SPACE BATTLESHIP ヤマト

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監督・VFX：山崎貴　脚本：佐藤麻衣子　原作：西崎義展
オレ的には問題なし！
てか、期待通りというか予想通りというか想定内というか、思ったより良くもなく思ったより悪くもない（いい意味で）って感じ。
とにかく一番素晴らしかったのは黒木メイサ！黒木メイサステキ！黒木メイサ超カワイイ！
何がすごいって、森雪がどういうキャラかよーっくわかってるはずのオレですら、あの森雪で最初から違和感無なかったくらい。あれ？、森雪ってエースパイロットだったっけー？ってくらいに（笑）
木村拓哉の古代進も別にあれはあれで問題ないけど、やっぱり端々のキムタク臭はちょっとどうかなあと思うんだよな。あれさえなけりゃ全然気にならないのに。ホントに木村拓哉的な演技のクセが問題なんだけどそのクセが結構何もかも台無しにしてるんだよな。木村拓哉だってこと自体は全然気にならないよ。まあ好み的にはあのロマンチックウェーブの髪型じゃなく、最初のボサボサ頭なら良かったのになあってくらい。ボサボサ頭のほうが好み！
あとキャスト的には、予告編で意外なイイトコにいた浪岡がやはりのブラックタイガーの加藤だったってのと、南部（矢作俊博）と山本（斎藤工）が意外といい味出してるってことかな。沖田艦長（山崎努）はもとより、池内博之の斎藤はオイシイ役だからまああれで納得。相原のマイコも問題なし。通信班だから制服の色は変えて欲しかったってくらい。徳川さん（西田敏行）ステキすぎ！あんな死に方納得できねえ。そしてもうなんだかなーなのは真田さんの柳葉（笑）「古代ーっ！」っていう叫びがもうまんまアニメの真田さん（笑）言葉尻をちょっと上げ気味切り気味にしゃべるのが真田さんすぎる（笑）
とにかくキャスティングとしては本当にハマりすぎてて良かった。20世紀少年よりこっちのほうが再現率は高いような気がする。まー、シーンの再現率も高いんだけどさｗ
話はファーストのTVシリーズと「さらば〜」を一緒くたにした感じで、ファーストで始まっていつの間にかさらばで終わってるって感じ。まあそれはそれでってとこかな。
そもそもあれを2時間ちょいにするって自体が無理だろうと思うし、特にTVシリーズ見てる人間はいろいろ思うところあるんだけどそこはいいよ。個人的には波動砲発射とか初ワープとかあんなに簡単にやって欲しくなかったけどさ。まあそこはしょうがないよ。
たださ、話的にはいろいろ足りないところありすぎて、どうしようかなーって感じかなあ。
えーとね、基本的にはオレはヤマトとしてはこの映画はこれでいいと思います。
ガミラスとイスカンダルの秘密にしても、沖田艦長の騙った内容にしても、もうちょっと脚本として上手くハマるように練って欲しかったなってのはあるけど、基本あのアレンジは別にいいかな。
ただ映画として見て、やっぱり足りないところがありすぎるというか、もうちょっとくらいは上手く出来なかったかなあと思わなくもないというか。
なんかネットを見てたら「ギャラクティカ」のパクリだっていうのはちらちら見られたんだけど、オレギャラクティカは見てないんで（なんかつまんなくて2話目くらいでリタイヤしちゃった）どっちかというと新しいほうの「スター・トレック」かなーと思って見てたんだよね。構成としては冒頭のゆきかぜ特攻の構成からしてああスタトレ、ガミラスの設定はボーグかなーって感じで、ものすごく冷静に見てたんだけどさ（笑）
古代と雪のロマンスはともかく‥‥てか、恋愛いらないしーっていうか正直途中のキスシーンすら、なんでそれ入ってるの？って感じというか。それ必然性ないから黒木メイサ！ってくらいにｗ
