そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

インターステラー(2回め)35mmフィルム上映

http://wwws.warnerbros.co.jp/interstellar/
監督:クリストファー・ノーラン 脚本:クリストファー・ノーランジョナサン・ノーラン

 

前回の感想(http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20141122/p2)に追記しようと思いつつ放置したまま2回め鑑賞。
 
2回めはフィルム上映で。デジタルよりは画面に統一感があった気がする。フィルムが良いかどうかは好みの問題?字幕とかちょっとボンヤリしてるしw
でもこれって知らないで丸の内ピカデリーで見た人は否応なくフィルムってことよねえ?オレは一回目はIMAX(デジタル上映)で見てるからいいけど、それっていいのかなあ (^_^;)
まあ否応なくフィルム上映っても10年くらい前の状態ってだけだけど。デジタル上映っていつから当たり前になったっけ?都内だとバルト9が出来た当たりからじゃなかったっけか?(2007年くらい?)
監督がフィルムにこだわりがあって…という話だけど、だから全体的には昔風の輪郭がちょっとぼんやりした画面。
一番の違いは奥行き感に欠けるってことかなあ。やっぱりクリアーでシャープなほど奥行きは感じられると思うし。(でもノーラン監督の映画は特にそういう美麗な映像でもないからそもそも問題なしというべきかw)
すでに記憶がうろ覚えになってるけど、IMAXで見たとき気になったのはそこなのよね。違和感あったってことは覚えてる。VFX部分はともかく役者さんメインの画面は当然わりとクリア。でも宇宙船周りの映像が昔風のちょっと荒い映像というか、それこそ昔のNASAとかのドキュメンタリー映像みたいな粗さで、「ゼロ・グラビティ」の硬質でクリアな画面とはまったく逆。暖かみがある懐かしい映像といえばそうなのかも。
まあそれが監督の好みというなら、むしろ違和感なのはクリアに映ってしまう役者たちの映像のほうか?(苦笑)
そこんとこ、IMAXデジタル上映だとはっきりと違いが出てたように思う。
どちらがいいのかどうかは本当に好みって話だけど今となっては貴重な機会だし、監督の望む映像がフィルム映像というならそちらを見てもいいんじゃないかな…という感じ。フィルムのほうがニュアンスはあると思う。
 
一応ネタバレにならないくらいに感想追記。
2回目はストーリーわかっててもやっぱりちょい泣けた。てか今回は話知ってるだけにお父さんの出発でもう泣けた( ノД`)
しかしインターステラーは予告編だけ見てたら一体これは何の映画なんだろうと思いながら劇場に行き、主人公が出発する下りまでで1時間だしどうオチをつけるんだろうと思いつつ、そこは途中で気がついたにしても論理的だけど力づくのストーリーに引き込まれるというかとにかくすごいとしか。
家族愛も見てて切なくなるけど、どちらかというとやっぱりSFなことのほうが大きかったかも。細かいことは上映中はそこまでわかんないんだけど、まあだいたいなんとなく、かな。(一応オレもそこそこSF教養はある…はず)
ラスト近くのクライマックス、宇宙の彼方の父親の状況と地球の娘の状況、双方が盛り上がりを見せつつ交差し畳み掛けるように一点に集約していくのはものすごく快感。難しいミッションをこなすクーパーの状況も緊迫感溢れてて手に汗握るし。
それにしてもやっぱり教授が引用してたディラン・トマスの詩、「穏やかな夜に身を任せるな。老いても怒りを燃やせ、終わりゆく日に。怒れ、怒れ、消えゆく光に」はなんとなく、とても実感的。
どんな過酷な状況に追い詰められて終焉を迎えようとしても最後まで諦めることなく抵抗し、抗うこと。まさに現代日本で端的に言うと安西先生の「諦めたらそこで試合終了ですよ」に近いものがあるようなw
抗う方法があるにしてもないにしても、ないならないでないことに怒りを燃やし続けるべきなのか、その間際に真理にたどり着くことはあると思うよ。クーパーにとってはそれがあの5次元空間じゃなかったのかなあと。時間も空間も超越するものこそが「愛」なのかと。
 
まああまりにも説明してくれなくてちょっと疑問に思ったのは、最後、ワームホールはどうなったのか、未だあるのかってことと(主人公のその後に関係してるので言えませんが)、どうやって地球の危機を「重力で」解決したのかってこと。
危機の解決もしくは回避は、この映画の物語自体には必要ないのかもしれないけどそれにしても説明なさすぎというか、少なくとも「SFを見るつもりで来てない」人たちは気になるんじゃないかって気はするが。
重力が時間という特性に影響受けないってのはジョジョ第6部でもネタとして使ってたよね、プッチ神父のくだり。今の流れなのかしら?w
面白かったのはTARSとCASEというロボット?モノリス的でありいかにもロボット的に歩くかと思ったら、緊急時には回転し、走るときは馬のギャロップのように走る、なんという素晴らしいデザイン!萌えー (*´Д`)ハァハァ しかもCGじゃなくその場で操ってるパペットってどゆこと!?(笑)こんなアホな拘りがあっていいのか?w
あとマン博士のとこの壊れてたKIPPって、この映画に協力してるキップ・ソーン博士からとったのかなあ?(じゃあ他のやつの名前は?)
それとなにげにいいのはハンス・ジマーの音楽。インセプションの時のやたらジワジワくる印象的な音楽と違って、静かだけど音圧というかすごい押しの強さを感じるというか、実は予告編を見た時から泣きそうになったのはこの音楽のせいなんだよね。この曲聴くだけで泣けると思ってたけど本編でもやっぱり泣けるよ (/_<)
この映画、何度見ても3時間という長さを感じさせず何回見ても面白い気がするけど、話を説明しすぎてないせいかもしれん。話にしてもキャラにしても、映画自体でこうだと結論出してないから、見た人それぞれで感じ取る部分に余地があるというか。
とにかくまあ、この映画に向き不向きな人はいると思うけど(またヤフー映画のレビューを見てしまったw)、少なくとも傑作といっていいと思う。こんなわかりやすい映画をわかんない人は見なくていいよ。心が豊かになる映画だったですよ。
 
あとこれはいい記事なので張っとく。撮影や映像の技術的なことも載ってるし。

 
更に追記。まるっと映画のネタバレしてるけどとてもわかりやすいSF考証と理論解説。