そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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ドン★キホーテ#11「予測不能のふたり」(終)

http://www.ntv.co.jp/dq/
脚本:大石哲也 演出:中島悟
 
今更なんですが、やっと最終回を見ました(苦笑)終わってからどんだけ経ってんだという‥‥もう後番組のベムも終わっちゃったよ(^_^;)
前回までの感想が読みたい方は↑の検索窓に「ドン★キホーテ」って入れて検索してみてねw
 
オチの話からすると、なんというかご都合主義というでもなくまったくのファンタジーで、入れ替わったこと自体に理由はなく、何のキッカケもなく元通り(笑)「転校生」より必然性がないよw
しかも最後の最後で今度は西やんと兵藤かよーwwwというお話チックな話だったけど、それも良し。
‥‥んだけど、今回の過保護ママの話の香ちゃん。
んーと、児相の人たちが保護するのはいいけど、あれほとんど誘拐だろって気がするし、城田(中身鯖島)が連れて行くってのはともかく、今そこにある危機だろよ!(笑)なんでたまたま鯖島組の前の小児科医院に行くとか、しかもちょうどそこに鯖島さんを狙った鉄砲玉が‥‥とか、ぶっちゃけウィルスよりもバイキンよりも拳銃と日本刀だよ!極道の抗争だよ!そんなとこで外に出しちゃダメだよ、危険過ぎるよ!お母さん納得しちゃダメー!極道の抗争スルーしちゃマズイだろよ!日常茶飯事なのかよw
つーか、少なくとも極道の縄張りなんて地元の人はわかってるんだから、そんなとこに小児科医院作るなよ。(てか、病院の近くって極道の事務所開いちゃダメじゃないの?どっちが先にあったのかわからないけど)
まあそういうとこがヌルいといえばヌルいのが、お話としては面白いだけに残念というか。
ただあのどさくさ紛れに、すごく普通のことのように城田がバナナの皮で刺客を撃退ってのがなんかのんびりしてて笑った。中身鯖島さんだから、あれも日常といえばそうなんだろうけど、だからバナナか(^_^;)
でもってそのまま城田が香ちゃんを連れて何気ない街中のアレヤコレヤを見せて回るってのが、あの街で長年生きてる鯖島ならではってとこ含めて良かったよ。
買い食いコロッケとかも、そこでちゃんと手を洗うとか、いちいち細かいそういう地味なところの味わいがとてもいいし、丁寧にやってるなあとは思うんだけど、わかりにくいだろうなあ(^_^;)
 
そして京浜連合の肝心の跡目争いの決着が、前回の討論会から来て「極道カルタ」という話だしなあ(笑)
何気にこのドラマの極道描写って、うっかり極道カッコイイなあと憧れられない程度にはキッチリ社会悪してると思うんだけど、描写がコメディチックだからカルタが成り立つのかなあ。つか、あのカルタどこで作ってんだろ?(笑)ドラマの制作スタッフがわざわざ作ったというのはとても微笑ましいと思うけどさw あのイラストいいよなw
なぜかカルタが得意だという鯖島が「言霊を感じろ」で勝てるってのが神がかってるとこなんだろうけど、たぶん極道だからそういうのもありなんだよな(笑)
まあ鉄砲玉はともかく、鯵沢が思ったより筋通った人間だったってのも良かった。なんだかんだ言っても若い時から鯖島とライバルだったってことは、インテリヤクザとはいえ鯵沢さんも同じようなもんじゃないのかなあ。そもそも家族的極道の鰯原親分の舎弟だったんだし。
てかさ、鯵沢さんの極妻ナターシャさんさ、なんで家の中で裸エプロンなんだ?あれ、確かに裸エプロンだったよな?鯵沢さんの趣味?(笑)それって鯖島さんとこのサルサと同じくらい似たもの同士に愉快な人だと思うのよw
まあ結局跡目は鯖島一家に‥‥って、城田(見た目鯖島)の潔さとか、秋山の勝手な襲撃のせいもあったのかなあ。まあ丸く収まってよかったよかった。秋山さんはシャーク隊長@セイザーXだね!
 
