そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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松井冬子展 世界中の子と友達になれる

http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2011/matsuifuyuko/outline.html
会期:2011年12月7日〜2012年3月18日
場所:横浜美術館

 
美人すぎる日本画家ってことで、前にたまたまNHKの番組見てから気になってた松井冬子の展覧会に行って来ましたー。滑り込み!
この人絵はすごい上手いんだけど、それは絵を見ててもわかったけど、今回素描とかデッサン見ててもホントに上手いなあと思ったんだけど、とにかく絵全体から押し殺した狂気さが漂ってる上に、そこに思ってた以上の線の緻密さが加わって、更に画題に意味を持たせすぎで過剰さが果てしなさすぎて凄いと思った。
とにかく素描がメチャクチャ緻密。何で描いてるのかわからないくらい鉛筆線が細いし、単なるラフなのに細かいとこまで書きすぎ偏執的(^_^;)
画題の過剰さが「女性性」というものに対しての拘りが凄まじすぎるってことが作品見てても分かりやすすぎるんだけど、「絵」だけだと中途半端なただのグロい絵だけど、さすがにあそこまで逝っちゃってるとスゴいとしかいいようがないな。好き嫌いはあるだろうけど。
どちらかというと絵自体のグロさや気持ち悪さというより、本人の人間性の逸脱したところのアンバランスさの気持ち悪さみたいなものが出てるというか気になる感じ。
日本画自体が緻密に構成されてるらしいけど(言われてみれば油絵と違って描き直しができないから当然か)、そのための構図案の切り貼りとかもあって面白かった。
あと会場に展示されてる絵とそこについてるコメントは不可分だと思うけど、案の定図録には載ってないみたい。なんかやたら会場でメモ取ってる人が何人もいたんで、なんとなくそんな気はしたけどw 図録に載せてくださいよ‥‥(どうも美術手帖に一部載ってるみたいだけど)
こういう題材のものは好きなんだけど、さすがにいい加減大人なので魂持って行かれるほど惹かれるってことはないかなあ。とにかく業が深そうな人だよねえ。
なんというか印象としては、単純に自分が好きというより自分が何なのか、女性としてどうなのかをトコトン突き詰めたいって感じのナルシストというか、たぶんこの人の人並み以上の容姿の美しさとは絶対に無関係じゃないだろうと思うんだけど、その分狂気が深いというか、常人じゃない感はすごくあるなあ。
ただ胡散臭いのは確かかな。会場にあったバイオグラフィーになんか余計な「物語」をくっつけてキャラ作りしてるって感じががあったし。
オレはこういうジャンル自体は素人だから、ひょっとしたらこの人よりも描ける人はいるんじゃないかと思うんだけど、こういうのって完全にビジネスの問題で、売り込み方と本人のキャラの問題だからなあ‥‥と思ってしまうというかなんというか。なんとなくそういうところが透けて見えるってこともあって、絵以外のところでちょっとノレない部分があるのは確かかも。
でも絵自体は大きいサイズで見られることと生のタッチを見るだけの一見の価値あるから、機会があればドゾってとこかなあ。単純に大きな絵で、タッチの緻密さを見るだけでも価値はあるとは思う。
あとふと思ったんだけど、この人の思う「女性性」ってイコール「子宮」だと思うんだけど、子供生んだりしたらまた考えかたが変わったりしないかなあ。もしくは子宮がなくなったりとか?(それ自体は別に無くはないことだと思うし)
そこら辺にどういう考えかたを持ってるのかは本人自体あまり良く知らないのでなんとも言えないけど、子宮があることの優位性が「女性であることの価値」だと思ってるフェミニズム的なところはあるから、それが無くなった時のほうが狂気に走りそうな気はするなあ‥‥と思うとちょっと期待してみたり。(というかオレ、この人って絶対レズだと思ってたから普通に結婚してるってことにビックリだよ)
そういや新作の兎口の女の子の絵だけど、 (=゚ω゚)の萌えキャラみたいな口をリアルで描くと怖いなあ…と思ったw