そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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平清盛#27「宿命の対決」

http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/
脚本:藤本有紀 演出:渡辺一貴
 
うっかりまた感想書いたような気になって放置してました。慌てて今日の土曜の再放送見返したとこw(録画はあるけど)
えーと最初にちょっと訂正しときますけど、今常盤御前のお腹にいるのが3番目の子(しかも常磐の3番目…w)牛若丸、つまり義経ってことなんですね。
なんか「あれっ?」と思って気がついたけど、オレ、なんだかずっと勘違いしてたよ。23話で、今いる子(今若と乙若か)が義経だと思ってたけど、よく考えたらそんな軽い扱いなわけないよね。というかこないだwiki見てて、義経って平治の乱の年に生まれたんだーとか思ったはずなのに。まあありがちありがちw
それより優しい子に育って〜って言われたのがどっちかわかんないけど、今若の方は義朝が死んだあと出家したけど荒くれ者として有名だったらしいね。それ踏まえての「優しい子」だったのか?w ひでー皮肉w
 
んで今回は源氏に幽閉された二条天皇後白河上皇を救出〜というか、清盛たち平氏に奪還されて源氏と平氏の立場、官軍と賊軍が入れ替わるって話だったわけですが(ざっくり言い過ぎ?)、何でかなーと思うのは、ドラマ的に何でその清盛たちが官軍になったところが盛り上がりのピークじゃないってとこなんだよな。
渡辺さんだから話の流れとポイント自体はとてもわかり易かったんだけど、脚本だけ見ると相変わらずまったりとしててメリハリがないストーリー展開だなあと思っちゃった。もちろんつまんなくはないんだけど。
といってもまあ前回からの話の流れとしてはずっと清盛VS義朝だから、前回のラストで「源氏を討つ!」で盛り上がったからには今回盛り上がるべきは最後の清盛と義朝の一騎打ちだろっていうのは理屈としてはわかるんだけど、なんかそこじゃない感が微妙にあるというかなんというか。
脚本的な筋を通すならこうなるのかなあーっていうか、源義朝平清盛の「ライバルである」という意味での重要さとしては、そう持っていっちゃうのかなあ‥‥いや、それはキャスティングからしても、話の剥がれからしても当然だとは思うんだけどさー(ちょい不満)
まあ今回のこの話のキモは、天皇上皇を押さえていい気になってた義朝が、信頼(塚地)のあまりのダメさにまったく気を配らず、他の朝廷貴族の危機感をも共有してなかったゆえに清盛にしてやられたってことなんだけどさ。
まあ貴族からしたら武士なんか平氏だろうが源氏だろうがどっちでもいいんだろうけど、自分らがそれを上手く使えないなら、ただの体育会系バカの義朝より(史実的にそうなのかどうかはともかくw)政治に通じてそうな頭脳派で、一応貴族の身分である清盛を選ぶのは無理なきことというか、どっちにしても義朝が単純バカだったからああいう事態になった‥‥ってのは間違い無いと思うの。貴族たちに恩を売ってうまくやる方法はいくらでもあったんだからさー。
事実、清盛はそうやって貴族に恩を売って、大義のもとに兵を起こしてるわけだし。

