そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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八重の桜#33「尚之助との再会」

http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/
脚本:吉澤智子 演出:一木正恵
 
あれれ、なんで今回だけ脚本家が違うの?それとも気がついてないだけでそういうことあった?少なくともこの数回は確認したけどずっと山本むつみだと思ってたよ。珍しいな。
そのせいかどうかはわからんけど(でも山本さん脚本なら今までの事考えてももうちょっとうまく描けた気はする)、今回問題になった槇村が関わった小野組転籍事件についてはさっぱりわからんかった。これ、事件自体には触れなくていいのかな、槇村さんがヤバいことになって逮捕されたってだけでいいといえばいいような気もするけどね。そもそも杏で転籍を認めなかったのか‥‥ってのもドラマ的には突っ込むと八重さんには直接関係ない上に面倒くさいのかな。
でもまあ少なくとも誰が悪くてどうするのが正しかったのかは知りたいところだけど、結果こうなった〜ってことでツッコミ無用ってことなのかなあ。一応ググってみたからアウトラインはなんとなくつかめたと思うけど流れはさっぱり。
それよりもとりあえず今回の話は尚之助さんと八重さんが再開したってことか。史実にあった話かどうかはしらんけど、川崎尚之助という人自体がそこまで歴史的に触れられてないってことはそういうことだよな。
そしてこれから2年後に肺炎でお亡くなりになるらしいけど、あの咳はそういうことで、これが八重さんとの最後なのね‥‥(>_<)
まあなんとなく前回と同じく繋ぎの話っぽいな。
覚馬が言ってる破壊と再生の話から、小野組転籍事件の顛末がそうだと思うんだけど、それまでの武士の社会を壊した人とそこからまた再構築する人は別で、それって結局幕末にどういう役割をしたのかってことじゃなく個人の資質とか考え方の問題なのかなーと。
劇中的に八重さんの立場から見ればいい人で正しいことをやってるように思える西郷さんが、廃藩置県をしたのに未だに薩摩だの長州だの言ってる古い体制のままの人で、それって覚馬や槇村たちの新しい世の中を作ろう派の人たちにはもしかして時代遅れの人ってことじゃないのかな。
覚馬たちが陳情に行った木戸さんとこでの岩倉使節団のあのメンツの人たちは、薩摩長州公家の出にしても少なくともかつての藩の縛りは関係ないよね。まあそれが面白くないのが土佐・佐賀で、この人たちもやっぱり未だに薩摩長州はーって言ってるし。しかも朝鮮出兵が旧来貴族たちのガス抜きじゃあなあ。見るのはそっちじゃないってことか?その辺の薩長内部の意見の相違もイマイチよくわかんないんだけど、あの人たちの人柄から見るに一番まともなこと言ってるのは西郷さんで、一番ヤバ気なことを言ってるのは大久保さんってことで?それでいうと木戸さんはただの弱腰チキン野郎、岩倉は腹黒タヌキに思えるんだけどなw
そういう意味で急速にいろいろ学んできてる八重さんや今回は出てこなかったけど斗南藩の人たちはまだ壊したものにしがみついてる人たちで、新しいものを作るには学ばねばならないってのが結論だよなあ。
あ、八重さんは今はまだ覚馬の用意したレールの上でレールの先をまっすぐ見てるだけだけのように見えるから、自分で何かをやったわけではないんだよな。今一番正しい覚馬の言うとおりの方向しか見てないから正しいこと言ってる風に思えるだけだから、あの場でも山本覚馬という後ろ盾をもって木戸さんや岩倉具視に随分な口叩いてる怖いもの知らずとしか思えないけど(^_^;)
だからそういう八重さんが今の尚之助さんに会ったとしても、もう一緒に生きられないのは当たり前か。まあ尚之助さんくらいの人ならそれもわかってのことだろうから八重さんの思いつきいなして突き放してるし、だからこそあの別れのシーンは悲しくてしょうがないです。
ホント前回も言ったけど、八重が斗南藩に行ってたら違ってたよなあ〜とかいう話じゃなく、行かなかった八重さんの運の強さと言うべきかと。
だって勝手な離縁の手紙に勝手に怒ってたからこそ、尚之助さんの消息自体を調べようともしなかったわけだからさ。いやあの時代の通信・情報流通事情はわかんないけど、どこに行ったのかはわかってるんだから連絡取ろうと思えば出来たはずだよねえ。
そういう意味でここんとこの八重さんは、やってること自体はカッコ良さげに思えるけどどうもオレは言われた方しか向いてないお人形さんにしか思えなくてちょっと共感出来かねるかなあ。もう少し、鉄砲撃ってた頃みたいな自分の意志を持って行動し始めるまではいろいろビミョー。
この時代の急激な変化をその先が見えていた覚馬という兄を持ちつつ、八重さん本人は今までの描写からするとそういう情勢に人一倍疎いし時代の空気に鈍感、考え方としては一つのことに固執する頑固な人でしかないから、これからの展開に合わせて自由に生きる主人公として描こうとするとここら辺の展開はストーリーの都合で動く人形になっちゃうのもしょうがないのかしら‥‥と思っとく。