そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

タンブリング#11(終)

http://www.tbs.co.jp/tumbling/
リアルタイムで見てたんだけど、正直観終わった直後になんか「あれー?」っと思うところがあって、もっかい見返すまでは感想書けねえと思ってもう水曜日w
んでそれは見返したらやっぱり赤羽のとこだったんだけど、脚本は江頭美智留渡辺啓で、やっぱり2話と同じく若干ごくせん展開なのかーって感じだったね。大会シーンは別として、だけど。
あ、先にイイトコ書いとかなきゃ!
なんかもう、予告で傷だらけの新体操部のみんなを見てる以上そうなるだろうというベタ展開だとわかってても、悪態つく赤羽の期待を裏切るように航の助っ人にやってくる新体操部の面々を見ると涙出るよ。
そして柏木の「ゴチャゴチャ言ってねえで3つバックをやれ!」でまた涙。
航のラストタンブリングに今までの回想シーンで主題歌がかぶってるとこでまた涙。
何気に最後の、みんなが砂浜で宙返りするストップモーションでまた涙。
ああ本当に面白かった。よかった。みんなスゴかった。スゴかったと打ちながら今までを思い出したら泣けてくるくらいになんかくる。
視聴率的には今までとそんなに変わらないけど、もうちょと上げたかったなぁ。これに限らず「RESCUE」とかだってそうだけどさ。そういや山本、大東はRESCUEだし、瀬戸は恋空(この枠最低視聴率だっけ)だとか、必ずしも数字取れる保証があるわけじゃないのに使ってくれてありがとう!だよ。このメンツでよかったよ!
 
初見でなんか引っかかったのは、赤羽のベタないらんことしいのちょっかいなんだけど、はっきり言えばあんなの木山が捕まってるってわかった時点で、航が乗り込むにしても警察呼んどけよって話で、ましてや新体操部の奴らが仲間だからといって「木山を返せ」って殴られにいくことはないと思うんだよね。ごくせん的展開としてはそりゃねーだろよって話ではあるけど(笑)みんなで助けに行かなきゃねw
でもさ、こないだ仲間かどうかって話したけど、新体操部のヤツらにとっては赤羽は仲間じゃないけど、航や木山にとっては赤羽って仲間なんだよね。
いらないだろと思った江頭&渡辺の2話と9話の「ダチは絶対見捨てねえ」と「変われるって信じる」がまんまやっぱ今回への文脈なんだけど、航にとって赤羽ってそういう存在だから仕方ないというか、航はそう信じたいんだよね。自分が変われたんだから、赤羽も変われるって。赤羽がケンカなんかやってるのは、熱くなれるものが見つかってないからだって思ってんだよね。
それに対する赤羽の今までの所業ってシャレにならないし、つか前に殴られた時だって航よく死ななかったなあと思ったし、それで退学になったのを逆恨んで復讐だし、今回も赤羽が変わるような芽もはっきりさせてない描写で終わってるけど、変わらないってこともないかもしれない‥‥と思えるくらいに航の行動に説得力があったのがよかった。タンブリング教えてくれよとは言いにこないと思うけど(笑)というかもう生徒じゃないしw
新体操部の奴らが航と木山を助けに来るのは二人が仲間だからで、それこそ新体操部は演技をする6人だけがカラ高新体操部ってわけじゃなく、でない3人も含めた「9人でひとつのカラ高新体操部」だから、そこは譲れないんだよね。そんな事情は赤羽にはまったく関係ないし知ったこっちゃないだろうけど、少なくとも赤羽は航と木山を知ってるってだけで、それがどういうことなのかはうっすらとでもわかるくらいには友達なんだよ、きっと。だから航は赤羽を信じてるってことだと思うし、見てるこっちはそんな素振りがなかったとしてもひょっとしたら‥‥と期待を持てるくらいには彼らのキャラの描写は説得力あったと、オレはそう思うんだよ。
大会に戻った彼らが、はっきりいってあれだけ暴行されてパフォーマンスに何の影響もないなんて信じられないし、火野の不調が暴行じゃなく以前からの足首の不調だっていうのもどんだけ丈夫なんだよ!ってビックリだけどさ(笑)
でも結局このドラマって、出来るかどうかじゃなく「できると信じられるかどうか」っていう話であって、3つバックが出来るかどうかわからないからやめとこうってんじゃなく「3つバックはできると信じる」ってことだし、不良が新体操だなんて無理だしナシに決まってるという世間に対して、「変われると信じれば変わることができる」っていうメッセージでもあるんだよね。
その集大成があの新しい振付と音楽のカラ校の大会演技であり、会場がかつてないほどに盛り上がったという事実なんだよなあ。どう見たって不良だってのがわかる以上、開始前はそういうフィルターで見てた審査員や観客が、彼らの演技の斬新さも含めた真剣さにひれ伏した瞬間というか、それって感動しないわけないじゃん。視聴者はずっとそれを見てきたんだから。
航のラストタンブリングの回想でそれをいろいろいあったなあと思いだした上で、あのもっくんの美しいタンブリングが決まったら泣くよ?
大会の結果は3位だったけどそれは大した問題じゃなくて、もともと短期間で目先の目標としての関東大会があり、そこに到るまでの過程こそが大事だったわけだから、目標は勝つことじゃなくそこで全力を出し切ることだったんだよね。大体いくらなんでも、そんなぽっと出のチームが勝てたら他の部に失礼だろって話じゃん(笑)しかも直前のパフォーマンスだって万全なわけじゃないし。
だから彼らにとっての大事なことは「信じれば飛べる」ってことで、それを体現したのが航であり、最後まで信じ続けたのが悠太ってことかなあ。いや悠太のポジションはすごくいい意味でわかりにくい、何かを現してると思うんだけど、今そこまで考えられないよ。でも瀬戸の役で初めて好きだと思ったなあ、悠太は(笑)
航の「なんも変わんねえよ」で、この一連の航たちが変わった出来事を変わらないと言いきるその普通っぽさも良かった。
 
