そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章「回生篇」

http://yamato2202.net
監督:羽原信義 シリーズ構成・脚本: 福井晴敏 原作:西崎義展

 

不朽の名作SFアニメ「宇宙戦艦ヤマト」をリメイクした「宇宙戦艦ヤマト2199」の続編となる「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第6章(第19~22話の計4話で構成)。ヤマトが沈み、波動砲艦隊も壊滅的な打撃を受け、強大なガトランティスを前になす術をなくしたかに見えた地球人類。しかし、ヤマトの意志を受け継ぐ新たな宇宙戦艦、ヤマト級「銀河」が、かつて地球と戦ったガミラスの艦隊とともに出撃。圧倒的な数を誇るガトランティスに対し、地球・ガミラス連合軍は時間断層工場をフル稼働し、徹底抗戦の構えを見せるが……。(「映画.com」より)

 
今回のシリーズ見てて、個人的にはオリジナルのさらばヤマト〜をやるのはまず無理だと思ってたんで、ちょっと記憶がうろになってるけど、さらばとヤマト2と永遠にあたりの続編分も参考にしつつのこの展開はかなり整合性に無茶があるなあという印象なのは変わらないんだけどさ。最初から脚本家とシリーズ構成が破綻している…とまでは言い過ぎかもしれないけど、そもそものオリジナルの話が最終的に特攻ありき(TVシリーズへの改変で生き残りエンド→続編へ)からの展開がとても感情的な風呂敷の広げ方で個人の愛を種族の愛へ拡大解釈する手法なのは変えようがないので、それでも頑張ったと思うんだ。
ただやっぱり2018年の今のこういう社会概念の中で古代と雪の恋愛をメインにして、それが唯一すばらしい…ってやられるのは、主人公無双以上に鼻についてしょうがないんだ。でもそれなしにはヤマトという作品が成り立たないというジレンマがあるってのもわかるので、オレも多少は割り引いて観てるけどそれでも純愛編で脱落…なのは無理もないというか。(卑近な観測事例だけど、それなり今回のヤマトを観に行ってた相方が純愛編以降見に行かなくなり、熱烈なヤマトオタクなうちの弟が相当観る気をなくしていた)
まあその辺がらみで純愛編以降何をやりたいのか若干わかりにくかったのは第五章でだいぶ解消されてきたし、この章の銀河がらみの話はシリーズを考えると新機軸で盛り上がったのでよしとしたい。
 
加藤のやったことは許されないけど、ガトランティスはちゃんと約束は守ってくれたんだな。
病気の治療法が手に入ったことと加藤のしたことでヤマトを失ったこと、比較自体出来ない話ではあるけど地球の子供たちの命は救われたわけで、芹沢副司令みたいに戦って死ねとまで言うのはどうかと。やっぱり芹沢さんは芹沢キャラなんだなw
それにしても前回いきなり出てきた“銀河”は女性艦長でカッコイイー!藤堂さんの孫かと思ってたら娘か!てことは階級考えても意外と30〜40代くらいなのか(アニメじゃ年齢がわからないよと思ったけど新見さんとお友達ってことは同じくらいなのかな。(てか新見さんがいくつだよ)パンフ確認したら藤堂艦長27歳だった!若っ(でも古代が24歳だからありといえばありなのか)
クルーも女性メインだし、最近のポリコレに配慮しているのかなあ、すごく進歩的だなーとか呑気に見てたらまさかそっちの理由か…!っていうのが個人的に1番ショックだった。
前からG計画があったってのは2199から言ってたと思うしオリジナルでも却下された計画として出てたけど、まさか今それを入れてくるとは。確かにこのシリーズでも生き延びるためには何でもやるとは何度も言っていたけど普通に凍結した精子卵子を保管してある程度かと思ってたら女性クルーそのものが子宮要員だったとは。そういう時女性の方が意外となりふり構わないなぁと言う事を端的に表していて興味深い。
銀河が女性乗組員メインで判断もAIにまかせてものすごく合理的で効率的だけど、コスモリバースエンジン自体が武器や戦闘を拒否するって言うのもなんかすごく“くる”設定だよ。たぶん今回の設定考証で一番スタッフたちのやったぜみたいな手応えを感じる(苦笑)ある意味でとても女性的な気がするわ。なんつーか、やりすぎ感?

