- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/13
- メディア: 文庫
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地平線を目指すのは、愚かなことなのだろうか。地平線の向こうには、さらにまた地平線がある。行きつく果てなき旅。それが人生だと断言するほど、俺は年齢を重ねてはいない。ただ立ち止まり砂に埋もれるより、歩くことの方に意味があると思っているだけだ。
だから友よ。一度は地平線を目指して歩いてみようではないか。ひたすら歩くことで、男は自分の姿を知る。大きくもなれる。埋もれる前に、一歩を踏み出せ。俺は二歩、いや三歩、君たちより先を歩いている。そしてその分だけ、男には決して行きつくことのない地平線が必要なのだ、ということも知っている。《本文より》
昔ある時期、北方謙三に異常にハマってこれを読みあさりましたよ。小説の方はたいして読まなかったけど、単行本はもとより、HDPも毎号夢中になってカタケン先生とついでにオーケンのページを立ち読んでました。(スマン、めったに買わなかったよ)
こないだ急に妹がこれを買ってきてたまたま読売新聞にカタケン先生の公開対談の記事が載ってたんで、思いだしたようにネタに。
カタケン先生は無茶苦茶だけど格好イイね!人生こういうふうに生きたいものだ(笑)
やっぱり「ソープへ行け!」(青春のあれやこれやで悩む若者に)と「本を50冊読むまでは死ぬな」(自殺願望者に)はいろいろ含蓄あります。大人じゃないと言えないよな。
読売の記事(2/7の朝刊でした)では囲み記事で、10年ほど前にアフリカに行った際「餓えた子供の前で文学は無力である」というサルトルの言葉を実感して飯も食えないほどにショックだったが、泊まったホテルの子が字の読めない友達に本を朗読してあげてて、それを聞いてる友達がボロボロと涙を流しているのを見て、小説家やっててもいいんだと思ったとあり、そういう人だからこそやっぱり言うことに説得力があるんでしょうね。突き放すでもなく寄り添うでもない「ちょっとだけ先を歩いてる人間」的なスタンスがいいんだよね。