が長編アニメ「ソウル・ステーション パンデミック」で明らかにされている。(「映画.com」より)

 
走るゾンビも歩くゾンビも超苦手。最近では「ゾンビランド」と「アイアムアヒーロー」は見たくらいのオレですが、予告編で面白そうだったのとやたら話題になってたんで観に行きました。
ベタな展開でわりと面白かった。面白かったけど、なんかこういう極限状況のパニックムービーってゾンビじゃなきゃあるよねえ。ゾンビものほとんど観てないからゾンビものとしての斬新さはわからなくても仕方ないのか。感動薄くてゴメン。というかオレがパニックムービーに興味が無いのかな、もしかして。
タイトルはこんなダジャレ風味なのより原題の「釜山行き」の方が断然良いけど、ここは日本だから仕方がないか。
というかまあゾンビものだけど家族愛を絡めてくる、とても韓国映画らしい泣かせの感動映画でした。
一応ネタバレで。ネタバレだよ、オチも言うよ?
 
 
主役のコン・ユさんは向井理に似てると思うんだけど、役どころ的に脳が勝手に西島秀俊長谷川博己に変換するし(どちらかというと長谷川博己かな)、妊婦さんは奥貫薫に見えてしょうがなかったです(笑)
正直いうと、期待値が高かったせいかオレはイマイチだったかなあ。いやその割に観てる間は拳握りしめて観てたのは確かですが、ストーリー的にはホラー要素少なめの体育会系なノリと韓国映画的な泣かせのパニック映画なので、多少の人間模様があっても予定調和すぎて物足りなかったというか。(ただあのバス会社のおっさんは予想以上にクソだった。オレもぶん殴りてえ)
あと笑いどころが多いのは別にいいんだけど、笑わせたくてそういう展開なのか予期せぬマジメギャグなのかわからないとこあるのと、脚本は良く出来てる割に無意識なのかそうでないのかわからない突っ込みどころも多くて、全体には緊迫感があまり感じられないのがオレはハマらなかったって感じ。
演出的にもたもたしてるとこはちょっと好みじゃないっつかイライラするかなあ。さっさとドア閉めろよとかもたもたしないで逃げろよとか、そこでそんなに考え込む?とか。
特に最初の方は主人公が利己的にしか行動しないからドア締め切るなよとか妊婦さんがドアに目隠しで新聞貼るところとか手伝えよって思ったし、ドジっ子ホームレスはもしかしたら何かあるのかと思ってたけど、最期までドジっ子要員かよとw
あと途中の列車乗り換えるところまで思ってたのは、せっかく制圧できてる釜山にゾンビ列車で乗り込むなよと。その辺の頭の悪さは好みの問題なのでまあしかたない。外と通信できて状況はわかるんだから、誰かちゃんと頭使って現状をまとめてよとしか思えない。
基本的になぜゾンビパンデミックが起きたのか、なぜ人間を襲うのかは気にならなかったな。バイオ研究所のことに触れてるのと前日譚があるってのはわかってるからだと思うけど。でもあの格闘家みたいなおじさんと妊婦夫婦のバックボーンはちょっと気になった。
あとネタバレだけどどうしても突っ込みたい。おそらく進行方向先頭車両に居る生き残りの皆さんのとこにたどり着いたソグたちを恐れて連結部に追いやるんだけど、どう考えても連結部のほうがゾンビ車両より遠いよね?それとも先頭の機関部にいかないってことはあの15号車より前にもゾンビ車両があったってことだろか。よくわかんなかったけど。
まあゾンビがドアを開けられないからってつっかい棒もしないのは無防備すぎるとも思うし、そのあとの顛末もあまりに展開がベタで読めちゃうしなあ。おばあさん姉妹の妹が妙に若作りのコントメイクみないなのも気になったw
そしてゾンビが走るの速いってだけで笑いが出ちゃうし、感染速度が早すぎてあっけにとられるんだけど(笑)
あのゾンビたちに弱点?があるのは良かったけど、その縛りも割りとご都合な気がするからなんかあの走る密室のミッションもゲームっぽいんだよなあ。というか、暗くなるとゾンビの動きが止まるんだから夜になるのを待ったらどうだろうか?というかその情報は共有しようよ。
全体に笑えるツッコミどころ満載のB級映画でベタな泣かせを持ってくるにしても、自分的にハマらない理由を考えると、主人公のソグが自分勝手で利己的な考え方から変わるところがはっきりわからなくて、カタルシスがあまりなかったからかなあと思った。
でも邦画にはなぜかあまり見ない演出だけど、彼の最期を影で表現したり、娘のスアンを慈しむように指に触れるところをドアップで撮ったりはとてもロマンチックで叙情的で、そういうとこは良かった。何で邦画はああいう撮り方しないんだろね。韓国映画的な叙情表現だろか。
でもまあパパのあの最後とか日本の映画だとああはなならないから、やっぱり韓国映画は泣かせ優先だなあと思ったです。絶対お父さんが死ぬんだよね。お母さんじゃなくお父さんなんだよ。それが韓国の家族愛なんだよなー。
オレの好みにフィットしないってだけで、このシチュエーションと脚本はとてもよく出来てるんで邦画も最低限これくらい企画と脚本は練って欲しいですね。
あとはソグのすごい広い家マンションお母さんが干物作ってるのがなんか地味にリアルでよかった。ヘリでゾンビ撒いてるのもちょっと笑ったw あとあの運転士さんの「あービックリした」と(そんなレベルの驚き?)、走るのがとても速いゾンビたちのゾンビイカダとかゾンビだんごとかも。あとなんでスアンが歌ってた歌がアロハオエなのか気になる。いやあの最後のスアンの表情はちょっとうるってきたしホントにホッとしたけど。あのあと二人は無事に釜山で生き残れるんだろか?続編とか後日談とかありそうね。
列車内のシーンはほとんどセットで、車窓の景色をスクリーン投影したリア・プロジェクション方式らしい。ライティングが外っぽくて本当に列車が走ってるみたいで全然違和感がなかったよ。ちなみにこれトム・クルーズの「オブリビオン」でも使われてたよねw