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UN-GO #8「楽園の王」

http://www.un-go.com/
脚本:會川昇 絵コンテ・演出:黒川智之 作画監督:日下部智津子・根岸宏行・伊藤秀樹
 
「自称・小説家」の言ってた「謎」は単にあの幻覚の白昼夢な世界を認識できるかどうかってだけか。
そういう意味ではそこは予想通りだけど、三高(監督→看守)が殺された理由は、さすがにわかるわけ無いじゃんと‥‥(^_^;)いやでもそこは問題じゃないよな。
一応前回の感想での疑問を拾っとくと、女の子3人のうちひとりだけタブレットに個体番号がなかったのは今回のトリックそのもののせいで、新十郎がなにか見えないとこにもたれてたのは、見えてないけど男女房を仕切ってる金網だったと。あることは認識してるけど見えてないしないものとして行動する‥‥ってすごい幻覚だな。幻覚というか本人にとっての「真実」だけど。
まあ罪を犯してない新十郎がまさか収監されてるとも思わないから、行動範囲の奇妙さについてもそれなら納得。泊まってたホテルだと思ってたのは作りから見て、どう見ても囚人房だったし。
新十郎が謎を解くってのはそのまんま別天王の作った幻覚の世界に気がつくかどうかってことだったと。
あとどう考えても幻覚だと思ってた海勝梨江のお嬢様刑事ルックと虎山泉のメイドルックは、本当にその格好してた‥‥って、わかるかー!(笑)

それより因果論を見てなくてもわかるとは言っても、見てないとやっぱりわかりづらいのは確かかなあ。速水の説明した大野妙心の事件と同じって説明だけじゃ、別天王の力っていうのは集団幻覚か、大掛かりなトリックだと思っても不思議じゃないよ。
視聴者が因果の正体、因果が”何者であるのか”ってことについて「人間でない」という認識をしてたとしても、その因果の能力と、「神」だという別天王の力はあまりにもスケールが違いすぎるし、あと「口に出して言ったこと」は「事実になるのではなく真実に見えるだけ」というルール(だよな)も、因果論を見ないと実感として納得できないんではないかと思うんだけど。
そういう意味ではTVシリーズだけ見て理解するのはちょっと難しいというか、そういう力が「あり」なんだという世界観だってのがわかってないとよくわからない話にはなりそう。面白いけどw
結局この話での「自称・小説家」は単なる狂言回しにすぎなかったってことかなあ。因果にミダマを食われちゃったし。とすると、やっぱり裏で糸を引いてたのは海勝麟六ってこと?
深読みするべきかどうか迷うけど(別にこのまま見てるだけでも十分面白いから)、ちょっと考えてみる。
今回の話だと、あの幻覚の世界は新十郎が楽しい真実の世界じゃなくて、自称・小説家が楽しい世界だよね、誰の妄想かってのを考えたら当然だけど。だから「楽園の王」は自称・小説家じゃね?
そもそも新十郎は自称・小説家言うところの「名探偵」で在りたいって意志はないんだよね。探偵はお仕事だとしても、文学的に「探偵」と「名探偵」は意味が違うよね。
彼が海勝麟六に言われるまま探偵をやらざるをえないのは、自分探しに失敗したからで、自分を探す代わりに「真実」を暴かないといけないんだよね。それ故彼は名探偵でありえる。なぜかというと海勝麟六がそれを望むから‥‥ってこと?自称・小説家と違うのは現実世界に影響を与えられるかどうかってこと?そもそも海勝麟六が別天王の力をとっくに手に入れてたら‥‥と思わなくもないけど、それはもうちょっと様子見。
まあだから、そもそもが海勝麟六が用意した探偵という役割を演じるしか新十郎の進むべき道はない。そういう意味での”UN-GO”だろうし。
というとこで、最後の新十郎のセリフがやたら時代小説くさいのはなんの意味があるのかな?原作読んでないからひょっとしたら原作の一文かもしれないけど、そこでああいう言い回しをすることの理由は?って考えると、自称・小説家の催眠が解けると同時に別の催眠がかかった‥‥とか?