そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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平清盛#45「以仁王の令旨」

http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/
脚本:藤本有紀 演出:渡辺一貴
 
おおおおお〜〜、きたね、きたよね、破滅の予感!
冒頭からのこの緊張感のまま、延々と傍若無人ジャイアン清盛、そして平家の横暴な振る舞いを見せられつつ、虐げられてるらしい全国の領民たちの代表として各地の源氏の反乱を予感させて、そのままのテンションで次回はとうとう頼朝挙兵!(;゚∀゚)=3ムッハー
最期までいい続けるけど、やっぱり渡辺さんが演出の時は一本筋通ってて面白いなあー。
平家と清盛に対する不満が伏流水か地下水のように地下でいつの間にか太い流れになって、とうとうそれが地表に吹き出てくるというか、そういう不気味さもありつつ清盛たちの理不尽さをこれでもかと見せつけられちゃあ、どう見ても平家が悪者だよねー。
六波羅は、重盛がいた頃はともかく宗盛ダメじゃん。理想なき驕りはダメだね、やっぱ。部下の持ち物借りパクとかしちゃダメ。名前つけていじめてもダメ。なんて分かり易いパワハラだよ(^_^;)
清盛の方は欲に取り付かれてるということかしら。どんなにキレイゴトな理想も、世を良くする素晴らしい行いも、自分のわがままに見えたらだめってことやね。(もちろんダメな行いはなおさら)
清盛がどう思ってるのかはともかくとして、頂点に立つものとして領民を苦しめるのはアカンってことか。誰のための新しい国作りかってとこがいつの間にか自分のための国づくり、しかも思うようにならなくてイライラって、自分本位すぎる。年取ったら権力者はせっかちになるよな。
しかし脚本的にスルーしててちょっとわかんないのは、清盛って良いこともやってるはずなんだよね?普通の平民の描写が一切ないからよくわかんないけど。(今回小兎丸は何のために?)
このドラマの見せ方ってどうも一面的すぎるんだけど、まあこの先清盛を倒すべきものと見る源氏の側の理屈からしたら、「悪」でなきゃいけないんだろうけど。(小兎丸たちはどうすんの?)
頂点に立ったらやることがなくなったってわけでも無いだろうに、国づくりと言いながら明らかに自分のための酒池肉林的なとこしか見せてくんないしな。実際租税がかかったら国民の皆さんは大変なのはそうだろうけど、遷都なんか悪いことかなあと思うんだけど。まあ上手く行ったらって前提ではあるけどさ。
だって京(京都)より福原(神戸)のほうがいろんな意味でこれから発展する街だからってことなんでしょ?その通りじゃないのかなあ?反対意見がどこにも落ちてないから、時々よくわかんないよこの話。
明らかに困るのは京に今いる人たちなのは間違いないけど、何がどう困るんだという。このさい「前例」は関係ないとしてもね。あとまあ遷都自体が権力の象徴だってことかなあ。
とにかくその「前例」の件もだけど、傍から見たら清盛が無茶苦茶やってるようにしか見えないってのが問題ってことだよね。
一応それを伝え聞いた頼朝は、実際清盛を知ってるからこそ理解を示してはいるわけだろうけど、どちらにしても武士の世は揺るがないわけで、その頂点が平家か源氏かってだけだよね。
ぶっちゃけ頼朝からしたら、清盛が身分や制度が違うからこそ苦労して貴族から奪ったいろいろなものを、同じ武士という立場として「力で」奪い取れるんだから楽といえば楽なんじゃね?あとは戦に勝つか負けるかだしさ。そこにしても、戦という力と力のぶつかり合いの分かりやすさはあるだろうし、状況として追い風吹いてるし。
てなことできっかけは宗盛ってことで、とうとう源頼政が動いて以仁王の令旨が発令。
ここの演出カッコいー!バックにずっと低くタルカスのイントロが流れつつ京から伊豆へと令旨が届けられ、今まさに地下で水脈が集まっていくような緊張感と高まり!倒す相手としての清盛の存在がものすごく巨大に感じられる演出に高まりますよ!

あとまあ突っ込みどころとしては不遇の以仁王だけど、なんかちょっと思ったのは、王家に生まれたら是が非でも天皇に成らなきゃいかんもんなのかねえと。
崇徳帝もそうだったけど、王家の血筋だから天皇に成らないと生まれてきた意味が無いという世の中だから、結局何人もいる皇子たちが権力争いするんでないかなあ。それって不毛だよねーと思った。見切りをつけてさっさと出家すれば心穏やかだろうに、それだと自分の存在意義がないと思っちゃうんだねえ‥‥難儀な( ´∋`)
結局、清盛が見てるものを誰一人として共有してないから、頂点に立った清盛が一体何を目指してるのかさっぱりわからないし理解もしてもらえないまま、ある程度出来上がった武士の国家の覇権のためにこれから戦が始まるのか。まあ結末はわかってるけどさ。
そしてとうとうこないだまで引きこもりだった、どうにも武芸が怪しい頼朝が挙兵の決意をし、奥州平泉でまさに源氏のトップと思われてる義経がウォーミングアップを始める頃、清盛はどうしてるかというと女侍らせてグダグダで、一人孤独の暗闇に‥‥って、先週の覗き穴から何が見えるかというと、まさにその景色が見えますよってことか。わあ、これって乙前の呪いじゃね?
一番のもののけは乙前さんですよ、きっと(苦笑)
ところで盛国があんまり年取ったようにみえないから、なんか松ケンの清盛がやたら歳相応に年取って見えるだけになんか変な感じー。松ケン先輩はすげえなあ、マジで。
あとどうでもいいことなんですが、高倉天皇の千葉くんはこの先喋ることがあるんだろうかというかなんというか‥‥気になるよw