そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

かいじゅうたちのいるところ

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特に見に行く予定はなかったんだけど相方が行くっつーんで。だって別にスパイク・ジョーンズ好きじゃないしー。
でも映像はすごくキレイだし、主役のマックスくんはすげーカワイかったです。最近の子役は上手いなあ。しかもあの狼の着ぐるみの格好とそれが汚れっぱなしなのがなんともまたタマランっつかカワイイっつか‥‥(笑)
そのマックスくんがエラい暴れなお子様で、いったいいつマルコビッチの穴に入るんだろうと思ってたらいつの間にかというか、いつの間にか”穴”だらけ。”スパイク・ジョーンズの穴“だらけです(笑)穴好きだなあw
元が絵本だからというか、説明が殆どなく、教訓めいたことを深読みすれば出来なくはないけど、そこまでも説明してないから全体にシュール。シュールというかファンタジー。絵本的な描写を実写に置き換えてるから、そういう描写はほんとにシュールな、子供目線の楽しさ(物は言いよう)に満ちた映画でした。いやだって、それがすべてだもん。ハンディカメラな画面のお陰で子供になった気分であの世界を楽しめるよ。
お話的には、寂しがりで甘えん坊で想像力豊かな暴れん坊が、知らない国で自分と同じような仲間を見つけた‥‥と思ったら、彼は自分よりも”暴れ”で、逆にドン引きした‥‥って話(笑)
マックスは周りに対して自分のことをわかってくれない、僕はこんなに寂しいんだから構ってよって暴れてるから、同じような理由で暴れてるかいじゅう(キャロル)の気持ちはよくわかるんだけど、だからといって彼に対してうまくやることができないのはマックスも子供だから仕方ないとしてって話なんだけど、そういう子供の想像の中での王様気取りの万能感じゃ孤独は埋められないって話かな。必要なのはLOVE?でもマックスはお母さんにはちゃんと愛されてんだよ。ただそれを彼は正しく受け止められてなかっただけで。孤独だと思っていても、実は世界は愛に満ちているんだと。
だけどこの冒険というか体験で(実は妄想らしいけど)、周りが自分のことをわかってくれないと暴れるのが幼稚だと悟るわけでもなく、彼はキャロルが自分と同じだってことで、家族に迷惑をかけてることや、ホントはみんな自分のことを気にかけてくれてるんだということくらいは知るんだけど、彼が家に戻っていい子になるかどうかってことまではこの映画は保証してくれてないのが、受け取りようによってはシュールに見えるって感じかなあ。ラストのことですが。正直あそこで終わってビックリしたよ。お母さん、何も言わないんだもん。マックスくん、何日冒険してきたのさ。やっぱ妄想?でもその辺、解釈がないってとこがこの映画のいいところかなとも思うし。どう思ったかは見た人次第でもいいじゃんていう。
子どもが見て何かを感じるかどうかっていうと原作絵本見てないからわかんないけど(知ってはいるけど)、絵本の方がじっくりゆっくり読める分、子供にはいいかも。自分で考えながら物語を追うって作業は重要だよ。映画はあくまでも絵本の雰囲気通りだってことと、映像がすばらしいんだけどね。寒い感じの色味がちょっとイギリスっぽいのが、よりファンタジー的だし。
子供なりの万能感や無力感、振り切れてる楽しい気分やどうにもならない悲しい気持ちを見事に表現してるマックス役のマックス・レコーズくんの仕事っぷりがすばらしい!かいじゅうたちの繊細な表情のVFXがすばらしい!着ぐるみいいね!
子供的ってことではまああんだけ思いっきり暴れられればスカッとするよ。いろんなものの壊れっぷりが清々しいし。思いっきり暴れても思いっきり汚れても、何やっても怒られないってやっぱり気持ちいいよな(笑)マックスが「かいじゅうおどりを始めよう」っていうと「さすが王様、判ってる」ってみんあんが答えるところも好きだけど。そうだよな、踊るよなw あとKWが友達のふくろうを石で落とすとことか、あんまりにも乱暴で超ウケた(笑)胃の中にアライグマいたりとか何それw

若いカップルが多かったんだけど、みんな口々に「ラストがシュールだ」って言ってて、ちょっと笑った。それは”シュール“ってことじゃないと思うけどさ(^_^;)現実と妄想の境目がないのはスパイク・ジョーンズなんだから‥‥って言ったらそれまでか。一応オレは「マルコビッチの穴」は面白いとは思うけど好きじゃないです。でもこの映画は好きかな。加藤清史郎くんの吹き替えでも見てみたいくらい。マックスくん、可愛いいなあ〜〜。すげー泥んこに汚れてるけど、顔きれいだよなー。あの子供の大暴れしてる感じが上手いよ。いるよな、ああいう暴れな子(笑)