そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

47RONIN(3D・吹替版)

http://47ronin.jp
監督:カール・リンシュ 脚本:クリス・モーガンホセイン・アミニ

 
どこからかの指令を受けてなんとなく吹き替えで見てきたんだけど、吹き替え監修は冲方丁なのね。日本人キャスト多いから吹き替えでもいいかも。次に見ることがあれば字幕版見てみるよ。
ただ3D効果はあんまりなかったから普通に2Dでいいと思う。
 
んでこれ、興収ヤバイらしいけどスゴい面白かったよ!ロード・オブ・ザ・リングLOTR)の世界の神秘の国・ニッポン国の話…みたいな忠臣蔵。時代劇じゃなく完全にファンタジー映画!いや時代劇も(日本人はそうとは意識してないだけで)ファンタジー映画なんだけどね。
なんとなくネットで「考証ガー」とか「トンデモ映画ダー」とかいう感想がチラチラ見えてたけど、LOTRがOKでこれがダメとかよくわかんないよ!あれと同じだよ、みんな見に行ってあげてー!普通にスゴいファンタジー映画だよ!? *1
昔なら林海象の「ZIPANG」、最近なら紀里谷和明の「GOEMON」の路線。きりきりの映画が和風を一生懸命無国籍にしてるのとは逆に、外国人から見た日本のファンタジー部分を増幅して中華もちょっと混ぜつつクールにカッコよくした感じ。まあそのへんのセンスを良しと思うかどうかは人それぞれだと思うけどオレは好き。
だから思うんだけど、文句言ってる人たちがなんで架空のイギリスやヨーロッパが舞台の伝説を元にしてアレンジした西洋ファンタジーが良くてこのファンタジー忠臣蔵がダメなのか、マジでわからない。どこ見てんだよ。かなりストーリーに改変は入ってるけど、ちゃんと大筋は忠臣蔵で、細かいとこで日本文化の考証が(たぶん)忠実に再現されてるよ。
あのちょっと異世界感漂う美術設定も結構考証に忠実な本物くさいよ。あの時代がよくある時代劇みたいに明るいわけ無いじゃん。まあ魔物が住んでそうな魔界風の吉良の城と城下町はどうかと思うけどw 城の中の美術設定とかスゲー好みにカッコイイ。
そんでオレ、最後うっかり泣いた!本当にLOTRがOKでこれがダメな理由がわからんくらいにLOTR世界のニッポン国の忠義なサムライの話だった。全体に出来いいよ?
 
オリキャラwのカイ役のキアヌは寡黙でカッコイイし、大石内蔵助真田広之も、吉良の浅野忠信もとてもいい。キアヌのやってるカイが外人なのも(実際はハーフ)鬼子と言われてるのも普通にわかる。天狗はもちろん異国人のことだろうし。
正体というか元ネタはたぶん玉藻の前だと思うけど(狐に变化してるし…と思ったけど名前からして「蛟」ってことなのかな、最後のがホントの正体かな)吉良をたぶらかす妖術使いのミズキ役の菊地凛子は、絶対こういう使い方が正しいよな。この作品で一番良かったのは菊地凛子
柴咲コウも美しかった!オレいつも柴咲キライって言ってるけど、こういうあまり演技が必要なくてある意味エキゾチックな顔立ち&ただいるだけでそれなり存在感があって美しいと、あのキアヌと並んでも見劣りしないもん。素晴らしく美しかった。あのヘンテコな着物も良かった。
ただ赤西はどうでもいい。てか実はあまりに棒なんで見てるあいだ「あの大東に似てるけど演技してない下手くそなイケメンは誰だろう…」とずっと思ってたよ。エンドクレジット見るまで赤西だって思い出さなかったよ。顔立ちが似てるならむしろ大東にして欲しかったです。マジで。
どうでもいいけど将軍様はどうやっても田山涼成に見えて仕方がなかったよw あの将軍はなんつーか相当に将軍綱吉ではなかった。あれはさすがにどう解釈したらああなるのかわからんwww相当に中国風(苦笑)
 
世界観もいい感じにちょっとだけ中華入った和風ニッポンが大変好みで良かったです。まったく普通にハリウッドのファンタジー映画。
これ、江戸時代だと思うといろいろ違和感だけど、世界観的には平安ファンタジーくらいに思っててちょうどいいくらいじゃないかな。竜とか麒麟とか出てくるし。冒頭のカラフルなやつは麒麟だよね。ミズキが九尾の狐の本性を現したり鵺とかも出せば良かったんでないかな?というかLOTR世界(からはたぶんちょっと時代が下って人間の統治する時代だと思うの)のニッポン国ならきっと土蜘蛛とかもいるはずw
出島の番外地っぷりも西洋ファンタジーの港町くさくて良かったし(まるっきりパイレーツ・オブ・カリビアンwww)、ああいうのは面白いと思う。日本人には出てこない発想かとw というか一瞬どこだ?と思ったけど、赤穂は兵庫だから長崎の出島までは近いんだよね。
映像はカイが師のところに戻るとこのアクションやミズキの变化とかまさにハリウッドクオリティのVFXでカッコよかった。
もちろん真田広之の殺陣アクションもカッコイイし、映像や画面のクオリティは素晴らしいです。遠景が時々ちょっとチャチに見えることがあったけど問題なし。
 
お話もこれで全然良かった。忠臣蔵はざっくりと知ってる程度だけど上手くファンタジー的に脚色してるし(そもそも吉良が妖術使いにたぶらかされて天下取りを狙ってるって時点で改変ファンタジーだよ)、吉良に嵌められて切腹させられた主君の仇を討つ話として何一つぶれてないしね。最後は当然全員が切腹覚悟で吉良を討ったっていうことと、カイとミカの悲恋も回避できないってことでいろいろちょっと泣けた。来世で会えるといいね。ステキロマンチック! (*´∀`)=3
そういや西洋のお話にああいう切腹的な身の始末のつけようってあったっけ?どんなに頑張っても全員死ぬことを免れないってのを分かった上で戦いに挑むのを見てるってのもなんか切ないよ。
あと改変と言えば、原典では12月の雪の日の討ち入りを4月の桜にするのもセンス良かった。画面に飛んでる白いものは雪ではなく桜ってことで。しかも桜の下の四十七士の切腹とか、いろんな意味で日本をわかりすぎてるよ!美しい!
ただ大石たちが吉良を討った理由として、彼ら自身が弁明することなく主君の仇討ちだっていうのはいいんだけど、それとは別としても吉良が妖術使いにたぶらかされて天下取りを企んだってことを将軍はちゃんとわかってるってのが欲しかったかな。全員切腹といいながらもそれで一人だけ残すならよりわかるし。
全体にはちゃんと忠臣蔵に忠実なんだけど、討ち入りのシチュエーションが違うからどうなるのかとハラハラしたし、アレンジ上手いと思うけどなあ。その改変が上手いから大石もちゃんとダンダラ服着てたし。あのまさに吉良を殺さんとする余興のシーン、結構ドキドキハラハラしたよ。
とにかく面白かった!

そういや47RONIN吹き替え版って日本人キャストはみんな自分の声当ててるんだよね?妙に違和感あったんだけど(口パク合ってないから?)なんでか出合くんだけは違和感なかったw さすが戦隊で鍛えられてるからかなあw(あ、そういや声だけならキアヌが森川智之さんだからトリンと鉄砕かw)

*1:うっかり見ちゃったけど、相変わらずYahoo!映画のレビューが酷くて泣ける。あそこに書き込んでる奴らは本当に頭の悪いモノ知らずのバカどもだ。