そういや悠太と鶴見の確執は一応解けたというか、仲間を信じるかどうかって話だけだったのかなあ。そこんとこ深く突っ込まなかったけど、ひょっとして中学の時の同級生ってそういう事なのかな?
同じ部で新体操をやってたけど、鶴見は勝つために仲間を捨てて名門の鷲津に行き、悠太は仲間同士で上を目指そうとした違いというか、それをして鶴見は悠太はダメだ、絶対に勝てないって言ってたんだろうしさ。(ひょっとしてそういう描写なかったけど、悠太からしたら鶴見は裏切り者だったのかもしれない)
だからこそ鶴見から見て0に近かった悠太の新体操が「仲間」を得てちゃんとそれなりのものを出してきたということは認めてもやぶさかでないことだったってことかなと。別に鶴見は自分のやり方を否定する必要もないしね。ただ今回は別の価値観や可能性を知ることができたということでの悠太へのエールだったと思うし。そう思うと鶴見も悪いやつじゃなく、単に悠太とは別の価値観で新体操をやってるってだけだしな。
 
これって企画段階では「ごくせん」+「ウォーターボーイズ」で柳の下の「ROOKIES」二匹目〜を狙ったんだと思うけど、それ以上だったと思えるのはひたすら8ヶ月間努力してきたキャストのみんなと、予想外に繊細で丁寧な脚本を上げてきた清水友佳子のお陰だと思うよ。渡辺さんの脚本もオレは文句ないけど、清水さんはそれ以上にこのドラマ的に神だと思う。それに合わせた丁寧な演出も込みで。
いらないと思った2話と9話も回想シーンで使われると、ちゃんとシーンやセリフとして必要な話だったってのがよくわかったんだけど、つまりドラマとしての構成がかなりガッチリ決まってたってことだよね。
でもオレがこのドラマにこんなにも入れ込んで、感動できたのって、演出は全てにおいてクオリティ高くて手を抜いたとこなんか一切なかったと思うにしても、絶対清水さんと渡辺さんの脚本のせいだと思うんだよ。
普通にごくせん的なベタなありきたりの展開でもそれなりの話にはなったろうけど、オレはどうも、特に江頭さんの脚本が薄っぺらく感じるというか、それっぽいセリフとシーンを与えとけばそれっぽく見えるからOK的な仕事っぷりに感じたのがダメだったのよね。
それっぽいセリフは記号的な意味である程度の感情を揺すぶることはできるけど、企画としてきっちり展開の決まってただろうこのドラマの、そのありきたりなセリフに対して「どうしてそのセリフに至るのか?」「どうしてそういう行動になるのか?」ということを、ちゃんとキャラとストーリー展開を踏まえた上で積み重ねて見せてくれたのが清水さんの脚本だったと思うんだよね。渡辺さんは一つ一つがなんか繊細で丁寧なの。一番大雑把でベタな仕事だったのが江頭さんだったというか‥‥オレの中では。
具体的に何が違うのかどこが足りないのかわかんないんだけど、江頭さんのエピの描写はなんだか薄いんだよなあ。深くないというか、そこに到るまでの気持ちが薄っぺらいというかありきたりなんだよね。