ただ市瀬美奈みたいに機械義手の技術があるから戦闘のために手足を機械化したい、まではともかく、手足を失っても体そのものが残ってれば子宮としての役割は果たせるっていう考え方は相当闇を感じるよ。なぜそこまで身体に対して投げやりなのか。そりゃ島が怒るのは無理ないぞ?(島はもともとロマンチックだし)
でもそうなってくるとフェミニズムとかそれ以前に、女性特有の種の生存本能としてありなのかなーと思わせるところはある意味リアル。
藤堂艦長のキツさが弱すぎる母親に起因してるというのはわかるけど(たぶんほかのクルーもそうなんだろな)、でも弱いからこそ人間…なのでは。
そしていらねーだろと思ってた純愛編がまさかガトランティスのズウォーダー大帝の過去と絡んでいる伏線だったとか。やっとガトランティスの真実が明らかになった…のか?
いいけどあのシュッとしたイケメンが年取るとこんなゴッツイ風貌になるとは。これはこれでイケオジだけど。(そしてさらに歳をとるとあの参謀の元ズウォーダーみたいになるのかな)
ガトランティスとは緑の肌をした人の姿をした家畜、しかしその中でも“タイプ・ズウォーダー”(カッコいいな)はもはや人間…といっても、本来の人間と同じような業は持ってないから愛に対して純粋、だからより純粋なあいをもとめる。それってなんか旧来的な意味でのニューハーフ(必ずしもゲイではない)の人たちが女性性を追求するあまりに生まれた時から“女性である”タイプ・ウーマンの人間を「女をサボってる!」と非難するのに似てるような似てないような、いや似てると思うんだが。だってそう言われても、じゃあ女を頑張ろうとはならないよね。むしろ過激派って思うよね。女は女んであるがゆえそのくびきから自由であると思うんだけどそれを女の無駄使い、キー!って思うのがニューハーフなら人間だから愛に傲慢なのだ、愛とはもっと純粋であるべし!と言い放つズウォーダーの考え方は愛のプラス面は見ていてもマイナス面が許せないってところでやはり人間ではないのだよ。
それ自体が人間にあまりにも似せて作られたガトランティスの業といえばそうなんだし気の毒だとは思うんだけど、そんな神(間違わないが時として理不尽)でも人間(たまに間違えるし弱い)でもない彼らに人類の滅びを託すこと自体がゼムリア人の間違いだったのではと思わざるを得ない。むしろそれも人間だからこその間違い。
そういう問いかけに銀河をぶつけてくるのはわかるんだけど、何というか宇宙叙事詩的な感覚はわかるんだけど、今の社会の雰囲気からしても若干ズレを感じるのは否めないかなあ。古いとかそいうことでなくだけど。SFとしてはありだけど、うーん、難しいな。

ここで雪が記憶を取り戻したよ。古代のこともヤマトのこともまるっとお忘れ。うーんまあ、正直昔から古代と雪のカップルってそんなに好きじゃないので頑張ってとしか。

それより今回1番グッときたのは山南艦長だよ!山南さんの男気カッコよすぎ! (*゚∀゚)=3 ムッハー
山南さんがアンドロメダの艦長席に艦長ズとの記念撮影写真を貼っていたところが大変グッときた。(紙の写真強しw)あの写真、配布してくんないかなぁー(笑)
惑星ゼムリアにいるヤマトを見つけて特攻かけようとする山南さんに「生きて恥をかけ」は山南さんにはいいけど加藤にはキツイね。
ああここで土方艦長の「死んで取れる責任はない」「人間は弱い、間違える。それがどうした。俺たちは機械じゃない。恥をかくのも間違えるのも全部人間の特権なんだ」は魂に響く。やっとここで人間とはなにかという話に。銀河は人間に指揮権移ったし、やはり腹の座った女性艦長強し!(笑)
そして一度ならずも二度までもよもやと思われた山南さんは間一髪生きてた!(メッチャホッとした!)加藤よくやった…
最後、艦内の裏切り者は誰なのかという話。え、斉藤だったの?あれ、別の人だと思ってたよ。まあ想定内ではあるけど。
ちょっとひと息な感じで
バレル大使にいじられるキーマン。カワイイって!クラウス〜 ああこのまま無事に生き延びて玲と一緒になってほしいのに…なんかフラグ建てられた感じがするのは気のせいか。
このシーズン、一番よくわからないことをやってるっぽいデスラー総統だけど
なんかこういうプライドを捨ててる彼を見るのは辛いな。それだけ彼自身がガミラスの行方を案じているってことなんだろうけど、クラウスの言うように寄るべしはヤマトであってガトランティスではないじゃろよ。むしろそっちのプライドを捨てて欲しい。
そしてミルは一体なぜこんなにも上メセなのか。これあと4話でほんとに終わるの?