そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

クローズZERO

http://www.cz2.jp/crows0/index.html
1を見ないまま見た2の感想はこちら→http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20091127/p1
 
いくら三池がキライったって、やっぱり見ないことには何も語ってはいけませんね。結論から言うとクロゼロ2と同じく面白かった。というかこっちの方が画面や演出的にいろいろ三池カラーが強いような気はするけど。
面白かったのはたぶんこれが単に不良物じゃないからかも。
ドロップアウトした野郎ども=不良物っていうには、それ以外のまともな普通の人間が対比として出てきて初めてコイツら不良だっていう認識になると思うんだけど(見た目からして「いかにも不良」の記号をまとってるのはともかくとして)、不良ばかりの世界なら彼らはその中ではオーディナリーピープル・普通の人なんだよな(笑)バイオレンスジャックの世界か(^_^;)
女は出てくるけどバイオレンスに付きもののセックスがなく、カテゴリーとしては「暴力もの」なんだけど、暴力ものの「暴力」から「暴力性」を抜いたっていうとおかしい気もするけど、暴力性を抜くと「カッコいい」だけが残る、そういう映画だと思うのだ。だからこの映画を観て「カッコいいー!」と心酔するやつらがたくさんいるのはよく判った。オレもカコイイと思ったもん。
オレは不良というもの自体がキライだしカッコいいとも思わないからよけい冷静に見るんだけど、「不良だからカッコいい」ってことじゃなく、これって不良たちがただ喧嘩するだけの話なんだけど、そういう「暴力」から暴力性を抜いて残った物がただの「個人の意地の張り合い」の対立で、この映画の文脈の「意地を張る」ってことは「自分の筋を通す」ってことだから、その点において「自分を通すために対立するのはカッコいい」なんだよね。
だから源治や芹沢たちだけでなく、どう見ても一見負け犬のような片桐ですら、自分の信じることを貫き通すってことでは同じくカッコいいわけで、そこら辺が全体として「男たちが純粋に意地を張り合うお話」として掛け値無くカッコよく爽快であるってことじゃないかと。すぐ喧嘩ばっかりしてバカなやつら‥‥とも思わんかった。アイツらカッコいいよ(笑)
まー「GPS」が「源治・パーフェクト・制覇」の略称だってのはあまりにもバカすぎてダセえけどさ(笑)そのダサさすらありかもw
でもやっぱこれがあってクロゼロ2ってのは、明らかに物語としては蛇足だなぁ。蛇足というか夏にこたつを出してくるくらいのマヌケさ。
というか、そもそも一般人の出ない状況ってのがあの鈴蘭の描写、先生も一般生徒もいない、まったく授業やってる風でもない学校としてハマりすぎてた以上、あの世界で「てっぺん」取ったらしい源治という人間の器量ってあそこで終わらせとくほうがキレイってだけで、いかにも統率されて組織化された鳳仙学園なんか出ちゃうと、その「てっぺん」があまりにもせせこましい、ガキの遊びに見えるってのが、2における源治のキャラのダサさとマヌケっぷりを表してると思うんだ。というか、源治パパはてっぺん取ったら跡目継がないだろうとか言ってなかったっけ?てっぺん取ったら源治はやることなくなっちゃったんだよなw
このクローズZEROって物語は「世界の全て=鈴蘭高校」ってくらいにビューティフルドリーマーな世界観だからこそ、「鈴蘭のてっぺん」にありがた味があったんだよね。
 
あとやっぱ、この手の物でどうしても気にして見ちゃうのが2の感想でもちょこっといったし2の方が顕著だけど、「若手では誰が出てたか」ってことで、三池崇史で「クローズ」というマンガがあってのこういう作品だからってのはあるけど、どれだけ本気になれる人間が集まってるかってことでは興味深いですね。
なんつか、こういうので「コイツならここまで本気でできる」って見極めがあるのって、他の作品で共演する時にいきなり馴らしなし、探り合いなしのMAXで行けるっていうのは、本人的にも周り的にも強みじゃないかなあ。こういう合宿ノリの作品で共演したからってことだけど。それって単純に作品的な出来も押し上げると思うし。やっぱりその中心ってオグリンだと思うし、それはあくまで小栗派みたいな一派でだけのことだとは思うけど、そういうのがある今の若手俳優の状況って結構面白いと思うなぁ。この映画って三池作品ってのは当然だとしても、やっぱり小栗印の烙印はデカデカと押されてる気がするよ。
 

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