そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

透明なゆりかご

https://www.nhk.or.jp/drama10/yurikago/
脚本:安達奈緒子 演出:柴田岳志 他 原作:沖田×華
 
感想は書かなかったけどずっと見てました。
この空気感は同じようなテーマを扱ってても民放には無理だなあ。
原作は友達が持ってたんで頭の方だけ読んだけど、この人の漫画は絵柄が苦手なんだけど話は面白いんだよなw
コウノドリなんかも頑張ってるとは思うけどやっぱりあれもエンタメ部分は少なからずあるし、何よりこのドラマで合間に無神経にCM入れられたらちょっとイラっとすると思うし。
毎回本当につらい話ばかりだけど、でも救いがないわけでもなく、最後はなんとなくほのぼのとした気持ちになるのは主人公のアオちゃんがああいうキャラだからか。(あと清原果耶の真面目な感じのお陰か)
劇中でも1話分そういう話があったけど、人の気持ちがわからない…というかぶっちゃけ発達障害でアスペな部分をわりと良い風に捉えて彼女の独特な感受性が逆に傷ついた心に上手くはまり込むように描かれてる脚本のせいもあって、生臭い話も微妙なところでとても清々しい透明感のあるいい話に見えてたのがよかったのかも。
誰もが喜ぶ出産の話をマイナスの側面から描いてるけど、由比先生はじめ、あの病院のみんなが真面目に命に向き合って最大限努力して、「何が幸せなのか」という判断が世間的な正しい/間違ってるじゃなく、当事者が一番良いようにということで見てるこちらにも委ねられてることが、実は一番優しいのではないだろか。良いドラマは良いか悪いかだけじゃなくて、いろんな受け取り方や考えを巡らせることができるものだと思うのよね。
そこらへん毎回そうだけど、今回の最終話で由比先生が、自分は医者だから治療をすることが良いと思うけど、家族として何が幸せか考えることも大事(うろ覚えの意訳)と言ったり、妊婦の鈴木杏が一番良いと思ったことを自己満足だとかやっぱり後悔するかもと言ったり、割り切れないのが母性なのかと。(でもオレは旦那の金井勇太のいうこともとてもわかるけどさ)
話自体は面白かったし、そういうデリケートなところをじっくり真面目に、美しい映像で描いてるとこはドラマとしてはとても好きでした。日テレの水田監督の映像に似てるけど、あちらよりも作家性を薄くしてるせいかテーマが重いわりに押し付けがましくないのもいいのかも。実体験の話なんだけど7割フィクションに思える感じがいいというか。
ネタとしてはどれも理屈ではとてもよくわかるし、原作みたいにダイレクトなモノローグで説明されると普通に実体験もののエッセイ漫画でしかないんだけど、ドラマとしてはあくまでもアオちゃんがどうするのかっていう視点の問題でまとめてるからとても面白かったです。
あと漫画だとどうしても作者本人の発達障害のことが頭にチラついて「あ“〜〜!」と思うことも多いので、清原果耶で良かったですw 由比先生の瀬戸くんもとても良かった。