そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ボウケン・カブト映画二回目

ちなみに1回目の感想はこれ→http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20060807

最強のプレシャス

今度はボウケン、ちゃんと頭から見たよ。こないだ冒頭を見そこねたから全体の印象は語らなかったんだけど、全部見るとものすごくまとまってて面白いよな。(見てないのはオレが悪いんですが)オチが判ってても問題なし。
これは、ボウケンがあと30分、せめて20分長ければ映画番外編じゃなく結構ちゃんとした見ごたえのあるものになるよな。平成ガメラくらいの。フォーマットが戦隊だからちょっと問題あるんだけど。
冒頭、チーフの腕時計のエピソードに全く触れてないんでその辺回想絡めて膨らまして虹一の前フリにしといて、山が現れてからの街の人々のパニックぶりとか、局アナ呼んでニュースとしてミューズの呼びかけを流したり、識者が検討したりとか、ネガティブももっと描き込んだりとか(OPの間だけだもんな、アイツらw)、最強生物に関してもうちょい説明してくれて、ミューズの正体明かすところをもっともったいつけてくれれば(ここでチーフが悩んだりとかね)それくらいで見たかったなあ。あ、もちろん明石親子の確執メインで。
なんかいろいろ勿体無いよ、今年は特にそう感じるなあ。去年一昨年より6分短いだけなんだけど去年のマジはまとまってるにしてもあまりそう感じなかったんだけどな。ネタとかバランスが丁度よかったし。
あとは些細だけどちょっと気になったのが生態宇宙船の上でのダイボウケンを助けるチーフのとこ、ちゃんと引きで宇宙船の上に降り立ってるカット入れてくれないと。
それにしても生態宇宙船いいよなあ〜、なんかロマン。これももうちょい最強生物の背景を描いて、これまでそうやって遥か過去から星々を渡り歩いてきた…とか(なんだと思うんだけど)やってくれればスゴイ萌え、設定萌え。そうやって遺伝子とか集めてるって、ちょっとやっぱりマモー(ルパンvs複製人間)を思いだしたよ。(こないだからマモーづいてるなあ。でも話としてはあれ大好きなんだよな)

GOD SPEED LOVE

で、カブト。
天道様は美しかった。これは堪能した、思いきり。
問題は内容さ。一回目よりは情報入れてるし、もう無理に話に整合性取らなくていいやと思って心を空にして見てましたが、いや〜、全然面白くないの、オレ的には。どうしようね?
特に、というか面白くないのは前半のドラマ部分なんだよな、やっぱり。何もかもダメって言っとくよ。だって設定も話も補完できないんだもん。これはやっぱり観客に対して不親切すぎで、勢いで流していいものじゃないと思うなあ。いやこれでも面白いと思う人は別にそれでもいいけど、オレはヤだなあ。ツマンナイものはツマンナイっていうよ?
逆に今回は話を補完して考えなくていいかと思って見てたんで、アクションシーンはそこそこ面白く感じられました。アクションが、じゃなくて、アクションシーンの展開がね。まあちょっと織田のヘラクスがコーカサスにやられちゃって天道がそれを見てんのに加賀美が割って入ってきてひよりの話にもっていっちゃうのはどうかと思ったけど、あの辺戦い部分を一ヶ所にまとめられんかったもんだろか。分けるにしてもあまり意味ないんだよな。それなら最初からネオゼクトの決起中にひよりとの結婚式ごっこ(あえて"ごっこ"というよ)をやって、ひよりが死んでから天道と加賀美が織田も大和も矢車も大介もいなくなったあとの最後の戦いに赴く…でいいのに。中途半端にネオゼクトの決起とか入れるから尺が足りないんだよな。66分しかない映画ならそういう構成にするべきだと思うけど。なんか割り切りが足りないんだよなあ。DC版視野に入れて90分だとしても、それで収まる話にしてないし。(DC版でキレイにまとまってたらまさにGSLだよ!)


