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ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係#9「越境」(終)

http://www.tv-asahi.co.jp/border/http://border-project.com/index2.html
脚本:金城一紀 演出:橋本一 原案:金城一紀
 
昨日の夜のTLがざわついてたから何があったんだろうと思ってたけど、最後の最後はちょっとビックリしたよ。まさかそこまで行くのか。
もうちょっと、先週の感想でちらっと言ったくらいの、手に入れた「力」をどうするのかって程度の葛藤で終わるのかと思ってたけど、まさか「あっち側」に行っちゃう話とはね。
ただまあ安藤(大森南朋)が殺人を認めたとこで「ダークナイト」のジョーカーとバットマンな話になるのかとは思ったんで、ビックリはしたけど話としてはこれはこれで良し。
でもさ、越えちゃったら結論は出ちゃうんだから、この話はここまでだよな。

ただドラマとしては、もう少しその前までに前振りがあっても良かったかなーって気はする。布石や伏線は確かにあったけど前振りはないよね。ないからビックリしたんだけどw
頭の中の銃弾と能力をどうするのかって話と石川の人となり、警察内でのポジションや人間関係の話をやってたのにいきなり正義と悪の話で落とされても、関係ないとは言わないけどそっちのボーダーラインを超える超えないってのは本当ならまた別の葛藤だろうと思うんだよ。
偶発的に得た能力を使った刑事の仕事の線引きを、行き過ぎた正義と絶対的な悪の対立にもっていくために安藤みたいな自覚的な悪を持ってきたのもお話としてはかなり恣意的だし。

てかそもそもがバットマンが一線を越える話をやりたかったんだろうなー。みんなダークナイト好きだなー(笑)
でもあれは越えないからこそ哲学的なんだけど、BOADERは、石川の場合は絶対的な悪と絶対的な正義がコインの裏表だということに気がついてなかったからこそ、あの瞬間に挑発に乗ってその境界線を越えてしまったと見るべきかしら。そういう意味では石川は弱かったんだと思う。彼は「過剰な正義感は悪と同じ」だってことに気がついてなかったというだけなんだよ。班長にも言われたのにな。
安藤の言ってることは詭弁なんだけど、それを聞いて動揺しちゃう石川が迂闊というか、覚悟が足りないというか。でもその弱さも「人間」というものだと思えばそういうものなのかしらねえ… (´・ω・`) 
絶対的な悪はあっても絶対的な正義はありえないものなのか。正義が絶対的になった瞬間悪と同じものになるし、人間の本質が悪だとすれば、どうやっても常に悪の方が一枚うわてではあるんだけどさ。(オレはそう思う)
だからいつでも正義は「揺らぐ」し「迷う」し、「地に堕ちる」んだよ。
 
それにしても今回の話、子供殺すのはアカン。さすがのオレでも泣いた(´;д;`)ウッ…いやお母さんの気持ちが実感的すぎるこの流れが辛すぎる。お母さんの演技も、あの子の「ありがとうも」な… (´Д⊂ヽ
そして最後の犯人が大森南朋ってとこが良かった。来るべくしてきた最後のキャストw
一見普通っぽくて地味でいい人にしか見えないなのに(会社の人は若い人って言ったけど若くねーぞw)だからこそ常軌を逸してる度合いが高いというね。どう見ても見るからに頭のおかしいジョーカーさんとは違うアプローチだけど、同じくらいに狂ってるよね。
ただ彼の言うことも単に正義と悪という対立だけの「光と闇」じゃなく、彼があの子を殺したからこそ世の親たちへの啓蒙になったってのはある面では真実だよね。無垢なる存在になったって言い草はともかく(怒)
彼みたいな闇があってこそってのは、あっちゃいけないけどないと光が見えないってのは間違ってはない気がするから困るんだよ。
まああそこで彼が死んだから今後の被害はないよなあと思うと、それはそれでよかったんじゃないかな。完全な悪のためなら死ねると思うんなら死ねばいいよ。
最後は当然くると思ってたし。というかそこでそいつ殺したら後ろからしたり顔でやってくるよ石川サン…って思ってたらそのとおりにやってきたし(^_^;)肩叩かれたけどホントは触れないはずだよね、あの子に指切りできないって言ってたし。
 
これ、その後を考えるに、現実的にいえばまあ石川は辞職かなあ。そのつもりはなくても変な言動の前振りもあったことだし、精神錯乱ってことになるだろうね。だからあとは石川本人がそこから立ち直るかどうかの問題かしら。そのまま闇の世界に行っちゃって死者の声を聞きながらその無念を晴らす殺し屋をやるも良し、赤井みたいな闇の協力者になるもよしってとこか。
いや安藤を突き飛ばしたのを事故扱いにしてもみ消すって手もあるよな。鴨川管理官の事件のあとだしさすがにマズイでしょ。石川が刑事を続けられるかどうかはわからんけど。
まあボーダーラインを超えたら普通は戻ってこれないけど、そもそもが石川は生き返った逆越境者だし、もしかしたら今後何かあるのかもなあ。

とにかく石川の今後のことを考えるとこの終わり方はいろいろタマランなー、超萌える (*´Д`)ハァハァ いいドラマだ、とてもいいドラマだったよ!
おまけにいつのまにかサイ&ガー君たちが石川のことを「石川さん」から「安吾くん」って呼んでたし!名前呼びのお友達が出来てよかったなw
越えちゃった安吾くんをサイ&ガーくんたちはどう見るのか、できればずっとお友達でいてあげて欲しいなあ… (´・ω・`)
これのオグリンは本当に良かった。久々のめっちゃ好みのオグリンだった!スバラシイです (*´Д`)ハァハァ
さすがの川井憲次サウンドはとてもいい!あとは早くサントラ出してください。ムック本もお願いします <(_ _)> ペコリ
いろいろ想像の余地のあるいい終わり方だったー。できれば続編とかはなしにw
 
視聴率も上がって良かったー

もともとこの枠は面白いドラマ多いから視聴率いいもんな。最高視聴率だけだと今んとこ花咲舞に続いて2番目か。