ホント、キスすんだったら最後の艦橋でもいいんじゃねって思ったんだけど、まさかキスのあとやってたとは‥‥（笑）いやどっちかなーとは思ってたけど、ワープ中にやってたのかよと‥‥ｗ
いやまあツンデレな森雪が急にデレになるのはいい。あのニパっていう笑顔のためなら別に古代とやっててもいいよってくらい、黒木メイサの森雪は良かった！マジでホレる！ｗ
まあ、森雪があれであれな以上（ネタバレというかアレね）、古代が特攻かけるんなら地球に戻るのが雪の仕事だからその時点でそういう事だなーとは思ったけどさ。まあそこら辺もいいよ（笑）
でもさー、ヤマトの話って自己犠牲はともかく、大切な誰かを助けるために自分が犠牲になるっていうのがテーマの話だから、恋愛よりももっと大きなものがあっても良かったかなーっていうか、正直アニメのほうがそこら辺はブレてなかった気がするから余計になんか違う感はあるというか。
なんていうか、ヤマトってこういう話だから別にこれはこれでいいんだけど、1本の映画としてみたときにこれはちょっとなーとは思うんだよね。スタトレと違う、スタトレにまったく追いついてないって思うのはそこでさ。
はっきりいえば、スタトレと同じく出発から敵を撃破するっていう話を同じ時間で描いてて、どうして人間ドラマとして感動できる話にならないのかなーっていうかさ。そこがやっぱりハリウッドにおっつかないところだと思うんだよなー。何がどうっていうか、なんか決定的な部分が欠けてるというか。
それが何かはわかってるんだけど、まあいいや。実写のヤマトとしては悪くなかったってことで。
　
あ、ちょっと追記。
最後に生き残る人数、少なすぎないかなあ。何人乗ってたのかわかんないけど（オリジナルのヤマトって2百人ちょいじゃなかったかと思ったけど ←wiki見たら114名らしい、少なっ）最後の地球に戻るとこで37人、デスラー攻撃後が12人って少なすぎね？どっちにしても人が死んだなら死んだで、そういう犠牲の上に成り立ってる勝利だっていうことはきっちり語って欲しかったかな。
オレてっきりあそこで雪の中のスターシャが現れて、古代を助けてくれるのかと思ってたよ？（笑）
あとやっぱりイスカンダル/スターシャとガミラス/デスラーの関係はもうちょっと明確にして欲しかったなあ。理屈はわかるんだけど、ヤマトって理屈じゃないからもっと感情的なところに訴えかけてくれないと頭に入らないんだよね。その点最後のデスラーの、移住すべきガミラス星人存在しないから地球侵略は諦めた、でも腹立つから地球も壊すっていうのはある意味納得出来るんだけど、そこに至る描写が何か足りないんだよな。彼らの意思が悪意で出来てるってんならそれはそれでだけど微妙だなあ。
恋愛部分もいいけど、それよりも全体としてもうちょっと描写増やすべきところがあるような気がする。つか雪が古代を好きになる理由はあるけど、古代が雪のことを好きな理由が美人で有能だからって意外に思いつかねえｗ　きっかけがあれだってのはまた別として。もし加藤や山本に頼んでたらどうなってたんだ？（笑）
あとそういや地球に戻って‥‥ってのは、原作アニメみたいに赤い地球が青くなるって方がいいと思うんだけど（そうじゃなかったよね？）美しい緑のパノラマを見せられるよりそっちの方が分かりやすい気はする。ところで蒸発してた地球上の水ってどこにあったのかな？ｗ
あとガミラス星人が生きられる環境っていうけど、精神生命体にそれって必要かと思うと‥‥その侵略意図自体が微妙。スターシャの力で環境変えられるんならそもそも地球じゃなくたっていいだろうよ、みたいな？まあそういう突込みどころは別にいいんだけどさｗ
てことで追記終わり。
　
