そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

英国王のスピーチ

http://kingsspeech.gaga.ne.jp/
監督:トム・フーパー

 
今年度のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞を受賞した、実話を元にした映画、だそうです。
この映画が今年度のアカデミー賞を総なめってのは納得。面白かった。
タイトルが「英国王のスピーチ」って言うくらいだから、クライマックスはジョージ6世コリン・ファース)が1939年のドイツとの開戦のスピーチを上手くやれるかどうかってことで。
そこまではジョージ6世(現英国女王エリザベス2世のお父さん)、戴冠前はヨーク公であるただのジョージが吃音症で人前でうまくしゃべれないことを気にするあまり、コンプレックスと職務へのプレッシャーから癇癪持ちだったり人をなかなか信用しなかったりというちょっと難有りな性格を、独自のメソッドで何とかしようと奮闘する言語聴覚士のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ*1 との友情というか、そもそも英国の第二王子と平民どころか英国民ですらない植民地出身のオーストラリア人のやりとりを通じて吃音を克服して英国王としての自信を獲得する物語。それがなんか泣ける。オレちょっと泣いた。
吃音を「心の問題」ということで扱ってるけど、オレはそれは最初からそうだと思ってたからいいんだけど、そう思って見てない人にはちょっと退屈だったのかもしれないかも。(満席なのに隣のやつが寝てたよ!)
つまり子供の頃から王室のしきたりやこうあるべきという考えに抑圧されて、優秀なのにそういう部分で大きなコンプレックスを抱えていた王子が、その問題を見つめ直していくという過程、それはローグ(実は独学の自称治療士)との信頼あってこそだし、家族の支えがあってのことだという話だから胸を打つんだよな。
王子を支える妃殿下(ヘレナ・ボナム・カーター)がまた聡明で口さがないけどユーモアがあって夫である王子を心から愛してて(吃音ですら問題じゃなかったらしい)それがまたステキだった。ライオネルの自宅にいきなり訪問したときの気安くはないんだけど「お構いなく」って感じが漢らしくてよかったw
それと比べると‥‥と言っちゃなんだけど、バツ2の人妻と生きると決めて王家を出奔した第一王子の兄ちゃん(ガイ・ピアース)とかお気楽だなあっていうか、ジョージの苦悩とかコンプレックスとか、それがあるから王になりたくないという悩みを考えるとねえっていうか。王位を捨てるで捨てられれば世話ないよなあと思うんだけど、それが出来ちゃう英国王室の不思議よ。それっていいんだー‥‥っていう(苦笑) そういやこの人「王冠を賭けた恋」の人だっけ、詳しくはよく知らなかったけど。
とにかくまったく退屈することなく楽しめました。
メインはほとんどその3人なんだけど、演技が上手い人ばかりっていうのは余計なこと考えなくていいから、見てて楽しいよな。ヒルズで見てたせいか、英国式ユーモアなところでは結構笑いが上がってたよ。外人率多めか?

*1:相方がいうにはパイレーツ・オブ・カリビアンのジャックのフジツボ父さん役