キャラとしてやっぱり一番辛いのは天道。天道とひよりの関係性が情感として心に響いてないから天道の動揺もこの映画における行動理念もよく判らないまま。天道の最大の目的が妹を助ける為ならそれはそれでいいけど、それが冒頭の7年前の悲劇?と全然結びつかないんだよね。あそこでなんでひよりと天道が生き別れになったのかも判らないし、両親どうしたのって感じ。そもそも目の前にお兄ちゃんがいるのになんで両親に助けを求めるんだ。
その辺の曖昧さが天道が「ひよりは妹だ」っていっても、衝撃の告白にならないってことでしょうか。
加賀美とひよりの関係は、一年も付き合ってるカップルに見えないのが大問題。切ったのかも知れないけど、付き合ってる前提がないのにプロポーズっていわれても困るし、加賀美の方は結婚を決意してるほどの付き合いなのに、ひよりは病気のことを相談も告白もしてないって、随分よそよそしいぞ。
そういや前情報もろもろで、加賀美はZECT総帥の息子って設定だから、あのマント姿と相まっててっきりそういう葛藤があるキャラだと思ってたのにあっさり裏切られてショックだったよ(笑)なんでそんなおいしいとこ捨てるんだよー。むしろZECTの加賀美がひよりのために天道と組むとかのほうが燃えるのに。
そしてひよりは結婚するのが夢だとか語ってるわけじゃないのに勝手に結婚式ごっこ。せめて加賀美のプロポーズを受け入れて喜んでるという描写がないとなあ。「家族が増えるんだ」だけじゃ、判りにくいよ。しかもそれって"先"があるわけじゃないのに。ひよりにとっての母親がなんなのかもよく判らないから、母親への報告が意味ないし。
あ、ただ最終決戦に向かう加賀美がしてた結婚指輪はなんかすごくキタ。あれはなんかいいなー。なんつーか、加賀美結婚しちゃったんだー…って感慨が。なんか大人な感じ(笑)
脱出ポッドの加賀美はやっぱり二回見てもよかったんで、その感じで映画のキャラ作りをして欲しかったなー。クールな加賀美と熱血な天道なのがいいのに。
映画新キャラのバックボーンもさっぱりよく判りませんが、織田と修羅がいいかも。余裕があれば織田と天道の間で上手く立ち回ろうとする二重スパイ北斗修羅とか見たかったな、もっとオンナな感じで。それがあって初めて、ZECTに裏切られて天道に電話をかける修羅…ってことになるんじゃないかなー。ちょっとそういう方向のキャラだと嬉しいな、修羅は。大介はむしろ相手にしてない感じで。織田と大和は因縁があるんだけど、修羅を送り込んでるのは矢車だし、なんかいろいろ複雑そうね、ZECTも。でもやっぱり矢車さんはイイ。
コーカサスの武蔵はもともと宝塚的なキャラだったらしいけど、これは武蔵で大正解だよね。欲を言えばもっとZECTの歯車的なところの裏付けとか、最強の意味とかがあればキャラ的に面白かったんだけど、ああいう如何にも格闘家なタイプが物静かでインテリっぽいって、やはりギャップ萌えでしょうか。カブト&ガタックvsコーカサスもよかったし。
そういえば、カブトがハイパーゼクターを付けるとなんで姿が変わったんだ?まあ特に理由はいらんけど、もともと天道はなぜ黄金ライダーとハイパーゼクターを狙ってたのかくらいは説明して欲しかったような。


あとやっぱりいいたいのは、これはここんとこのTV版もそうなんだけど、尺が決まってるものに対して、大幅にそれを超えるような脚本をOKしちゃうのはどうなんでしょう?これは脚本家の責任じゃなく多分PDの責任だと思うんだけど。やっぱり切るところは切って、何を見せたいかをハッキリさせた、まとまったストーリーとして出してくれないとダメじゃんと思うんですよ。TVで何分切ったとか公式で言い訳してますが、言い訳するようなフィルムを作らんで下さいよ。どうも最近その辺が鼻についてしょうがないです。切らないで詰め込んだエピソードがいかに面白いかということより、1本の番組としてちゃんとまとまってるほうがいいです。当たり前だけど。余分なエピソードは本筋以外に余裕があるときだけにして下さいー。
もちろん杓子定規にまとまりすぎたもんは面白味に欠けるけど、あんまり面白味ばかりを追及するのはどうなんでしょうね、白倉さん〜。