そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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ガッチャマン

http://www.gatchaman-movie.jp/
監督:佐藤東弥 脚本:渡辺雄介

 
ヤバいよこれ、どうしていいかわかんないくらいつまんない!
えーとガッチャマンの皆さんは何でもいいからとにかく仕事しろ!頼むから任務を遂行してくれよ!と大声で叫びたいレベル。
まさかこんなストーリー展開だとは思ってなかったというか予想以上に途中退屈でしょうがなくて、どうやってこの退屈さを紛らわせつつ最後まで持ちこたえるかってとこに頭使って集中できなくなりそうだったけど、なんとか持ちこたえた。でも終わって思わず笑いがこみあげてきたくらいどうしていいかわかんない!
ネットで散々デビルマン級って言われてるのが嫌でも目に入ってくるんだけど、デビルマンにはまったく及ばないから安心して。あんな破壊力ないよ!でもCASSHERNと比べるのは失礼。あんなに出来良くない。これはせいぜいゼブラーマンよりマシだけどヤッターマンよりはつまらないくらいだよ。まじめに考えても何がいいたい話なのかさっぱり。
見たいわけじゃないけど目に入ってくる感想で変身しないとか装着シーンがないっていう文句もあったけど、そもそもガッチャマンってそういうヒーロー物じゃないよね?そこはさすがにないものねだっちゃいかんよなあーと映画を養護したいけどさ。
でも正義とか悪とかいう話じゃなかったし、健の「悪党ども」っていうのがどこにかかってるのかもさっぱりわかんない。ギャラクターって「悪党」レベルの敵か?
いろいろ酷すぎて、最後の「掟より仲間を守れ〜」とか「1000万の人間を助けるために一人を犠牲に〜」とかまるで頭にはいらない。そもそも健の人間性ってそんなに描かれてないと思うよ?仲良しグループだから見捨てないってこと? ('A`)
 
ガッチャマンはリアルタイムでアニメ見てたしわりと好きだったんだけど、記憶もだいぶウロなのでそこら辺で原作と違うとかそんなことは思わないんだけどさ。
原作アニメってテーマ的にはわりとシリアスなことやその時の社会問題とか扱ってたけど、キャラ的には戦う運命にある若者たちが、それでも普通の若者でいたいということで悩む、そういう等身大な部分と任務のはざまの苦悩があったと思うんで、別に色恋ネタが入るのはいいんだ。
でもこれは、突っ込みどころありすぎて一言では言えないけど、痴話喧嘩とか昔の三角関係とか人生の意味がーとか育てのおかんの為に除隊とか手料理食べさせ隊!とかどうでもいいから仕事してくださいお願いしますよ!と心の底から思った。しかも結局話のメインが三角関係の痴話喧嘩。締めが手料理頑張る!だし竜の除隊の話どうなった?みたいな深みのなさ。
まあいつもの渡辺雄介脚本だといえば全力でYES!と言うけど、それ以外いいようがない。どうして毎回こんなにキャラクターが描けないのか。
この映画のキャッチコピーは「その力は、正義か、破壊か―」みたいだけど、どの辺がそんな話だった?そもそも彼らの戦いに正義とかってあった?正義って描かれてた?
選ばれたエージェントとして戦いに明け暮れる青春はいやだ、もっと普通の若者のように青春を謳歌したいっていうならまずいわれたとおりに任務を完璧に遂行しようよ。そのための組織だし集団だよね。実践初投入のそこでうだうだいうレベルの組織なの?そこら辺、監督や脚本家的の認識として根本的に間違ってるとしか思えない。
そもそも二時間もあるのに戦闘・アクションシーンは最初と最後だけ!ベルクカッツェの正体なんか「女だ」って言われた瞬間に思い当たるし。
初めての任務が冒頭で、その後ギャラクターの亡命者(中村獅童)を確保するための潜入任務はあったけど最初と最後しかアクションなし、戦闘なしってどうなの?
つーかおまけに確保に行った相手を恨みで殺そうとするとかどゆこと?まずちゃんと仕事してよ!
このプロットもどうかと思うけど、渡辺雄介の脚本が相変わらずセリフでの説明が多くて退屈すぎる。
その割に肝心のキャラの心情は表面的にしか描けてないから、ストーリーが全然心に響かない。それどころか何やってるのかもわかんない。
個人的な話をやってもいいんだけど、その前に映画として8百万人に一人とかいう適合者のうちの更に特別なエージェントとしてのガッチャマンたちの働きっぷりは見せようぜ。自分らの境遇に文句言うのはその後にしてくれ!って感じ。
あ、ジュンがあまりにもスイーツ頭で任務中に元カノの話聞きたがったりハッキング中に有名料理店のレシピがどうたらとかお前のほうがイカれてるよ!と思わんでもないんだけど、これ「おはよう忍者隊」のジュンの実写版ていうならそれはそれで正しいのかも?って気はしてきた。(←ねーよ、絶対ねーよ!w)おはよう〜のジュンって常にあんなだよね!(笑)
まあ細かこと言うとキリがないけど、冒頭のアクションにしても純粋にガッチャマンのアクションだけ見せて欲しかったなあ。変に世界観や状況の説明セリフ被せるからそっちが気になってアクションに集中できないよ。これアクションものでしょ、根本的に考え方が間違ってる。脚本も演出も間違ってる。
あと気になったのはサスペンス的要素のぶっ込み方も間違えてるよ。仮面舞踏会への潜入程度にものすごく時間かかってしかもハラハラさせてるけど、あの程度が簡単にクリアできないってエキスパート集団として間違ってるだろ。そこ、映画的にも手間取るとこじゃないから。ハラハラさせるんならそのあと、確保するときに情報が漏れて敵が襲ってきたとか入れようぜ?ジョーが任務に反して殺そうとするとか論外。
しかもどうして甚平がハックしなきゃいけないのか意味不明。あの状況ならISOのバックアップ部隊にやらせろよ。あいつら5人と博士だけで戦ってるわけじゃなかろうよ。
冒頭の巨大車輪の中での作業ならまだわからんでもないけど、それもなんでジュンがあんなに手間取るのか‥‥サクッとミッションコンプリートしてまずは優秀さを見せようぜ?あれじゃエキスパートどころか無能集団だよ。
まあ一例としてはそんなとこだけど、ホントにもう謎すぎる。
あ、それからギャラクターが何なのかって結局設定以上には説明されてないよな。現れて侵略始めてから13年のあいだ、人類は何してたんだってのも謎。しかもあの状況で共存してるの?謎。
あと亡命したイリヤがカークランド博士(光石研・なぜそのキャストで横文字名前?)を拉致って逃げるとこであまりにもISOに職員いなさ過ぎ。しかも結局あれ、ベルクカッツェの変装だったの?じゃあ本物は?というかそもそもギャラクターを裏切って情報と引き換えに亡命したいって申し出てきたくせに、情報渡したら殺されるから渡さねーとかい意味不明すぎる。なんなの?
石の力で選ばれた適合者にしか感染しないギャラクターの変異ウィルスXって、結局なにかのメタファーってわけでもなかったんだーというとこも、見終わってちょっとぼんやりした。何だったのこの話。
ギャラクターって結局進化した人類なの?宇宙からの侵略者でもないの?総裁Xはいないの?もとは人類なのになんであんな要塞とか作れたの?
 
