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監督：瀧本智行 脚本：青島武 原案：本多孝好
今回の監督は生田斗真の「脳男」や「グラスホッパー」の監督か。（脚本家も）
おまけにものすごい久しぶりに見る高橋源一郎。（と思ったら「カルテット」にちょこっと出てた）
削除依頼した3日後に依頼人が自殺。その後始末をさせられる…以上の物語がそこに。そして昭和の残骸というか、過激派革命軍の生き残りを公安が監視とか、そういう話か。
寂れた港町、時間が止まったような町の商店街にマーラーの交響曲第5番ってのは、ちょっとベタにノスタルジックすぎる気がするけどまあいいや。1,2話目よりもややロマンチックでノスタルジックな昭和の残り香…かと思ったら、この曲がそもそもヴィスコンティの「ベニスに死す」のテーマ曲でと、そういう雰囲気の話ってことか。（そういや秋風先生の言ってた美少年タジオのあれね）だから浦田さんは死んじゃったのね…
てっきりあの指名手配の革命軍（だっけ）が高橋源一郎だと思ってたけどその恋人の余貴美子を監視する方か。てか小橋賢児ってあの小橋賢児か！いろいろ懐かしいな。
ふたりともお互い監視には気がついてて、でも知らないふりでご近所として付き合いながらも客じゃないと。いいけど写真館の浦田さんはあんなにリアルタイムでずっと監視してたら写真館の仕事とかやってる場合じゃないよね？大丈夫だったのか？その分あとで録音を聞くのかしら。
それにしても身になるのかならないのかわからない監視という仕事だけで一人の人間の人生を潰してしまう公安のスパイ仕事恐ろしい。
というか幸子さんは地元の人で、監視してる浦田さんも昔からここに住んでるって組合長さん言ってたけど、潜入じゃなくて公安に仕立てられたの？ああ、しかも結局浦田さんは自分の仕事の甲斐があったことは知らないまま終わらせちゃったんだよなあ…
そんな関係でも何か通じ合うものがあったのなら、それはそれで救われた…とは思ったけど。浮いた話のない写真館・浦田さんと、人間関係交差点の理髪店の幸子さん。特に知り合いでもないご近所というだけの関係に、町の人たちが知ってる表の顔とまったく違う真実がそこにあったという話。
それにしてもお互い気になりながらもその思いを伝えることは許されない、ああいう形でしかお互いのことを知ることは出来ない…とはいえ、ある意味何もかも筒抜けという関係は妙にエロチックだなあと思ったり。究極のプラトニックか？
だってあんな寂れた町で独身の同じ世代の男女だと、何かにつけ噂になることもなくはないだろうにな。あそこが寂れた町だから妙にうら寂しい気持ちになるし、ロマンチックでもあるけど、二人の人間の人生分と考えると本当になんだかなあ。当の指名手配されてる恋人の方はこの43年間何をしてたんだろう。
そんな浦田さんの素性を追っていくのは謎解きとしては地味だけど面白かった。
ネットを介してじゃないと依頼を受けない圭司なら断ってたかもしれず、祐太郎が受けなきゃ彼と彼女の真実はなかったことになったかもしれなかったわけで、依頼人の残したくない思い出を消す仕事なのに、思い出どころか何十年分もの人生を掘り出してしまったと。
あとたとえ依頼に来たときに浦田さんが自殺するとわかったとしても、何十年分の人生の思いをそのまま抱いて海に消えた人の気持を変えることは出来なかったと思うけどな。ただそれが監視してる相手に伝わると信じることで、その人生が報われたと幸せな気持ちになれると思ってってことなのか。
そして祐太郎にダメ出しする割に写真館で浦田さんの気持ちになりきったり、浦田さんが幸せだったかもしれないと思い至り、花束のバラを5本、花言葉は「あなたに出会えた事の心からの喜び」にする圭司のロマンチストさも炸裂ｗ
祐太郎の人たらし能力で相手の懐にスルッと入っていくのはあまりに菅田くんの素っぽすぎて意外性はないんだけど、菅田山田の妙な親和力はいかんなく発揮された。このコンビは良い。
圭司が今までは自分では出来なかったこと（キャラ的にも身体的にも）をなんの苦労もなくやってしまえる祐太郎にも何かを重ねてるのかも。
あと祐太郎のそばかすって今回はじめて気がついたけど、メイクなの？それとも菅田くんがそばかす？（リアリティ？）
どうでもいいけど毎回毎回こんなにガッツリ見返して何なら2回3回と見てるはずなのに、話の内容を思い出そうとするとなんだかとりとめないのはなぜなのか。オレの記憶力の問題なのか？（そうだとしたら相当ヤバいがｗ）それとも当の本人が死んだあとの物語だからかしら。（今回はちゃんと頭に入ってるからそんな気がする）
あとデバイスの容量が満タンで写真撮ろうとすると何かを消さなきゃ…みたいなの、前に使ってたスマホがそうだったからすごくよく分かるｗ