こないだから(というか時間的にはまったくこないだでもないけど)なんでこのドラマのタイトルがドン・キホーテなのかと考えてたんだけど、ドラマのストーリーとしてはドン・キホーテとは言いがたいってのが、面白いけどわかりにくかったのかなあ。いや実際これの評価は知らないんだけどね。(数字は今確認したけど、思ったより良くてほっとしたw@平均10.92%)
原作のドン・キホーテは妄想の取り憑かれた騎士が風車を怪物だと思って立ち向かっていく‥‥云々って話だけど(劇中でもやったけど)、このドラマは自分が正しいと思うこと(世間的に正しいとは限らない)を正しいと信じて押し通す、ぶっちゃけ悪気のない馬鹿が、自分では理解不能なものに対して立ち向かっていく、そして上手く結果オーライって話でいいんだよね?それを本人たちでなく幸子目線で見て正義のヒーローだと思う‥‥って話なのがわかりにくいんだよな。
世間が「あれは風車だ」と言ってるものを「だから風車ってなんだ?風車だからどうだと言うんだ!」といってがむしゃらに立ち向かう、相手が何かわからないけど、普通の人がそういうものだと思ってる常識や事柄に対して立ち向かわなければいけないときに、下手に考えるより馬鹿のまま突っ込んでいくことで、(たまたま)いい結果が出るという情熱のお話ってことで?馬鹿を馬鹿で正しいと成り立たせるためのお膳立てが「ドン・キホーテ」なのかな?
ドン・キホーテ自身は別に正義のヒーローってわけじゃないけど、このドラマの場合、入れ替わって中身が鯖島な城田の方は、世間的なヒーローではないけど誰かにとっての救いになったって意味でのヒーローってことかなあ。
うん、これってとりあえず鯖島さんは主人公ではないんだよね。あくまで主人公は目の前の誰か(特に虐待されてる子供)を助けたいと思ってる城田なんだよね。それを本人はヒーローと思ってないけど、幸子や助けられた子たちから見たらヒーローじゃないの?って話かなあ。
城田がダメなのは、本人は助けたいという気持ちはあるけど手段と考え方が徹底的に間違ってるということで、それがイマドキのゆとりの若者的には普通の状態だというのとあいまって「やる気は感じるけど使えねー」という西やんがもだもだするような歯がゆさになってたことだよね。
と考えると、思うに城田が鯖島に変身したことでいわゆる変身ヒーロー的に物事を解決していくって意味では「ヒーロー物」だと言えるんじゃないかと思ったんだよ。

城田は実際には中身が鯖島なんだけど行動様式が極道(しかもバカ)の鯖島だってことでいうと、見た目そのままでも中身が変わると「別人になる」ってことでは、城田が「変身」したってことで。
鯖島さん(中身城田)が撃たれたときに、城田(見た目鯖島)が「僕が出来なかったことたくさんしてくれたじゃないですか」って言ったけど、城田が鯖島さんに変身したことでちゃんとたくさんの子供を救えてて、それが城田のやりたいことだったってのは案外ちゃんと貫いてたんだよな、このドラマ。そうは見えないくらいバカ展開だったけど(笑)
そう考えると城田が撃たれたことも変身して願いが叶ったって意味での代償だとすれば(死ぬほどの怪我じゃなかったってのはあるから)、城田だけが怪我して損したってわけでもないのかな。
鯖島さんはたぶんよほどヘマしない限り総長にはなれたと思うんだけど(そもそも親分は鯖島の方を気に入ってるんだし)、城田は鯖島さんを体験する、つまり極道の体験と中身鯖島な城田というもう一人の自分をある意味追体験することで、メチャクチャゆえにベストな解決法を体験できたわけで、それはバカで常識関係ない極道の鯖島さんの「ガン!ドン!ズドン!」な解決法だからこそなんだよな。
現実的な話ってことでは、結局児相の案件ってどれも地道にやってればそのうち解決するというものでもないってことになるんだろうけど、それをハチャメチャな設定の中で解決することで、逆にリアルな現状がどれだけ難しい問題を抱えてるのかってことを思い知らされる話だったように思うかなあ。
さらに幸子の目線で見てるから(完全に幸子目線でないからわかりにくいんだと思うけど)、幸子から見たらそういう常識はずれのことを出来る人がいてくれてよかったってことなんだろうな。
幸子も最後はとりあえず帰る「家」ができたし、お友達ともちゃんと対等に付き合えてるみたいでホッとしたよ。あとは案外ちゃっかりしてる城田がまともな児童相談員になれればいいかなと思う(笑)

なんだかんだいってもこのドラマの一番の見所は松田翔太だった。つくづく翔太は上手いなあ。
前々から言ってたけど、翔太の鯖島と高橋克実の鯖島って違うし、高橋さんがやる城田は完全な城田じゃないんだよね。まあ40代の高橋さんにイマドキのゆとりな若者ってのはさすがに難しいと思うけど、それ以上に翔太の城田の感じがあまりにも城田なんだよなあ(笑)
二人で役の解釈のすり合わせをしたのかどうかはわからないけど、その違うままで通してるのがまたたまに戻ったときに翔太の上手さ実感って感じで、むしろやっぱり鯖島も城田もなんか松田翔太の解釈で見ちゃってたなあ‥‥って気はする(笑)本当に松田翔太の上手さを実感したよ。まあ何となく脚本からして、見た目鯖島の城田は高橋克実が演じる前提の気弱な今時の若者って感じではあったから、あれはあれでとても良かったんだけどさ(笑)
あと成海璃子もこのドラマの役はすごくよかった。今までわりと棒かなあと思ってたからあのちょっと卑屈な雰囲気がハマってた。カメラの話とかホント鯖島さんヒドいと思ったしw
キャスティングは全般的にすごく好みだったしハマってたし、鯖島と城田のコンビはとても良かった(笑)面白かったし良いドラマだった!