そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

キングゲイナー視聴終了

一応公式張っとく。http://www.wowow.co.jp/drama_anime/king/contents.html
 買ったよ!思ったより白くないけどポーズはバッチリ!
 躍らせた!さすがリボルテック
いやー面白かった!久し振りに見ても面白いな。(前記事はコチラ
ついでにというか、放送前のプレ特番も(富野・大河内インタビューみたいなもの)入ってたから見たんだけど、それ聞くと本編はずいぶん不親切な気がするよ(笑)
リアル放送時は2回は見てて、終わったあとも通して1回は見てるはずだけど、改めて見ても初っぱなの設定とか、非常に判りづらいです、カントク!
なんで今って感じだし富野作品について深く語るほどの見識はないんですが、ちょっと思ったこといろいろ雑感。「今」だから言ってみる的なことを。
ときどき昔のものを引っ張り出してきて見るのも面白いなー。


オレは前半見てて響鬼みたいだなあと思ったんだけど、カントクの話を聞いてると、「気分」を見せたいお話としては、確かにそういうところがあるといってもいいんじゃないかなあ・・・って感じ。
気分っていうか、新しく見えることをやってるわりに、実はオーソドックスというか、しかも細かい設定に関して殆ど語ってないんだよね。そういうとこで平成ライダーにおける響鬼のポジションと、数多のロボットアニメの中でいきなりこんなもんを便宜上は「ロボットアニメ」として作ってしまったと言うことで似てると思うんだけどさ。
なんで鬼?なんで魔化魍?鬼はライダーなの?という部分は謎かと思い気や全くそうではなく、もうそこに「在る物」として描くことは、マッスルエンジンって何?エクソダスしてどうするの?みたいなことと似てる気がするんだよね。つまり物語としては謎じゃないんだよ。だって「そういうもの」(監督談)なんだから。(だから「そうであること」の説明もない)

キンゲに話を戻して。
少年の成長物語ってとこではプレ特番のメカデザインの安田氏の、この作品におけるロボットの概念で面白いこと言ってたです。「ロボット」ってのは乗り物的なものじゃなくて、「少年が世界に対して力を振るうということの象徴」みたいなことを言ってて、そこからこのなんだか判らない(富野カントクの「ロボットとは何かワケが判らないものでいい」を受けて)「ぬいぐるみロボット」の発想をしたってのは、実に興味深いです。
最初の1〜3話くらいのキンゲを見てて、ドームポリスからの今回のエクソダスについて何か説明があるかと思ってたんだけど全くないんだよね。そもそも「ヤーパンの天井」が何を指すものかも判んないし(笑)
何の説明もないまま、人々がどうしてるのかという話になり、「シベリア鉄道」なる敵に追われている。大体なんで鉄道会社に追われるのか?(ほら、響鬼においての「猛士」と魔化魍周辺の話と似てるでしょ?w)
まあこれについてはおいおい劇中で説明はあるんだけど、要はお上の都合ってことで「脱藩」みたいなものかと今回の視聴で認識しました。(今ごろ)
つまりそこで生活してる人々(ピープル)に逃げられると税金が取れない、シベ鉄の運ぶ物資でピープルは生活してるんだから、それを買ってくれる人が減るのは困るってだけなんだよね。エクソダスっていわば「脱藩」だから、大規模なエクソダスをされたドームポリスの統治者は「お家取りつぶし」だったんだよね。(今ごろ)
エクソダスにしても、家族や個人単位はあったみたいだけど、今回のようにドームポリスを構成するユニットごと(町ごとレベル)移動してというのはかつてない大規模エクソダスだという説明がないから、見てて何が行われてるのか全く判らないんだよ(笑)これは初っぱなの欠点だと思うんだけどね。しかも吹雪が酷くて画面で何が起こってるのか、移動するユニット自体が見えないからサッパリ判らない(苦笑)
全26話でこういう「気分」のお話をやるにはちょっと話数足りないというか、足りないなあってことではグレンガランを思いだしまして。


