そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

グレイテスト・ショーマン

http://www.foxmovies-jp.com/greatest-showman/#/boards/showman
監督:マイケル・グレイシー 脚本:ジェニー・ビックス、ビル・コンドン 原作ジェニー・ビックス

レ・ミゼラブル」でも華麗な歌声を披露したヒュー・ジャックマンの主演で、「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル。劇中で歌われるミュージカルナンバーを、「ラ・ラ・ランド」も手がけたベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当した。
貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したフィニアス。妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。
主人公P・T・バーナムことフィニアス・テイラー・バーナムをジャックマンが演じ、バーナムのビジネスパートナーとなるフィリップ・カーライル役を「ハイスクール・ミュージカル」「ヘアスプレー」のザック・エフロン、バーナムの妻チャリティを「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のミシェル・ウィリアムズが演じる。(「映画.com」より)

劇場の予告編が良かったんで内容は知らないけど絶対見ると決めてて、予想通り素晴らしいミュージカルショーで夢のような2時間でしたよ。
音楽と映像(ダンス)サイコー!
ただしストーリーは単純化しすぎだし(そもそもミュージカルだから小難しい話にはしないだろうけど)、実在の人物の半生の話にしてもこんな胡散臭い興行師が良い人なわけないだろ…としか思えないので、観てる間ずっと半信半疑で心落ち着かなかった。この主人公の興行師、ヒュー・ジャックマンがやってるからOKってだけだよねw
監督は無名の人っぽいけど脚本はこれ「美女と野獣」の監督じゃんよ。どおりですごくまとまってるけど全体に小ぎれいなわけだwハリウッド映画のポテンシャルすごい。
それにしてもヒュー・ジャックマンは凄い。普通ならウルヴァリン俳優として終わるだろうに、ウルヴァリンをきれいに全うしたあげくミュージカルスターとしても生きていけるとか前世でどれだけの徳を積んだのかと…格好良すぎる。ちなみに映画の「レ・ミゼラブル」はまだ見てないけど(見損ねてる)
一応実在の人物の実話なのでネタバレという話でもないけど、wikiで確認したらだいたいの人生のイベント事はそのままなのかな。
偉大なショーマンというか、サーカスを始めた人物ってことで、特に劇中では説明もされてないけど時代的には1800年台半ばのNY、日本はまだ江戸時代。南北戦争にもちょっと早いってことでたぶん人種差別も相当ひどかったはず。そう考えるとアメリカのショーってすごいなあ。そりゃ朝ドラ「わろてんか」でもアメリカのマーチン・ショウを呼びたいってなるわけだ。あとサーカスの歴史すごい。(脳内補完)
彼のサーカス団がその後「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス」になって、wikiによるとちょうど1年前に解散したという話。そういやアメリカのサーカス団がゾウを手放してってニュースは聞いた記憶が。その後業績悪化でサーカス団はなくなったらしい。そのタイミングでこの映画かー…(撮影自体はそれ以前に終わってたと思うし企画はもっと前だろうけど)
劇中で主人公のバーナムが繰り返し歌ってるように想像力があればなんでもOKということで、フリークスを使った見世物芸を「サーカス」というものにして観客につかの間の夢の世界を与えたってことではまさに想像力の賜物だろうけど、そこにいるのは社会から隠され爪弾きにされたフリークスたちってことでなんとなく話の展開は想像つくから、そこをあまりにキレイに描きすぎてるのもちょっと気になったかなあ。「夢」と言えばなんでもきれいに見えるマジックよw
ただそれ以上に彼がフリークスたちに偏見を持たず平等に扱い仕事を与えプライドをもたせたという展開な上で、ミュージカルとしての体裁上のパフォーマンスと映像が素晴らしかったんでめっちゃ感動したよ。マジ泣ける。
それゆえに前半の「偽物(嘘)」でもいいじゃないかと人気を博したサーカスと、後半「本物」の歌姫に魅入られたバーナムの心境の変化が痛くて。
その辺(と浮気かどうか)もちょっと曖昧だったけど、そもそも興行師なんて胡散臭いんだから、そこを真面目に考えるとミュージカル以外のところがツラいというか。
サーカス団のフリークスたちはバーナムによって誇りをもてたから強かったけど、でもその彼らを傷つけてるのは当のバーナムで…と思うと悩ましいところ。
ただまあこの映画ではバーナムはとても誠実な人間に描かれているから彼としては心から良かれと思ってたと、そう信じるしかないんだけど。
あと「わろてんか」の話がちょうどリンクするんだけど、芸能や興行の世界(しかも昔の)なんて真っ当な筋を通していてもきれいな世界じゃないのはわかりきってるから、その辺を描かないようにすると曖昧になってキャラが薄くなるのは仕方ないことなのかも。バーナムみたいな興行師の場合、薄くなることでそれが良い方に転んだってのはあるだろうけど、ただこれがミュージカルじゃなければその手の実在の人物を描いた他の映画と同様に、ありきたりって意味でそんな面白い映画にはならなかったんじゃないかなあ。
とにかく「ラ・ラ・ランド」のスタッフのミュージカルシーンはとても華やかで美しく、フリークスたちのアイデンティティとプライド、彼らに対する社会の風当たりという点でもとても今なテーマを扱ってるなあとは思った。社会派ってほどでもないエンタメ映画だけど、とにかく歌とダンスが素晴らしいので一見の価値はあるかも。ストーリーは終始もやもやするけどw
あとちょうど今終わったばかりの今シーズンの「プロジェクト・ランウェイ」の最後あたりに空中ブランコのゼンドウヤが出てて、誰これ状態だったんだけどこの人かーと理解したよw(というかランウェイに出てたの自体が番宣?)