体育会系単純バカの頼朝と、日和見事なかれ主義の貴族たち、一部遊び好きの博打タイプな上皇様はいるものの、その中で清盛が頭を使った策略で上手いこと(この場合いい意味で)のし上がってそいつらを従えていくさまは大変面白いんだけど、惜しむらくは清盛が子供の頃からそういう機略に飛んでいたという描かれ方がまったくされていなかったなあーというのが残念至極。それこそ行動が全てな義朝と対比しとけば、今ここに至る状況も納得できてよかっただろうに‥‥義朝の勘違いライバルの空回りっぷりとかね。
まあ清盛は信西と気が合うってとこでそういう頭脳派タイプだったんだろうし、だったら朝廷や義朝とは見てるものが違いすぎるってのもわかったのになあ。せっかく逆算で子供時代からやってるのになあ‥‥(オレがこの脚本家さんを大河ドラマとしてはあんまり評価しないのは、そこをまるっと感情的ライバル論でしか描いてないから)もう少し論理的な組立あってこその感情的展開で盛り上がり‥‥という骨太展開で見せて欲しかったですよ。まあ今となってはしょうがないわけですが。
あとまあ再放送(つまり二回目)を見て改めて思ったのは、上の話の反対のことをいうようですが、官軍賊軍が入れ替わるとこよりも、むしろ義朝が平氏を追走したと思ったのに実は嵌められてた、追手をかけたら鴨川で平氏が待ち構えてた‥‥ってとこから一騎打ちまでの流れで、なんというか、清盛が思い描いたとおりに事が運んだことのダメ押し感というか、あー、これで義朝は終わりなんだなあ‥‥( ´∋`)という感慨深さかなあ。
もちろん子供時代からのライバルが、こんな形で敵味方として決着がついてしまうことの寂しさとか、そういうことを感じたなあと。
一騎打ち自体はあんたらどこで一騎打ちしてるの?という、なんつか、それアリかよ的なとこはあるんだけどさ。まああの時代って何度か一騎打ちシーンやってるけど周りに兵がいても手出しをしないというのがたぶん様式美として成り立ってるんだろうし、そのための名乗りであるとは思うからそれはいいんだけど周囲に兵がいないのは変だよね、でもいたら映像として邪魔だよね、というかなんというか(^_^;)
まあここら辺はぶっちゃけ脚本云々よりも、演出力と役者の技量の問題でライバル同士の戦いが見栄えがすればいいとは思うんで別にいいです。番組的にも見せ場だし。
ただまあ、あそこで清盛が義朝を殺さないで見逃したこと、史実はどうだったかわからないけど見てて思ったのは、清盛がこういう武士同士の、しかも年が近くて子供の頃からライバルだと思ってた相手の、まさに生きるか死ぬか、勝つことが正義で、負けたら後がないとわかってる戦いで義朝が負けて清盛が勝った、それを「無念」だと理解してるのは、実は清盛だけじゃないかなあという事で。いや、演出とか役者の演技もろもろでそう見えた‥‥ってことだけど。
義朝はどう見ても清盛がいうほど「負けてはならない、次のない戦で負けた」ということを理解してないんじゃないかってことなんだよな。(あくまでこのドラマの場合)
清盛の無念さ・悔しさを、義朝が本当の意味で理解してたとは思えないというか、それが心底わかるようならそもそも信西を殺してはないだろうと思うんで、最後の最後までこの二人はお互いを良きライバルだとは思ってたけど、その実際のとこはまったく同じものは見てなかったんだなあと、オレ、ちょっと清盛気分で悲しくなったよ。本当に義朝って、バカだよなあ‥‥( ´∋`)
だから清盛が義朝をあの場で殺さなかったのは、むしろこれから敗走して追い詰められていく中で、本当に自分がやったことの重大さ、自分がなぜ清盛に負けたのかということを理解して死んでいくための猶予じゃないかなーとか思ったり。だってあの一騎打ちの時に殺されてたらそんなこと考えるまでもなく単純に負けた=死としか思わないじゃん。義朝がやったことって、いろんな意味で清盛を裏切ったり、これからの世の中を変えようとしてたことを潰したりしたことなわけだから、その己のやったことの重大さくらいは身に染みてから死んでしかるべきじゃないかなあーと思うわけですよ。
清盛からしたら「ライバルが実は単純バカだった」ってのは、それくらい「無念」だったと思うんだけどなあ。オレならそう思うよ。

またまたどうでもいい話ですが、有薗さんの朝廷貴族は、本当に毎回ものすごく日和見貴族っぽくてキモくてイイね!(笑)
 
あーそうそう、やっと義経のキャストが来たよ!神木くんだったよ!またかw

これからの展開もいろいろ滾る! (*゚∀゚)=3 ムッハー