白組のVFXもよかった！造形的にはハリウッドには劣ってないし、十分勝負できる技術とセンスはあると思うんだ。白組は日本が誇れる映像チームだと思うよ！宇宙空間の色味とか描きこみとかちょうどいい具合というか、リアルじゃないリアルさがあって良かった。えーとオレは特撮クラスタとして、劇場で何回も見てるしスゴイのはわかってるし好みの映像だからどこを褒めていいのかわかんないけどさ（笑）
まあただこれは一応シリアスな作品だったからか、スゴイ感っていうかトンでも感はレスキューシリーズの劇場版のほうがあった気がする。一応、大画面で白組のVFXを見なきゃって理由だけでわざわざ劇場に足運んでるから（本編は途中までしか見てないのにｗ）、オレ、言ってもいいと思うんだｗ
宇宙における艦隊の戦闘シーンのVFX的は、ざっくりとはスタトレと同レベルっていってもいいと思うからまったく問題ないよ。宇宙空間の艦隊戦はカッコ良かった。白組スゲェ！
ただしょぼいなーと思ったのはガミラスに潜入するとこで、VFXの問題じゃなく演出というか脚本というかシーン自体がふた昔前すぎるというか。VFX的にめんどくさいことやってるなーとは思っても、シーン自体が良くないんだもん。
いやだってさ、戦闘機で突っ込んでって、そこから地上車両に乗り換えてってのはともかく、そこにガミラス兵が生身？で襲いかかって来るって、えー？って感じ。なんとなく「スターシップ・トゥルーパーズ」とか「ID４」とか思い出したんだけど、あれはないと思うんだよなー。思わね？そこまでもってく緊迫感も足りないし。
20年前ならあれでも良かっただろうけど、ヤマト的なありえなさの正当性と、そういう部分の古臭さのブラッシュアップはもうちょっと考えて欲しかったな。オレ的にはあのシーンだけは不可。あれで仲間が盾になって古代たちが先に進むってのも、もうちょっと上手くやって欲しかった。あれだと本当にRPGゲーム的な感じがしすぎてて、全然感動できないよ。別に森雪があれなのはいいんだけど。（でも古代と雪だけが無傷ってのもなあｗ）
それと黒木メイサはユニクロ着てるわけじゃないよね？ｗ（←つかアニメだったら絶対全裸シーンだよなー、メイサには必然性があるからぜひとも脱いで欲しかったところｗ）

そういや帰りにトイレ待ちで若い子が話してたんだけど、「結局どこが泣き所だったの？」「えーと、仲間のためにみんな死んでくとこじゃないのかなあ」「でも泣けなかったけどー」「キムタクだから泣けるってやつじゃね？」とかいってて、どうしたもんかと思った（苦笑）
やっぱそういうのが分かりすぎるのは安っぽすぎるというか、いかにもすぎるんだよなあ。もうちょっとうまくやってくれんもんかと。
原作アニメのエッセンスは上手く抽出してるんだけど、もっと映画として大事な何かを忘れてるんじゃないかなあと思う次第。なぜ泣けるのかをもうちょっと真面目に考えてくれんかなあ。それでなくても自己犠牲で何かを成すってのは微妙な話になりがちなんだから。あ、基本的にはこの映画はありです。オレとしては問題なし。でも二回は見なくてもいいかなあ。
　
そしてサントラを買おうと思ったけど、売り切れだった‥‥アマに頼もう。

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」オリジナル・サウンドトラック

　
さらに追記。
ふと思ったんだけど、力づくで地球を侵略しようとしたのはガミラスだけど、それを見越してイスカンダルがヤマトをあそこへ呼び寄せ、放射能を除去するという名目で森雪に乗り移って地球にいき、そこで実はじわじわと地球を侵略していく計画だった‥‥ってこたないかな？北風と太陽的な。そうだったらそれはそれでイスカンダル怖いなあ‥‥（ねーかｗ）