そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

妖怪人間ベム#6

http://www.ntv.co.jp/bem/
脚本:西田征史 演出:浅見真史
 
まさかのベラ姐さんの恋!しかも相手は哲司!渋いねぇ〜
しかしあれだね、ベムたちはなんか、人間らしいことは人間にならないとしちゃいけないとでも思ってるのかなあ。妖怪人間だって恋をしたっていいと思うんだよな。人間になる方が先で、今は恋とか言ってるヒマはないっていうならまた話は違うけど、そういうことでもないよね。
で、やっぱり思うんだけど、今までベム・ベラ・ベロは恋とかしたことないのかなあ、そんなに長く生きてさすらって、あちこち人との関わりももってるのに。
まあベラ姐さんが大久保さん(田中哲司)に対する自分の気持ちが「恋」だと気がつくまでがあまりに微笑ましいよ。緒方家の家政婦、日出子さんの「ガールズトークです」はちょっとおかしかった(笑)
でも小春ちゃんの「言葉に出来ないもの」って、もっとフォローするかと思ったら全然フォローしないのな。まあ恋する気持ちがどういうものかはベラが全部言ってくれちゃってるから、それはそれでいいんだけど。そういう気持ちになれたってだけでも嬉しかったってのもよくわかるし。
ただそれが、ベラは自分が人間じゃないから人間に恋してはいけないと思ってその気持ちだけを持って身を引いたのか、大久保さんが悪い人間だから身を引いたのかよくわかんないんだよな。なんでああいうタイミングでベラが知るようにしちゃうのかなあ(>脚本)
だって、この話ってベラの恋の話としては悲しいけどいい話だし、大久保さんが夏目刑事の息子が亡くなった原因だったって話にしても、その事故をずっと気にしてたってことで夏目刑事の苦悩や悲しみと(直接じゃないにしても)リンクさせて、ベムたちに考えさせる話かなーと思ったら、なんか微妙に違う?
違うのはいいけど、なんかうーん、そもそも大久保さんって悪い人間じゃないんだよね?それは十分描写されてるはずだし、結局悩んだ挙句自首しに行ったし、それをベムも確認してるよね。
なのに警察署内で謎の男に出会って悪い考えを植えつけられて大久保さんは暴走しちゃった。
謎の男のやってることも、その人間の中のネガティブな要素を増幅させてるのかなと思ってたけど、どうやら悪い考えを植えつけてるみたいだし。
だって大久保さんは、自分のやったことは仕事上の過失による事故で、ただそれを公表できないから悩んでたんだし、それでいいと思ってないから苦しんでたんだよね。これがもっと本質が姑息な人間なら、謎の男がそれを増幅して暴走させても今まで通りって感じなんだけど(むしろそれで藤原さんを襲うんならもっとわかりやすいんだけど)、とにかく大久保さんって元々が悪い人じゃない。ベラが恋するってことでもそうだけどさ。
でも臆病だから、ゆすられて切羽詰まって過剰防衛で藤原さんを襲うくらいに心優しいってことも言えるわけで、ベラはそれに気がついてた。
その臆病さを増幅させられたからベラの好意を疑って襲ったっていうのはまだ納得できるけど、大久保さんにも罪はあっても、悪事を働いたわけじゃないから悪い人間じゃないのに、ベムは結局大久保さんのやったことだけ見て悪い人間だと決めつけたんだよね?
それって、ベラが恋した大久保さんは良い人だとは思っていても、それよりももっと大事な親しい人間、夏目さんの苦しみや悲しみを知ってるから、そうさせてる人間を許せなかった、というか悪い人間だと思ってたってことなんじゃないかなあ?だってそうでもないと、ベムのやってることって納得できないよ。まあそういう見方自体、人間っぽいといえばそうなんだけど。
例の人間になれる涙にしても、ベロとベラが「悪い人間の涙」っていうのもちょっと引っかかったよ。大久保さんが悪い人間だというのは何をして「悪い」わけ?少なくともこの話見てて大久保さんが悪い人間だとはまったく思えないんだけどさ。
ベムたちって正義の心は持ってて、助けを求める人間を捨てておけないくらい心優しいけど、決して頭がいいわけでも物事をきちんと考えてるわけでもないよね。逆にとても感情的で(感情が高ぶると元の姿に戻るのが抑えられないことといい)それってある意味とても人間らしすぎるよ。いや、そういう人間らしさは悲しく心優しいとは思うけど、共感できるかどうかといえば、オレは微妙‥‥かなあ。長く生きてるんだから、もうちょっと賢く生きようよ‥‥(;´Д`)
 
