そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

いだてん 〜東京オリムピック噺〜#7「おかし二人」

https://www.nhk.or.jp/idaten/r/
脚本:宮藤官九郎 演出:一木正恵
 
亜仁子のマナー講習が厳しすぎて心折れ気味の四三に、弥彦の思いやりおにぎりが泣ける。
そしてそういや弥彦と四三はほぼ初対面だっけ。なのに天狗倶楽部のメンバーでもない四三に金栗天狗と気安く声をかけてくる親しみやすさ。しかもイケメンで学業も優秀運動神経抜群女子にも大人気でお金持ちな痛快男子、いやお金持ちだからこその鷹揚さと何もかも持ち合わせている三島弥彦に対してあまりにも超格差を感じずにはいられない四三の心中を察するに全オレが泣いた。
治五郎先生の志は大変立派だけど金がない。金がなければ世界に打って出るチャンスを逃す。しかもそれを背負っているのはただただ走りたいから走る金栗四三という、何も持ってない一人の若者。このどうにもならなさを何とかして!てか国がオリンピックに出ることの価値をわかってないって酷すぎ。
今だって状況は大して変わってないし国はいつだって必要なとこにお金は出さないけれど、それでも国を背負って戦うのに渡航費は完全に自腹の自弁とはおかしいよな。自分がオリンピックに行きたいって言ったわけでもないのにー。
そりゃ美川くんだっていつの間にそんな話になったのか、そんなの騙されてるっていうさ。オリンピック代表と祭り上げられているはずなのに自弁っておかしいよなあ。
金があるのに行けない三島と行けるのにお金がない金栗四三。ああ格差社会…って問題じゃないよ。治五郎先生、なんで清国の留学生のために金借りた。真面目に大事なのそっち?と何度でも言いたい。
というか勝海舟フロックコートを地面げにみせつつ質入れして「私個人からの餞別だ」とか(勝海舟フロックコート!そこはばばば!じゃなくじぇじぇじぇだよ金栗くん!)冷静に考えてあまりに恩着せがましいよ?別に四三さんが望んでることでもないし。てか無自覚に田舎者を騙してるよ!
ああでもそのフロックコートを着て写真を撮って、それを見た田舎の兄ちゃんたちが何としてでも金を用立てないととなるのはわかるし、効果絶大だし、なんつーか、あまりにもオリンピックに踊らされすぎてるんだけど、オレも四三さんもどうにもオリンピック参加ということの価値がわからねえ。実感できねえ。
それはオリンピックに同行する2人は誰なのかでヤキモキするMr.クラブ可児さんと先走ってインバネス新調の永井さんのやりとりがあまりにコント的に微笑ましいってのもあるけれど。いやそもそも大森さんと亜仁子で間違ってないよなw
( そういやwiki見ちゃったんだけど、大森さんが咳してるのってあれだよね…ちゃんと布石がー)
でもそんな周囲のあれやこれやな思惑とか厳しい現状とか関係なく、その先に何があるのかもわからない、わからないから走るだけ。そうしてただただ走る四三はあまりにも純粋で美しい。
走れば金になる車屋と走るのに金がいる四三。弥彦と四三の超格差。でも裕福で家柄が良いからこそ優秀でもオリンピックに行かせてもらえない弥彦。家柄が良いからこそオリンピックに行けないのも気の毒だけど(それ以前に弥彦の負けん気が心配)治五郎先生がそれを見越してるのも何だかなあ←確信犯?それとも無自覚すぎるの?)
ただ走りたいから走るだけなのに今まで見てきた格差とちょっとばかりの理不尽とが相まってものすごく切ないよ。四三のやりたいことは切なすぎる。そりゃしょんぼりするよ。
と思ったらまさかの大逆転劇、実次兄貴が赤ゲット纏ってお金持って上京した!
10万=数億円のあの時代で1800円は大金!兄ちゃん田んぼは売ってないよね…?というかあんな往来で1800円持ってるって言っちゃダメー!
この流れですごくしんみりさせといて、もう次回はストックホルムに行くの?予告の何千何万人もオリンピック選手が出ても第一号は金栗四三!に泣く。治五郎先生の志は美しく尊いな。ただ口はうますぎる。四三さん絶対騙されてる!
紀行。この流れで高橋大輔がフィギュアに金がかかるって話をするとは実感的〜。それこそお金ないとダメなやつじゃんよー。そうきたか…
 
再放送見てツイッターでつぶやいたことをメモ的に残しとく。

  • 今回の大河のクドカンの脚本はストーリーがどうこうというより密度が濃いよな。話が一本じゃないし時代が行ったりきたりだし布石や伏線置きまくりで拾いきれないから一般に受けが悪くてもしょうがないのかも。
  • あとクドカンは脚本自体がどうこうというよりセリフの組み合わせの妙というか、彼の紡ぐストーリーとエモーションは演出と一体化してるから、“脚本”だけだと評価されにくいのかもなあ。

しかし今週の話はグッとくるとこばかりで見返すたびに泣けるよ。一木さんのエモ演出がハマりすぎてる。