そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

MW ムウ

http://mw.gyao.jp/

あー結構ちゃんとまとまってるだけに、なんか微妙にもったいないというか惜しい気がする。
全体にクライムムービーというか、犯罪を行っていく過程を見せてるだけになっちゃってる気がするんだよな。
結城がやたら冷酷というか、人を殺すことにためらいがないから、感情移入しにくいってのはあるけどそういう問題じゃなく、関係者に復讐することの意味ってのはもっと判りやすく描いてもよかったんじゃないかなぁ。これだと結城がどうしてあそこまでして関係者を殺さないといけないのかよくわかんないよ。
でもって、一応公式には原作にあった同性愛描写はないってことですが、そんなことはなかったよ?(笑)原作では賀来×結城だったのが、役者の年齢設定のせいかキャラのせいか結城×賀来だった‥‥ってだけでw
もしかしたらホントはもうちょっとあって、公開版は少し減らしてるのかも知れない‥‥とは思ったけど、臭わすだけでももっとあっても良かったんじゃないかなぁ。あれで何もないっていったら、そもそもじゃあなんで賀来神父は結城が止められないんだって話になっちゃうしな。珍しくというか久々に山田様の受け受けオーラ全開(笑)まあオレ、原作でもキャラとして結城が下ってのはあんまり納得してなかったんで(笑)
それもあってオレが気に入らないのが、結城が島から戻ってくる途中で賀来を殺すつもりで海に突き落としちゃうところなんだけど、言っていいなら作り手は判ってないなあと言いたい。恋愛ってワケじゃないんだけど *1 肉体的に関係があるのが前程ならあそこで死んでもいいつもりで賀来を切るこたなかったのに。結城が賀来を切れないから賀来は結城を捨てることが出来ないし、それで苦悩するから、最後のMWと一緒に海へ身を投げるのがどうにもやるせないんじゃん。一度殺されかけちゃったらそれはもう賀来神父、ハートブレイクだもん。まあそれで警察に電話して協力したってことなのかもしれんけどね。でも気持ちは結城にありながら、それでも人類のために命を賭けるのが神父としての賀来の贖罪であって欲しかったなあ。
だからその辺の切るに切れない結城と賀来の関係というか、結城は賀来のことを利用するだけで気持ち自体は気にも留めない、でもそういう関係はあるっていう、賀来からしたら湿度の高い片思い的執着が根底にあれば、結城が何の痛痒もなくただただ犯罪を犯していく、その復讐にまったく正義の裁きというカタルシスがなくても、もう少し納得出来る気がしましたよ。正当性というかまあそんなもんないんだけどね。だってこれって、もうすぐ死ぬと判ってる結城が自分の自殺に世界中の人間を付き合わそうってだけの話だし。
ってことでいうと、あのラストも相当ぬるいと言うか、あとどれくらい生きられるか判らない人間が、元凶である大臣を脅かすだけって、意味判らん。あれで殺しちゃってよかったのにな。復讐を遂げてもなお、死なば諸共でMWを使うつもりだから結城は壊れてて何やるか判らないから恐ろしいってことだと思うんだけどなぁ。物足りねー。
まあ映画としては全体にこないだのSPの第0章と同じテイストだったんだけど、だからこそ結城と賀来の関係の描写はもうちょっと必要だったんじゃないかなあ‥‥って気はする。
あとわざわざ暑い国でロケをした理由はカーチェイスのためだったんだろうけど、そのカーチェイスのカメラワークがあまりに下手すぎてショボかった。国内でカーチェイスが出来ないって、やっぱりだんだんとノウハウが失われていくんじゃないかって気がする。そういうところにこそ石原軍団の価値があったんじゃないかしらと思ったよ。追っかけっこの演出自体は良かっただけに残念。岩本監督は演出は上手いんだけど画作りの観点ではイマイチかなあ。あとハンディも使いすぎです。TVじゃないんだから、映画は固定カメラが標準であって欲しいよ。使い方のバランスが悪くてちょっと安っぽくなりすぎ。
そういや石田ゆり子の死にっぷりは見事でした。リアルでスバらしい!w

ちなみにバルトのシネマチネでほぼ満席だったけど若い子多くて、ほとんどが玉木、そして山田様目当てで「MW」だからってのはほぼ皆無のような気がしたよ。みんな玉木がカッコよすぎるって言ってた。実質玉木のプロモ映画だと思ったw。スーツもカッコいいし、脱いでもスゴイし、やっぱ黒のタンクトップだよな!(オレは全然好みじゃないけど、カッコいいはカッコよかった!)

*1:相手が他人だって判ってるから恋愛になるんであって、相手と自分が同じだって思ってたら恋愛にはならんだろ。そういや山田様がやった白夜行の亮司と雪穂も、だから恋愛にはならかったんだよな。