そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

薄墨桜 GARO

http://garo-usuzumizakura.com/
監督:西村聡 脚本:小林靖子 原作:雨宮慶太

 

雨宮慶太監督が生み出した人気特撮アクション「牙狼 GARO」シリーズの劇場版アニメーション作品。2015年に放送されたテレビアニメ「牙狼 紅蓮ノ月」に続く平安時代を舞台にした物語で、2人の美しい陰陽師の出会いから巻き起こる復讐の物語を描く。
平安の世、栄華を誇る都「京」で、魔戒騎士の雷吼、魔戒法師の星明、そして雷吼の従者である金時は、人知れず「火羅(ホラー)」と呼ばれる異形の者たちから人々を守る使命を全うしていた。そんなある日、彼らの前に美しい女・明羅と、闇で暗躍する時丸が姿を現し……。
主人公・雷吼役はテレビシリーズ「紅蓮ノ月」に続き、俳優としても活躍する中山麻聖が担当。星明役の朴ろ美、金時役の矢島晶子らも続投している。キャラクターデザインもテレビシリーズに続き人気漫画家の桂正和が担当。脚本は「進撃の巨人」「ジョジョの奇妙な冒険」の小林靖子、監督は「うしおととら」の西村聡。(「映画.com」より)

 
やはり和のテイストと牙狼は合うね。
平安京の黄金騎士VSレギオンみのある巨大火羅(ホラー)相手に、儚くも哀しく美しい物語が展開されるけど、クライマックスは究極バトルでむしろいつもの牙狼イズム(笑)
しかも今回の最大限に桂正和先生の絵柄を再現した最高クオリティの作画!TVシリーズもこれで見たかったよ!
話はぶっちゃけ牙狼っぽい牙狼すぎて逆に新鮮味はないけど十分面白かった。とにかく作画密度が最高クオリティ!それだけで牙狼は気分上がるね!
以下ネタバレ気味で、若干文句付けてる風に見えるかもだけど、基本はもうちょっとこうならなあという残念会です。あくまでも私見のって事で。(パンフは後で読む)
 
 
今回は脚本は靖子たんで監督は西村監督(むしろその組み合わせは劇場版トライガン…)という牙狼としては新しい組み合わせにしても、ちょっと構成というかテンポが悪かったような。中世牙狼も靖子たんが脚本だったけどあっちはメチャクチャ内容濃かった気がするけどなあ。ネタの問題なのか総監督もしくはプロデューサーの意向なのか?
起承転結でいうと前半がほぼ起だけで承がないままダラダラと進んで、かといって星明や雷吼、金時たちの日常がたっぷり描かれるわけでもなく(だって扇子しか作ってないやん)やたら長く感じられ、新キャラ明羅は何者なのかってのにも特に突っ込むわけでもなく陰謀があるのかないのか(これは星明があまり動いてないせいだと思うけど)何の話なのか分からないから微妙に退屈。雷吼たちが捕らえられた辺りからの転結一緒くたにクライマックスになだれ込むのはちょっとバランス悪いような。
それなら初っ端あたりで日常ネタに絡めてTVシリーズの最低限の説明入れて欲しかったよ。牙狼好きな人しか観に来ないにしてもTVシリーズから2〜3年経ってるし、劇中の時間経過とか状況とかその辺の説明は欲しかった。(オレもだいぶ忘れてたし)そこら辺、ちょっと不親切?
とにかく話の内容は明羅と時丸の姉弟が両親の復讐をするために火羅を呼び出したというだけだし、もうひとネタあってもよかったんじゃないかと思わんでもない。お話的にはちょいと物足りな勝ったな、オレは。82分しかないのに前半は間延びしすぎだし、むしろ1時間くらいならちょうどよかったのかも?

というか細かいこというと、このシリーズにおける菅原道眞の扱いはもうちょっとちゃんと説明すべきでは?いきなり道真公が〜って言われてもそれ何年前って話だし、同じ一族なら何がどうなのか、なぜ火羅(ホラー)なのかと。
てか火羅を復讐に利用したって話なんだけど、ホラーってそういう便利な存在だっけ?たぶん違うよね。まあ靖子たんの脚本がどーたらというより雨宮慶太監督がそれでいいというならいいんだろうけど。
ただそれでもあの姉弟の怨みがわかるのは、ストーリーで説明してるからではなく作画的な明羅の形相の凄まじさで、ぶっちゃけ「うしおととら」の白面の者みたいな目をしてるからだよ。(監督繋がりってことで)
あれは前に漫勉で藤田和日郎先生も言ってたけど、人外キャラの描写としてあの菱形の目はつくづく大発明だと思うわw
ネタバレにはなるからあれだけど、でも言っちゃうけど、あそこで弟の方が火の海の都の被災した人たちを見て心揺らいで保たなくなるのも、同じ光景を見ても復讐が成就するという恍惚感でテンション上がってる姉の方も、どちらも哀しいし可哀想っていう話なんだよなあ。いやまあいつもの牙狼ならあの姉ちゃんがむしろ大義とか正義とか関係ない、恍惚感〜とか言い出したらホラーに取り込まれるとこなんだけど…と思ってちょっとヒヤヒヤしたわw
それと本来なら彼女を止める説得材料になるのは女に優しいw雷吼のはずなんだろうけど、なんでかそこまでに殆ど個人的な交流がないというね。扇子売っただけだよね(しかも陰謀に使われた)
もうちょっと雷吼といい感じになってから正体現さんかなあ?
あと早々に時丸がホラーに取り込まれたけど、ストーリー的に姉弟なのはさっさと明かしてあの二人のやりとりがちゃんと見たかった。なんでミステリー展開でもないのにそこを隠すのか意味がわからないよ。普通にあの二人のやりとりと復讐の恨みつらみの深さを見せてくれた方が共感しやすいのに。
そこら辺も話が薄くなった原因ではないかと。星明もなんかよくわからんキャラだったし。
いいけど藤原道長はwwwあいつほんとヤバいというかあのまま放置しといていいのか?さすがにどさくさ紛れに死んでも良かったのにw(あいつが一番の怪物だよ!)
その道長をあの検非違使のおっさんが捉えるとは、道長の手下かと思ったらそういうわけでもなかったってのはちょっと笑ったwwさすがにあれ見たらヤバいって思うよなあ。
そして保輔はいつも最後だけおいしくてカッコイー>保輔好き
今回はともかく最高クオリティの作画がめちゃくちゃ素晴らしかった…けど、でも作画最高だったんであえて言うけど、なんで最後の最後で力尽きたん?あおりが美しく描けなければあおりじゃなくていいし、最後のカットでなぜか口パクないのが地味に気になりました。なんでや?

メモとして。