グレラガは3部構成の26話で前半が足りないんだよね。後半を描きたいためそっちに比重を置いたからってのもあるけど、前半、わりと定型パターンのつもりだからそこは見てる方で、ちょっと無茶でもパターンで理解して補完して、それで後半に望んで下さい・・・くらいのつもりじゃないかとオレは見てて思ったんだけどさ。(そしてディテールが好きなオレにとっては、それは感情移入できないからダメなんだ。こういう物が好きだというのは理解出来るし、グレラガはそれでもいい作品だと思うけど)
キンゲは逆で、富野カントクは結局入れ物は何にしても人間を描きたい人だと思うから、こういう変なロードムービーまがいのアニメであっても、とにかく「人」を先に描いちゃうんだよね。
生活環境が激変しても人は生きていかなきゃいけないし、結局小さなことを積み重ねたところに物語がある・・・んだから、その状況でどう動くかが、キャラクターの見せ方なんだよねえ。敵に襲われたって一般ピープルからしたら生活の方が大事だし、巻き込まれちゃっただけの人もいるし、ストレスも溜まるってことでナゼか格闘だったり駅伝だったり、食料は盗みに行くわ、エクソダス中でも学校はあるわ、そういう部分での物語や世界の「気分」を見せることが先なんだよな。
1クール目まではそんな感じでマッタリ話が進んで、ちょうど13話のブリュンヒルデが出てきてオーバーデビルの話が出てきた辺りが転換期、そこから22話のアガトの結晶の話までがちょっと辛いというか、リアルタイムで見てたとき辛かったのは作画が悪いってのもあったんだけど、話が本筋からズレてって最初の「気分」の部分が減ったからなんだけどさ。
この辺で本当は5〜6話欲しかったなあ〜と、改めて見てもいろいろエピソードは足りないんだよなー。
シンシア関係とかキッズ・ムント、アスハムの流転は判りにくすぎるし、ゲインの過去はちょこっとやったけどママドゥ絡みはやんないし。各キャラ1話くらいの話を見せてくれればもうちょっと面白かったんだろうけどね。裏設定とか、あとで考えるとそうかって話は感じるだけに残念。
まあこの辺を端折ったのは作画スタッフも含めて、アガト以降のためだと思えば、あとから思うに仕方ないかなと納得はするけど。スタッフだって放映話数だって限られてるんだからなー。
そう考えると、この中盤はいろいろ足りないんだけど、その分珍しくラストバトルに十分以上手間をかけてて、これは逆に珍しいなーと思った。前ふりの21話から入れると6話分、まるまるラストバトルなんだよね。


ここでもう一度グレラガと比べるけど、グレラガのラストバトル(大グレンが宇宙に飛んでから)が意外と「言いたいこと」がひとつで(しかも観念的)、単にそのために敵を替える、強さのインフレ状態で同じことを繰り返してるだけなのと比べると、キンゲのラストバトルって、やはりちょっと富野節というか、ちゃんと物語が展開して、人が成長してるから面白いんだよな。
オーバーデビルに関していえば、そもそもどういう理屈で動いているのか判らない「オーバーマン」なるものの眷族のトップともいうべき存在・・・っていわれても、どういう脅威なのか全く判らないから結局状況で見せるしかないんだけど、これに関しても6話分使ってるだけあってちゃんと状況で見せてて、その辺のやり方は上手いよな。そもそも本筋(エクソダスすること)とは関係ないオーバーデビルの登場がいきなりなんだけどね(笑)
でもこういうローカルな主人公と敵っていう図式の戦いが、世界の脅威が現れることによっていつの間にか協力して対処、敵も味方もなくなってくるっていうのは面白いよな。
それこそアデット先生なんかは最初っから寝返ってんだか敵なんだか判らないけど状況的にシベ鉄に戻れないからヤーパンの天井で勝手に居場所を見つけて居着いちゃった人だし、シベ鉄とロンドンIMAのこととか、細かいとこでは「状況が人の立場を変えるのは当り前」な描き方はしてるんだけど。
それに対して、まあいつも一人くらいはいる、敵とか味方とか関係なく私欲で動く業の深い人間が今回はアスハムなんだけど、それにしても「狂気」ではないんだよな。もうちょっと狂うのかと思ったけど、結局オーバーデビルに取り込まれただけで、いたって真っ当?富野的キャラだけど、いつもの富野的私怨キャラよりは救いがあるというか、まあ一回見ちゃっててアスハムの勘違いだってのは判ってるから、余計に救いがあってよかったというか・・・(笑)でも本当はゲインとコンビを組みたかったって漏らしてる辺り、何がやりたいんだアスハム!とは思うけど(笑)
そうそう、ラストのこの感じがわりと響鬼のラスト3話と被ってて、響鬼もやりたいことは判るけど急だよなと思ってたけど、ここにこんないい見本が・・・(笑)それをやるならこうやるべきって、ホントにいい見本ですよ。
グレラガのラストバトル(本筋)が途中で飽きるのは前述の通りなんだけど、本筋でないが故にキンゲのラストバトルは実に当り前のことの積み重ねでちゃんと締めに持っていけてるのはさすが富野カントクというか。
ホントに足りないところはそこまでの展開(14〜20話)が描写不足だったから、キャラの変化が唐突に感じられるくらいなことかな。
ただ許容範囲なのは、それにしてもその変化が物語に依存する変化でなく、状況として人なら変わるかも知れないってとこに拠ってるせいですね。ゲイナーとサラの関係の微妙さとか、それに反していつの間にかガウリ隊長とアデット先生出来てたり(笑)それをオーバーフリーズを解除できるかどうかをそこで対比させてるんだから、重要なはずなんだけどね。でもまあそういうもんかで納得出来るからいいかって感じ?
まあ最後はかなりウヤムヤな感じでオーバーデビルを倒してあっという間に大団円なのがちょっと判りにくいというか、大団円にもう3分くらいあればなあ・・・とは思った。ヤッサバやザッキの顛末がちらっと出たりはいいんだけど、海に出たところはもうちょっと盛り上がってもってとこか。どうせOP流すんならEDなくしてもよかったのになあ。
まあそんな雑感ですが(思ったより長くなった)、面白いは面白いんだよな、キンゲは。WOWOWだから見てない人も多いんだろうけど。
ちょっとブレンパワードも見返したくなったよ。


ついでなので、キンゲのOPを張ってみる。燃えるよ、田中節はぁ〜!