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警視庁失踪人捜査課#8

http://shissou.asahi.co.jp/
思いっきりネタばれするから、まだ見てない人はこの先読まない方がいいよっていっとくよ!オチに関わるネタバレだから!
 
んで今回は共作だけど脚本が渡辺さんなんだけどさー、この人の筆力って実際どんだけあるの?どの程度今回の脚本に関わってるの?
いやマジでさ、失踪した碧さんが実はくも膜下で事故死だった‥‥ってのは、一応トンデモに入るとは思うんだけど(こういう真面目な刑事モノで根拠のないご都合な展開がオチに関わってるものはトンデモとみなしますよ、オラぁ)、それを差し引いても今回の話は良かったと思う。トンデモ分は渡辺さんのせいだって気がするけどw
話が複雑というか、事件の状況がわかりにくくて最初なかなか概要がつかめなかったんだけど、半分あたりで捜査陣の誰かがまとめてくれたんで、まあよし。でもできれば開始20分くらいで誰かが一度ざっと流れを言ってくれた方がいいと思うけどね。えーとたぶん、森野学園の佐田理事長が横領をしてるのに、それがバレる恐れがある合併話を喜んでたってのがよくわからなかったのかも。オレ的に。死んだ碧さんの重要性もよくわからなかったしな。
話的には、失踪人が死体で見つかったってとこで事件としては一課に引き継がれても、高城ラインで実は連携してたって予防線も張ってあるし、結構細かくポイントは押さえてるというか、こういう話で穴があると冷めちゃうから、そこら辺の描写を入れとくのも上手いし。
でもって今回の演出(尾形竜太)はまたねちっこく丁寧で、いちいち細かく人物の表情を抜いてくし、目配せとかちょっとしたことを効果的に見せてて上手いし、こういう丁寧な演出って画面を見ることの楽しみがあるよなー。つい入れ込んでしまうよ。
あんまりキャラが立ってなかった愛美も、法月さんと須藤のとこに聞き込みに行くところでの妙な連携プレーがちゃんと出来てて面白かった!初めて愛美が役立ったっていうか、やっとちゃんと動いたって感じだなあ。あと高城になにげに気を使うとことか。あの中では一応男勝りでもそういう目配せが出来るキャラってことになったんだろか。あ、公子さんのいちいち何だかヤラシイ小芝居?もよかった。そういう風にキャストが常になんかやってると、集中して見なきゃって思うよな。芸達者な人多いしw ホント、みんな自分の役がわかってるよなあ(笑)
 
まあそんなわけで、第二の失踪人、理事長の占部(野村宏伸)は一体どうなったのか、何がどうなってるのかは須藤(佐戸井けん太)と浜崎(窪塚俊介)が発見されるクライマックス近くまでよくわからないって話で引っ張っといて(でもあの監視カメラの映像は浜崎を占部が脅して連行してるふうにしか見えんのだが ‥‥)、どう考えても動機もあって怪しい森野学園理事長の佐田(黒田福美)が犯人かと思わせつつ、実は碧さんは事故死ってなあ。
なんかいつもと違うというか、この妙なテンションの演出のせいかなあ、最近ほんとにこの手のモノにグッとくること多くて、オレはついつい過剰に感情移入して見ちゃうんだけどさ。
占部がなぜ失踪したのかわからない状況からどうやら碧さんが知り合いっぽくて、その碧さんを殺した犯人を探してる、殺されたのは当然自分の大学合併話のせいだと思って‥‥ってとこから、実は昔付き合ってた恋人だったとわかり、あのパソコンに入ってた写真とかビデオ映像とか見てたら、なんか死ぬべきじゃない人間が殺されたという切なさ遣る瀬無さ全開になっちゃって(や、泣くほどではないつかむしろ非常に虚しい気分)、だから占部の行動にシンクロしちゃったんだけどさ。もちろんたぶん野村宏伸の柄もあるだろうけど。
なんていうか、望んだわけでもないのに事件に巻き込まれて殺されちゃった、そうやって失われた人はもう戻らないし取り返しのつかないことなんだっていうのが、あの8年前の幸せそうなカップルのラブラブぶり見ててすごく切なかったんだよ。
でもさ、占部からしたらてっきり佐田が横領を隠すために合併話を蹴って碧を殺したに違いないといういかにもありがちな理由が、実は事故死だったってことで覆っちゃったわけだよね。あとまあ、人(佐田)はそんな理由で人(碧)を殺したりはしない‥‥ってのも、まあ佐田も自分の横領よりも学園ってことで根っからの悪人ではない、要するに罪を犯してるけど悪人じゃないというか、常識の範囲内なんだよね。うん、いくら事件ものドラマでも、そんなに簡単に人を殺してもいいと思われても困るというか、そういう意味でちょっといいと思ったけど。だって事件的には佐田が殺したでもいいわけだし。
でもドラマとしてはどちらかというと、どう考えても犯人でしかなさそうな人間がいて、それを憎むことで自分の失ったものを気持ち的に取り戻そうとした男の話で、それが真実を知ってその感情の行き場を無くしちゃった‥‥しかも守りたいと思った相手は今でも占部が好きだからこそ守られることを拒否してたって、そりゃ泣くしかないわなあ。(いや、せっかくの良い話を事務長碧さんの個人的なこだわりで蹴るってのもどうかと思うけど)野村の号泣は、最近見た中じゃ容疑者Xの堤真一に匹敵するくらいの泣きっぷりかと (ノ_-。)
更にこのドラマ的に肝心なのは、それをまったく責任取るいわれも何もない、そもそも碧さんは失踪とみなされた時には死んでるから本来高城たちの職分ですらない、そこを全部ひっくるめて高城が「碧さんを救えなかった自分を憎め」っていうのが、逆に高城の心の傷の深さというか、失踪事件捜査に対しての決意とか覚悟とかいう在りようがまた悲しくてやりきれんよ。
あとこれのさ、碧さんの検死結果があのタイミングって、逆に失踪展開をうまく使ったってことかな?直後に占部が失踪して72時間以内に探さないとってことだよね、この話自体、そういう限られた時間内に解決することを目的とした事件展開だからあのタイミングが納得できるってのもあるよなきっと。
ネックレスに気づいたり、人の感情(というかリアクション)に意外と高城が観察眼があるというか、捜査方法は強引だけどそういう繊細なところも持ち合わせてる高城さんはカッコよすぎです。でもって娘さんのビデオのときの声の明るさがまた悲しすぎる。
やっと高城の娘の失踪の話になると思ったら次回最終回なのか!早っ!こういうのって今の失踪事件とリンクするか、新事実が出てくるかだろうけど、どうなるのかなあ。

あーそうそう、窪塚弟って意外と上手いなあ。というか最初気が付かなくて(顔似てると思ったけどw)なんか押しの強い演技というかある意味わかりやすいクドさなんだけど引っかかる役者だなあと思ってたら弟かっていうねw なんかアクの強い脇キャラによさそう。