そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

いだてん 〜東京オリムピック噺〜#8「敵は幾万」

https://www.nhk.or.jp/idaten/r/
脚本:宮藤官九郎 演出:井上剛
 
小さなひとつひとつのエピソードが、見返したときにすべて伏線や布石になっていたと気がつくと云うテクニカルな脚本。今週はとりあえず3回は見たけど週末また再放送も見てしまいそう。というか何回見ても面白い!
四三さんやっぱりあの優勝カップを質入れしようと思ってたのか。それは治五郎先生がフロックコートを質に入れたり出したりしたのを見たからだね?
あと先週電車道で募金活動してた徳三宝はやっぱり四三の渡航資金のためだった。そうだと思ってたけどなんで後援会作って募金活動してるのを本人が知らんのやw
世の中の人がまだオリンピックの価値をまったく分かってないあの時代に、田畑売っても金を工面してやるという実次の想い、オリンピックはわからないけど田畑は買う、そしてタダで貸すから米作れという気っ風のいい池部の大女将が大竹しのぶという説得力。
酔って愚痴りモードとはいえ、永井先生
「例えば4年後8年後100年後、何千何万人のオリンピック選手が日本から出ても、誰がなんというと第1号は、金栗四三!それだけは未来永劫うごかんのですよ!」は100年後のオレたちからしたらあまりにも胸を打つよ。
しかしスヤさんの口利きで工面したも同然な1800円は四三からしたら微妙な気持ちになるよなあ…そのスヤさんはまもなく池部の家に嫁入りに。わかっててもどうにもならない四三の切なさとモヤモヤ。

そして兄ちゃん(と美川くんと)で浅草観光、やっと出ててきた浅草十二階凌雲閣の内装がモダンでステキカッコイイ!
スヤさんのこととストックホルム行きでいきなりビビりはじめた四三に、
「今さらー!弱音を吐くな、四三!お前が行かんかったら後が続かん。お前がそぎゃん弱虫やったら、100年後のいだてんも弱虫ばい!心配すんな、母ちゃんも俺もみんなも無事ば祈っとるけん」という、四三のモヤモヤをしってか知らずか実次兄ちゃんの檄が激アツい。
好きな女の子は嫁に行き、自分は無事に帰れるかどうかもわからない洋行とオリンピック代表という責任。浅草に流れる自転車節は甘酸っぱかったりコミカルだったり切なかったりだし、なんも考えんと走ったらいいという実次兄貴の言葉は頼もしい。
そしてなんだかんだ言いながらも四三を応援してくれてる播磨屋の旦那の心づくしの日の丸ユニフォームに感動した。(いいけど四三はいつも足袋の代金はどうしてるんだろか、払ってるの?)
四三が壮行会で自転車節を歌うのに被せて故郷ではスヤさんの輿入れが。上京の時の「東京でも歌ってね〜」がそのタイミングかい…
あの夕暮れの山の行列がまた美しくて、切ない四三の歌声が流れる中、遠路はるばる川を下り着いた先で祝言を挙げるスヤさんの心中、それを想う四三の心中、いろいろ察するに涙出る。青春とはあまりに美しく切ない。
あの山の夕暮れの撮影もその大変さを考えると地味にいいシーンだなあ。山の夕暮れは早いよ、よくあんなベストな光線加減が…本当に憂い顔のスヤさん@綾瀬はるかが美しすぎる。

今回出番少なめだと思ってた弥彦もいつのまにか母親に黙ってオリンピックに行くことに。駅に現れたTKG応援団と痛快男子・三島弥彦のカンカン帽&ダブルのスーツオシャレすぎ!
弥彦は母親に許しを得ないまま出立してしまうのかーと思ってたら、まさかギリギリで兄と母の涙のお見送り。泣ける〜!
見返すと、そういや出発前に和歌子さんが「弥彦は三島家の恥じゃ」って言いながらテラスでやってたのは弥彦のための日の丸ユニフォーム作りだったとわかりまた泣ける。あそこでチラ見えしてるのは裁縫箱だし、あの音は鋏で糸を切る音よね。
しかもその直後の四三の壮行会シーンで可児さんのはなむけの言葉が古代ギリシャの勇者の母が息子を見送る言葉だという流れ。
四三メインで弥彦の三島家の描写が少ないなあと思っていたけど十分以上に描かれてた!見送ってもらってよかったね、弥彦坊ちゃん。三島家の誇りといって手渡されるユニフォームマジ尊い
それを見ながら静かに涙を流す四三の「やっぱり我が子に関心のなか親はおらん」がここでかーと思ってまた泣ける。いや今回マジ何度見ても涙出るわ。
あの時代ヨーロッパの彼方であるストックホルムに行くことの大変さや覚悟、金額の大きさだけでない大変さが描かれているからこそ、息子を送り出す母の気持ちはいかばかりか…と思ってまた泣ける。

そこで大いに泣かせといて、昭和の志ん生から明治の福田助教授に中継とはwwwそして行程説明、17日間!シベリア鉄道!ロシアからバルト海を渡る!?あまりにも遠すぎるストックホルム
そして列車内で完全アウェイの四三に、嬉しいと言えば嬉しい野口くんたち仲間の姿が。可児先生もなぜいる?引率?いやそれよりも福井まで見送りな仲間たちはともかく、治五郎先生ーー!なんで乗ってないー?「乗れなかったよっ!」じゃないですよ?可児先生が乗ってても治五郎先生が乗れない道理はないので、なんで乗らなかったとしか…どういうことー?というか、いつの間にか乗ってる可児先生ホントこわいなーww
そして来週、一週でシベリア鉄道全部やるの?まさかそんなわけないよね…?治五郎先生はまだ合流できないのか…ってしかも大根監督キター!NHK大河に大根仁監督とは!

ところで四三の取材記事、マスコミは捏造じゃないけど民衆が望むような都合のい記事に仕立ててしまう…と云うのを知ると、志ん生が語る当時の新橋駅の大賑わいの壮行会も話盛りすぎなんじゃね?と思うんだけど。
紀行でその日は南極帰りの白瀬中尉のお出迎えもあったと聞くとどこまでが本当なのかと(苦笑)でもまあ国の代表と言いつつ国はお金は一銭も出してないけどな!と思わざるを得ない。金を出さなくても国の代表と言っていいのか?
そして新橋停車場ってオシャレだなー!日本はこのテイストで街を作ればカッコよかったのになあ。