だからこのドラマはキャストが相当頑張ってるってのはさすがにちらほら聞いてたにしても、正直もっくんが初主役ってくらいのつもりで見てたのと、1話SP(2話もね)見た感じではなんだごくせんかーと思った程度だったから、こんなに自分的ヒットになるとは思ってなかったというか。
ごくせん話(しつこいw)があるから全体の評価としてはちょっと落ちるんだけど、クオリティといいおすすめ度といい、本当にすごくよかったと思う。こういうドラマを見られてよかった。こういうって、キャストが頑張って困難な新体操にチャレンジして、カラ高新体操部がまとまっていく時間経過がそのまんまキャストの頑張りだと思えるリアルとドラマの境目のような作品であり番組だったし、こういうモノをきっちり最後まで手を抜かずに作ってくれたスタッフにも感謝したいです。ツイッターも最後はちゃんとフォローしてたよ!

というかこのキャストの役作りって、撮影前の新体操の特訓の賜物かなあ。キャストが若い割に普通のドラマより役に対してのわかってる感と安定感があったんだけど、8ヶ月だから撮影はいる3〜4ヶ月前だよね、その時期からスタッフは他のキャストと話したりしてた結果なのかな。やっぱり時間かけたらそれなりの物ってちゃんと上がってくるんだなあ。
本当に新体操がそれなりのクオリティで出来てるのはすごかった。そりゃ、本物の、鷲津の中の人やたぶん千葉中央の選手には及ばないけど、あのカラ校メンバーの中でもっくんが一番フォームがキレイだったのは、素質的な問題もあるだろうけどやっぱり努力の賜物だと思うし。(そういやもっくんって器械体操の特技があったはずだけどなんでそれ押ししないのかな?)もっくん以外は三浦くんと意外と柳下がキレイだったなあ。ダンスは西島はさすがに上手いけどさ。中土井くんも鷲津の中ではちょっと劣るけど、やっぱよくやったよ。カラ校メンバーと比べたら同じくらいがんばってた!
あとそれに見合うくらいにカラ高メンバーの出番がまんべんなくあったってのも良かったかな。頭合わせのキャラなんて一人もいなくて逆に先生なんか多いくらいだし(笑)、それぞれのエピソードがちゃんとあって、画面に映らない役作り部分でもどういうキャラなのかをちゃんと把握してるから‥‥だよね。
もしかしてこれってホントにあった実話の話とかだったらもっと売れたかなあ?そう言ってもいいくらいのクオリティだったよ、いろいろと。
脚本のこともあるし、出来ればもう一回通して見返したいなあ。DVDBOXも二万円くらいならちょっと欲しいかも‥‥(笑) *1
ああなんか語ると際限ないしとりとめないよ。熱すぎる?熱くなれるものがあるってのはいいもんだぜ!バーイ 東航
本当にスタッフもキャストも全員お疲れさまでしたと心の底から言いたいです。カラ校新体操部バンザイ!