そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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JIN -仁-完結編#8

http://www.tbs.co.jp/jin-final/
脚本:森下佳子 演出:平川雄一
 
これからの未来に未来さんがいないのはもう決定ではある‥‥ってことでいえば、すでにもう仁先生がいるこの幕末の江戸時代から続く現代は、もう仁先生がいた現代じゃないってことだよな。
未来さんが写真から消えてしまったってことくらいは、仁先生でもそれを説明された咲さんでも理解出来てるってことだけど、たぶん、おそらくだけど、SF的にいうと未来さんだけがいない未来なら、写真と写ってる仁先生は残ってると思うんだよね。写真そのものが消えてしまったってことは写真を撮った事実そのものもなくなった、つまりもう仁先生がいた現代じゃなくなってる(パラレルワールド化)んだから、今の時点で仁先生が未来を変えてしまうってことで悩むこともないと思うんだよなあ。未来はもう変わってるんだよ。というか仁先生の知っていた「現代」は無くなっちゃったんだよね。いいか悪いかは別として。
それを踏まえて歴史の修正力のせいで、坂本龍馬暗殺は止められないけど、南方仁によって変わる未来は容認されてるんなら、それは正しいってことじゃね?佐久間象山先生だってそういうこと言ってたんだよね?(もううろ覚え)たぶん龍馬と仁先生のあの写真は新しい「現代」にも伝わってるはずだよね。

んでまあ、幕末の歴史もぼんやりとしか覚えてない(去年の大河ドラマ見とけばよかったのに)、帝王切開のやり方もぼんやりとしか覚えてない(脳外科医なんだから当たり前)仁先生が、それぞれで正しいはずって言われてるのも歴史の修正力のなせる技なんでしょうか?というかもうそうなっちゃったんだからしようがない‥‥って話だと思うんだ。仁先生が今更じたばたしたって始まらないと思うんで、そろそろ腹をくくって欲しいのことよ。でないと余計に咲さんが男前に見えすぎるからw
それにしても、麻酔なしの帝王切開なんて怖すぎる! ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
それ以前にどうしてお産なのにお産婆さんは呼んでないの?咲さんがなんかレクチャー受けてるにしても、本職がいたほうが心強いだろうに!逆子でも一流のお産婆さんならどうにかならなかったっけ。まあそれでお産婆さんが取り上げました〜じゃあ、今回の話終わっちゃうけどさ(笑)お産婆さんは逆子でも取り上げられるように手が小さい人がいいんだっけ?
それはともかく、麻酔なしでも子どもをこの手に抱けるなら耐えて見せる、自分は死んでも子どもを残したい‥‥!っていう野風さんの激白があまりに胸に刺さりすぎる。事実上あそこが今週一番の見所。仁先生の戻って来い心臓マッサージとタメで。
というか中谷美紀が美しすぎる。美しすぎるからちょっと泣けた。でも麻酔なしはいいけどハミくらい噛ませないと歯がボロボロになっちゃうはずよ?と冷静に突っ込んじゃうよ。なんか煮え切らない仁先生がアカンのや(^_^;)
というか思ったんだけどさ、仁先生って野風さんがあれほどまでに「子どもを産みたい」って言ってることを全然理解してないよねーってとこで、なんか気持ちが冷めちゃうんだよなあ。いや、ドラマとしては面白かったんだけど。
仁先生があの状況で、子どもは諦めて野風さんをとるっていうのは、すごくドライだと思うんだよね。胎児か母体かっていう判断の時、オレもよく母親のほうを取るべしって思ってるんだけど、それは今が現代で、母親には次のチャンスがあるかもしれないという可能性が大きいからなんだよ。まだ見ぬ子どもよりも今いる母親のほうが存在として重いと思ってるからで、たぶん仁先生もそうなんだよね。
それってすごく現代的な考え方だと思うけど、母親なら子どものほうが大事っていうのは、お腹を痛めて産んだ子だからという感情論というより生物としての本能に近いと思うんだ。絶対に子どもは生かすという。江戸のあの時代って今よりももっと死がすぐ近くにあるから次があるとは限らないってことを仁先生はその2年間の間に見てないはずはないんだよね。お産は相当危険だし実際母親の亡くなる率は高かったはずだから。(栄養状態悪いとかそもそも母体に頑張りが効かないってのも理由のはずだから、野風さんはそれよりは条件いいはずだけどね)
野風さんに個人的感情があって死なせたくないっていうなら、それはまた別のドラマなんだけど、単に生きていて欲しいっていうのは下手したらエゴじゃね?患者の、というか野風さんの願いを聞いてやれよと。そこら辺の仁先生の茫洋としたところがなんかイラつくというか、もっと生と死に敏感に、切実になれよと思うんだが。
ちょっと前にタイムパラドックスで、自分が消えるかもしれないという体験をしてるのにそれかというガッカリ感ていうの?生まれてくる野風さんの子供が、ひょっとしたら未来さんじゃなくても仁先生の恋人になるかもしれない存在だと理解してて、だからこそその子を絶対に生かすと決めた咲さんのほうが潔いし、本質的にわかってるよね。
子どもを生むというのは今を未来に繋げるということだけど、仁先生や咲さんはそれが漠然としてない、確かにある程度形ある未来だってのを知ってるんだから、「その未来に繋げるためのこの子」という意識が高いはずなんだよな。そうやっていくしか人の未来は作られないわけで、仁先生とは結ばれないと思ってる咲さんからしたら、一般的な母親が子どもを生むということ以上の意味を持ってるはずじゃないかと。だから咲さんはあんなに強いのに、ああそれなのにどうして当の仁先生はそんなにまで天然なんだよwww
まーだから、むしろそういう気持ちを体現した中谷美紀の演技がすばらしかった!っていう話なんだけどね(^_^;)
野風さん(と咲さん)があんなにも強くなかったら、仁先生のやってることって相当アレだと思うなあ(苦笑)

