そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ヘレディタリー/継承

http://hereditary-movie.jp/
監督・脚本:アリ・アスター

家長である祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラー。
祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発。最悪な事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまうが、亡くなったエレンの遺品が収められた箱に「私を憎まないで」と書かれたメモが挟まれていた。
シックス・センス」「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレットがアニー役を演じるほか、夫役をガブリエル・バーン、息子役をアレックス・ウルフ、娘役をミリー・シャピロが演じる。監督、脚本は本作で長編監督デビューを果たしたアリ・アスター
「映画.com」より)

 
ネタバレ感想だよ。
めちゃめちゃ怖いと話題で、劇場予告編からはホラーだと思ってたけどオカルト映画?
オレはエクソシストオーメンも何となくストーリーは知ってる気がするけどちゃんと見たことないし、劇場予告でサスペリアリメイクって出てたけどサスペリアがどんな話かも知らねーくらいホラーめちゃくちゃ苦手なんだけど、この映画は劇場予告で気になってたのと最凶映画という触れ込みだったんであえて観ました。
でも基本的にオレが怖いホラーは人間<オカルト<スピリチュアルなので、この映画に関してはそこまで面白いとは感じなかったかなあ。
ちなみにホラー苦手なオレが面白かったホラー映画はシャマラン監督の「ヴィジット」とキング原作の「ペットセメタリー」、子供の頃見て超怖かったけど幻想的でわりと好きなのは「ファンタズム」です。この手のホラーの良さがわからなくてすんません。むしろこの後公開の中島哲也監督の「来る」への準備として見に来てしまったって感じ。
というか劇場予告だけで何の前情報もなしに観たんでてっきりお母さんが主人公だと思って観てたのに息子が主人公だった!知ってたらまた違ったかも?
 
 
最初はホラー映画的にすごい怖かったけど途中からオカルトになってきたんでちょっと拍子抜けというか、むしろ悪魔崇拝ネタだったのかーっていう邪悪な不穏さで終わったのをどう取るか…かなあ。何だろう、新しい王が誕生して良かったね!かなあ…(おい)
オレがホラー映画が怖いのは理由がわからないスピリチュアル系だからであって、スピ寄りオカルトならあのオチは自分的にはいらないかも。どっちかにして欲しいかなあ。それともそこは問題じゃないのかしら。
すべてはお祖母様の罠と用意周到な計画だったとしても、実際降霊があったのか、超常的な力は現実なのか、その辺の根拠がこの映画だけではわからなかったんで、その時点で怖さ半減しちゃったんだよな。
しかも本当に何かが来てる描写はあるから何らかの超常現象は起こってるんだよねえ?それが悪魔かと言われたらわかんないんだけど。
だからまあまあ何が怖いってやっぱり人間が怖いというか、お母さんが何もかもをミニチュアシーン再現していくのが狂ってて怖かったよ。
お母さんの表情だけで楳図かずお先生のホラー漫画レベルに怖い(苦笑)
作るミニチュアのシーンが怖いお母さん、そういうタイプの作家かなと思ったんだけど、にしたって普通あんなシーン再現するか?そうやって形にすることで自分の中の問題を解決するセラピーなのかなーとか思いながら観てたけど、精神錯乱と怪奇現象が紙一重
てかあの作るスピードとか造形力とか細部まで拘る記憶力とか逆にものすごい才能じゃん?正直美術的な才能としてはうらやましいですよ!
というかなんでそこ再現する?なチャーリーがアレした電信柱ってなんか呪文だか悪魔マークだか描かれてたよね?壁の文字も何だったの?
お祖母さんとお母さん、同じあの、マークのネックレスしてたよね?違った?それであの秘密を知らなかったってのは変だなあと思ったけど。どうなん?
あとお父さんは、そうなると思ってた!
そして息子のピーターがインド系っぽい顔立ちで家族と似てないのが気になって気になって…ずっとなんかの伏線かと思ってたよ?
予告編でもめちゃ怖かったチャーリーのビジュアル、演じてるミリー・シャピロちゃんを見るとちょっとファニーなだけであんなに怖くないから、もう何を信じていいのやらw あの子、すでにお祖母様に乗っ取られてたってこと?お祖母様はそもそもなんで悪魔崇拝してたの?

まあ特にあの最後の顛末は自分的には微妙かなあと思うくらいで、ホラー映画としての怖さはあったし、あの異変の時の重低音サウンド、如何にもなホラー演出じゃなくサスペンスでもない、見せるところと見せないところのバランスとかは新しいのかなあと思ったり。
初っ端、ミニチュアから現実にスライドするとこや棺桶を埋葬するときに地面のアイレベルを下げる視点とか、時間をつまむ演出(夜が一瞬で明るくなったり夜ベッドに座ってたピーターが昼間の授業中になるとか)や暗がりに何かがいるとか(幽霊と悪魔崇拝ってネタとして共存可能なの?)、精神錯乱と実際の超常現象が入り混じってるところはもしかして斬新なのかな、その辺は面白かった。
でもやっぱり最後のあれは、なんつーか、シャマラン監督の「サイン」で本当に宇宙人が出てきたくらいの微妙さはある気がするんだけどなあ。
まあ後半から結末までは恐怖というより邪悪さや禍々しさ(首や首無し死体の扱い方とか)、異端なカルト宗教の気味悪さで終わるとは思ってなかったんで、意外といえば意外だったかも。あのあとどうなるんだろ?その後の想像が広がらない、ネタ的なオチに思えたのも自分としては今ひとつだったかなあ。