映像的にもダメな方の邦画クオリティ。ライティング悪すぎで合成が目立つし背景のっぺりしてるしで、Vシネかと。
肝心の白組のお仕事は画面がぼんやりしてる分実写ヤマトよりレベル低い。これぶっちゃけリュウケンドーレベル。いやあれは7年前のTV特撮としてはすごいレベルなんだけど‥‥頑張っていると思うしさすがは白組だからクオリティは高いけど、いやこれの前にパシリムとスタトレ見たのが悪かったとしかw
要塞とかデカい車輪とかデザインはカッコいいし、VFX自体は頑張ってるけど、だからそれが存在する理由となる背景をだなあ…嘘の付き方が下手すぎる。
 
とりあえず感想としてはそんなとこかなあ。あ、キャストはいいんじゃないでしょうか。
別段原作アニメのキャラクターイメージには囚われないんで、健の松坂桃李はもとよりジョーが綾野剛でも問題なし。
でもなんか竜の鹿児島弁はうざかった。役どころとしてあんなもんなのは、鈴木亮平はもっとデキる子なのにもったいないと思うけど。そういや竜の無理やり連行されたって設定必要か?普通に親か仲間をギャラクターに殺されたでいいんじゃね?あえて適合者としての忠誠を誓えない設定にする意味が分かんない。
ジュン(剛力彩芽)と甚平(濱田龍臣)は姉弟だってのは必要だったのか?ハッカー姉弟ならそれはそれでもっとちゃんと二人一組的な使い方しても良かったんじゃなかろうかと。上でも言ったけど剛力さんのジュンはおはよう忍者隊のジュンなので、スイーツ女子でも問題なし(笑)むしろあの口調で喋ってくれたら腹も立たんかったかも。だってウザかったのは確かだし、とにかくまず仕事しろと(^_^;)
あとさ、ナオミ(初音映莉子)と健とジョーが三角関係っていうんだけど何がどうなってジョーとナオミが婚約したのかもよくわかんなかったし(ここもプロポーズは任務終わってからにしろよ!としか)、年齢的に考えて健とナオミってのはねーよなあ。なんで初音映莉子だったんだろ?
この映画で一番良かったのって綾野剛だよな。プロポーズのとこはやたらカワイかったし、ベルクカッツェ姿もちゃんと見せて欲しかったくらい。あのままベルクカッツェになってもよかったのに。
岸谷五朗は余すところなくアニメから抜け出たように南部博士だったけど、しかし南部博士の仕事してなさぶりもすげえ。あいつ何もしてないよな?
 
あと映画前の「おはよう忍者隊」は大変面白かったです(笑)映画の最後にもオチとして付ければよかったのに!よかったのに!あのエンディング後のジョーのあれいらないから!
いやマジで我が目を疑った。あんなんくっつけるってバカなの?レベルの愚行。どういうつもりなんだろ。(いいけど隣の女はED始まったとこで帰ったぞw)
そもそもギャラクターウィルスに感染した人間がどうなるのかとか、ウィルスであるなら抗体とか治す方法ないのかとか、そこんとこ突っ込んでた?なんか記憶にはないんだけどさ。13年間ISOの人たち何やってたの?それなしにあのオマケ映像って、意味がわからない。だって感染したってのは確かだろ。ジョーに抗体を投薬してウィルス死滅、ギャラクターにはならなかったっていうラストで、あのオチならわからんでもないけど?石の力とか曖昧すぎるし。脚本がほんとにダメすぎるわー。