まあとにかく、大久保さんは気の毒だけど爆発事故に関わってたといっても別に爆弾魔ってわけじゃないし、藤原さんに対する殺人未遂にしても、藤原さんのゆすりの方がそもそも犯罪だし、ホントにもうちょっと冷静に考えたり勇気があればと思うんだけど、大久保さんみたいな人がああいう風に追い詰められてしまうっていうのは哲司の演技のせいかとても良くわかるんで、なんかそういう人間の弱さって悲しいなあと思うばかりです。
夏目さんの息子の話も、大久保さんが言うことだけ聞くと彼が悪いって話じゃないし、むしろ今回の話はそういうとこで板挟みになって感情的に割り切れないことでベムたちが苦しくて悲しむ話にして欲しかったかも。なんでそういう話にならないのかなあ。まあ夏目さんは「人間だから」乗り越えられると思うけど、そこら辺はもしかしたら今後の伏線なのかなあ。
しかしこの話、結局一番の黒幕はもう一人のお仲間の東郷さんなの?二人を陥れて何が特になるのかまったく分からないから次回持ち越しで。研究絡み?爆発ももしかして東郷さんのせい?
そしてそれをネタに夏目刑事に近づいてくるのは何のため?どう考えてもベムたち絡みだよねえ。
それはともかく、今週のベムたんもとても可憐で美しかったぞ。
ベラがやたら男らしいから(男っぽいと男らしいは違うんだよ、ベロw)余計にベムの美しさが際立つのか?人間に対して臆病で受身だってのもなあ。
その割にというか、いきなり昼間から夏目さんとこに訪ねて行って「ごちそうになりに来ました」はねーよ!ねーだろよ!(笑)というかなんという萌えキャラか(笑)本当に恋をしても男らしいベラ姐さんと違って、もう今にも消え入りそうな儚さ!(笑)
結果として大久保さんに失恋てわけでもないけど別れを選んだベラが、
『あたしゃ平気だよ。ちっとも後悔なんかしちゃいないよ。それに、誰かを好きになるって気持ちは、案外嬉しいもんだったよ』って言うのに、
『やはりベラはカッコイイな』って感心したようにいうとか、ぶっ倒れそうですよ。
この3人、ベロが子供なのはともかく、実はベラがお父さんでベムがお母さんだったんだねえ〜。納得(笑)
それにしても、今回ベロが「生まれた時の記憶がない」って言ってたけど、どっちなの?ってか、じゃあ今までの経緯を記した手帳とか杖とか誰のものなの?誰が書いたの???そこって、謎の男絡みでなんか秘密があるの?
うーんなんか、ホムンクルスとして作られて怪物の姿を持った生き物が、人間の姿にもなれるっていうのがちょっとした疑問なんだけど、ひょっとして生まれて怪物として成長して人間らしい心を持つように教育されたけど、謎の男=緒方晋作博士の実験で人間として生まれ変わる途中で失敗して出来損ない、記憶もなくなり博士も怪物化‥‥とかじゃないかと、想像してみるよ。もしかしてあの緑の液体って、ベムたちの体液から作られた何かとか。謎の男が博士だとすれば、ベムたちの血液から取った血清か何かで不老不死になろうとして失敗して怪物化ってことも考えられるし。行動自体は目的不明だけどさ、博士自身がネガティブな感情を増幅してしまったのかもな。
まあお話的には、まずくはないけど微妙になんかズレてる気がしなくもないかなあー。なんか、もうちょっと気持ち的なところをメインに突っ込んで欲しい‥‥かも。何となく話の流れは辻褄合ってるだけに違和感。