そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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龍馬伝#18「海軍を作ろう!」

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海軍を作ろうって、サカつくかよ!みたいな?ギャグ回かと思っちまったよ(笑)龍馬と長次郎のデコボココンビの珍道中でもいいけどw そして久々沢村惣之丞が。いままで何してたんだこの人w
というかここで惣之丞でわかりやすく見せてるけど、開国しなきゃいけない立場の幕府の作った海軍ではあるけど、世の中の気分としてどっちかというと攘夷思想がデフォルトな人々が、「西洋の技術を学んでみんなで西洋人をやつけよう〜!」になるのはあたりまえな気がするョ?そんな中に龍馬みたいな人がいて、「勝さんのいうことはそうじゃない」っていってもわかんねーっつの。
だいたい龍馬ってここまでで相当人の気持ちを気にしない自分勝手な変人だっていう描写がされてるんで、実務に使える士官を集めて訓練する海軍訓練所で、教えられてる勉強の内容がわからないとかみんなとノリが違うってもそりゃそうでしょうとしか‥‥技術的なことがわかんないってのは龍馬がそれが自分に必要だと思ってないからだと思うけどさあ。惣之丞や勤王党の三人みたいに単純に「スゴイ」だけで学びたいって思うのが、いい意味で自意識の低い普通の人だと思うし。だからああいう普通の人たちと比べたら龍馬ってそういうとこがあまりにも変人で天才なんだよなw

んで思ったんだけど、今回の武市さんの扱いといい龍馬の突飛な行動といい、例えるなら武市さんは絵に描いた餅を眺めてる人で、海軍訓練所に集まってる攘夷志向の侍たちは現実に今まんじゅうが欲しい人たち、龍馬は麦の種を蒔く人だよな。
攘夷と言いながらも幕府の軍に入ることを疑問に思わない、というかそれが攘夷の第一歩だと思った人たちは目の前にまんじゅうを出されて食っちゃった人たちなんだよ。お腹いっぱいになれば細かいことはひとまずいいやっていうか、どんな経緯でも異国と対等になれる方法を学ぶことに楽しさと意義を見出してるというか、まんじゅうを手に入れるための手段を学ぶのが彼らにとって必要なことだという現実的で実際的な人たちだよね。
で、龍馬みたいに目の前のまんじゅうなんか食って一刻だけ腹を満たしてもしようがない、とりあえず畑は耕したから種をまこうっていう人は、すぐにでもまんじゅうが食べたい人からしたら何やってるのか理解不能って意味で変人であるけど、収穫した麦はまんじゅうだけでなくうどんだってパンだって作れるんだから、そういう意味で行動の結果として天才なんだよね。だからそういう龍馬を上手く使ってる勝麟太郎は畑を管理する人で、もっと先を見通す目があったというか、必要な人を雇って畑を作って何を植えて何を収穫してどう売るかまで考えてた人かと。
勝さんは龍馬に長次郎を組ませたり、以蔵になんで龍馬にくっついてないんだとかいうけど、長次郎みたいに長期的に志があるやつとか、以蔵みたいにある意味馬鹿なヤツのほうがたぶん龍馬と上手く付き合えるんだってことわかってんだよね。やってることは理解し難い変人だけどその行動を信じられるかどうかってことで、それが坂本龍馬という人を好むかどうかでしか判断出来ないってとこが判断分かれるんだろうけどw
 
でもそれと比べると武市さんって人は、腹は減ってるのに絵に描いた餅を見てみんなに我慢しろと言ってる人で、そりゃ言ってることはカッコいいけどどれだけの人がついていけるのかと。だから土佐のお殿様や吉田東洋から見たら何の腹の足しにもならんことやってる阿呆ってことで見下されるんじゃん。そりゃそうだよ、上に立つものは下の者にまんじゅう食わせてうまいこと働かせてんだから(苦笑)だから収二郎もとうとうまんじゅうに釣られちゃったんだよな。
あと慣用句的に「餅」っていったけど、確かに武市さんが見てるのは餅で、まんじゅうじゃないんだよ。ハレの日にしか食べない餅じゃなく、日常に食べるまんじゅうをみんな求めてるのにそれに気がつかない、自分が求めてるのは餅だからみんなもそうだと思ってる。そういう傲慢さも容堂からしたら我慢ならんのだろうし、しかも容堂にも餅を勧めるじゃん(笑)イラネーって言ってんのに。ハレの日にしか食べないご馳走だからって、みんながみんな餅食いたいわけじゃないよなあ。
普通に考えても土佐藩山内家の成り立ちなんて知ってるだろうに、なんで幕府にたてついても攘夷を実行しろと画策するのか武市さん。それが正しいと思ってるってことが痛々しいいんだけどその根拠がわかんないから痛いんだよね。武市さんてこのドラマにおいては最初から考えを変えることなくずっと攘夷の人だけど、その根拠がすでに自分の中の妄想でしかないと思うんだよ。その中で仲間を求めたり龍馬みたいな人に理解してもらおうと思ったり外に働きかけることで自己実現をしてるのが、本当はリーダーの器じゃないのにそうならざるをえなかった痛々しさというか、なんかもう気の毒としか‥‥容堂に嫌われて孤立するのは自業自得にしても、やっぱり誰もいない勤王党本部に帰ってきた武市さんの心情を考えると泣ける (ノ_-。)
なんだかんだいって渡辺さんの演出は今回も大変わかり易くて面白かったんだけど、勝さんを斬りに来た以蔵をわざとハッチャけて止める龍馬と以蔵に心変わりをさせようと地球儀を持ち出す勝さん、地球儀役に立ったー(笑)って、いやだからそういうことがわかってないから以蔵は馬鹿だって言われてたし、以蔵自身だって馬鹿っていう自覚があったんじゃないのかよ(笑)でも以蔵にとっちゃ、きっと世界の中の日本の小ささなんかよりも、自分が必要とされてるって実感の方が心に響くんじゃないかなあ。勝さんはなんで龍馬とつるまないのかっていうけど、龍馬とつるむ第一段階のハードル超えるのは大変じゃん(笑)武市さんみたいにわかりやすくお前が必要だっていってくれるわけじゃないしさ。でもお馬鹿さんだってただ利用されてるよりは、どうしたいのか聞いてくれて使ってくれるほうがいいに決まってるし、そんなら勝さんが以蔵を使ってやってくれよ、なぁ。

それにしてもタケるんは実においしい仕事もらったよなあ。タケるんどっちかというと考えこむ方だからスロースターターだよね?第一部で顔見せ、第二部で重要人物って時間がとれたからか、以蔵の見せ方として武市さんや龍馬に対しての以蔵のポジションとしてブレがなくて、いつもより格段に安心してみてられるよ。微妙に所在無げな、気持ちがどこにあるか見えにくいとこと、女のとこでグダグダやってるとこ、やりたくて人斬りをやってるわけじゃないという葛藤で不安定に見える部分をちゃんと安定して演じられてるというか。クランクアップしたみたいだから今後楽しみだなあ。
そういや長次郎となんかいい仲になるお徳の酒井若菜がカワイかったー。侍じゃないって聞いた時のリアクションとか、なんかスゲェ上手かったし。あそこのシーンの龍馬がアホすぎるのも笑ったけどw