でもまあ死にかけの病人を見てきた仁先生の言うことだから、死にかけてるこの国の状態は一番良く知ってるっていう龍馬の言い分も、内野聖陽の龍馬がすごいから説得力があると思うんだよね(苦笑)
いやマジでそういう話だと思うんだ。
だって龍馬に大政奉還を促したきっかけって、薩長の戦いを見て「どっちがどっちだかわからない」って言った仁先生の言葉だけど、それってすごく女子的というか感情論だよね。それが悪いって言ってるわけじゃないけど(笑)
理屈で国を動かそうとしてる龍馬が感情論でものを言ってる仁先生を信じて、情で「幕府との戦いはやめたくないもんね」って言ってる薩摩に仁先生の理屈をぶつけたり、ちょっと面白かったw 結局龍馬の理屈が通ってるから丸く収まったんだけど。なんかこっちの龍馬のやってることのほうが説得力あるなあ(笑)
そして船中八策は船中九策に。いくら仁先生でも船中八策は知ってるよなあ?中身は知らなくてもさ。
最後の一つが国民皆保険って、それはすごく文明的だけど大丈夫なのか?つかこれ原作にあったっけ?今のアメリカですら出来てない国民皆保険(笑)龍馬さんは進歩的すぎだけど、あの時代に皆保険成り立つのかよ。ムリだろよ、まず戸籍だし。つまりあそこから繋がる未来の日本ってのはものすごい医療大国ってことじゃね?今よりももっと。そういうオチに持っていくのかなあ。確か原作でもそれくらいに医療は発達してたはずだけど。
まあ、未来さんと仁先生の写真は消えても、坂本龍馬のあの有名な写真に仁先生が写ってるとか、それが新しい夜明けかw
ちょこちょこと顔だけはだしてた中岡慎太郎市川亀治郎)がやっと本格的に龍馬と絡んでくれて、本当にもうお館様と勘助であった(笑)平助(佐藤隆太)もいるしなw ちなみに龍馬伝では龍馬を斬った男だヨ、亀治郎
龍馬さんの誕生日は11月15日。なんだっけ、誕生日祝いにしゃも鍋パーティすんだっけ?Xデー間近!お屋形様はどうするのか?(違)
どうでもいいが、今回のシリーズに当たって土佐弁を特訓したという内野さんの土佐弁は、ほぼ完璧に近いイントネーション。さすがすぎる!