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脚本：奥寺佐渡子 演出：塚原あゆ子 原作：湊かなえ
ああ、なんかもう、もう…って感じ（；´Д｀）
間の悪い西崎さんは間の悪いままだった。というか、言っちゃなんだけどもうほとんど自業自得だとしか思えないんだけど。
彼が安藤にあんな事言わなきゃ安藤はドアにチェーンを掛けたりしなかったのに。
そして本当の本心なのかどうかもわからない、奈央子さんの頭の悪いことと言ったら…（；´Д｀）なぜこの期に及んで希美が野口さんとどうこうとか言い出す？いやそこは本気でそう妄想したんだと思うし、西崎とのことも本気で傷を舐め合って気持ちが通じていたんだと思うけどね。ただこの演出というか脚本？がそこまで突き詰めて考えてない感はあるような。結果としてもそういう描写でもなさそうに見えるしなあ。
とにかくこの事件の何もかもの元凶は土壇場での奈央子の翻身 だとしか思えんのよね。
まあ野口さんのDVは奈央子さんがそれを受け入れてたとしても許されないし、西崎さんはヒロイックに酔いすぎて好き好んでそれに巻き込まれたというか引っかかったんだけど。彼もまた贖罪の場を求めて生きてた人だからしようがないのか（；´Д｀）
ただその奈央子の罪を被ることで西崎さんが救われたんだとしたら、それはそれでっていう話なのかもなあ。
描写としては微妙な奈央子さんの土壇場での気持ちは、西崎さんがDV母と重ねてそれを「愛情」だと受け取ったんだとすれば、それが彼にとっての「真実」だ…ってことなのか。
そしてあの場で何があったのかをすべては知らなくても、自分の役割を理解して希美を無条件で庇う成瀬の覚悟の美しさよ。おおお…
なんか本当に西崎さんは自業自得、奈央子さん頭わるすぎだし無意識に周り巻き込みすぎ、安藤の何も知らなさ、希美の自分が何とか出来ると思ってる自分勝手な傲慢さ等々呆気にとられてしまうこの事件の顛末、あまりにも愚かな顛末すらも無条件に美しいと思えたのは成瀬くんのその覚悟だよ。
純粋に他人のため、Nのためだけに行動したのは成瀬くんだけかしら。かな？
罪の共有は愛じゃない、ただの自己満足だっていう安藤のいうことは正しいと思う。でもそうすっと、その彼を彼に知られずに守った希美のやったこともまたただの自己満足なんだよな。安藤がそのことに思い至ったという描写はないから（脚本の突っ込み不足だとは思いたくなが）たぶん安藤はそんなことに思い至らないくらいに健全でまっすぐに単純で、自分がちょっとした嫉妬で希美を試したことが何を引き起こしたのかに思い至ることはないんだよなあ…（；´Д｀）あ、チェーンのことは気がついてたのかな？タイミング的にはあれのせいで逃げられなかったんだけどそこまで突き詰めて考えたって感じでもなさそうだったけど。（でも成瀬くんは気がついたんだよな）
でもそういう安藤であることもまた希美の望むことだったんだよね。
でもなんだかんだ言っても他人に頼りたくないと言って癌で余命宣告されたことは安藤なには言わないまま、魂の片割れの成瀬を選んだ希美もそれはそれで、最後は自分のために生きたってことか。
というか、お母さんもちゃんとまともになってた良かった。本当に良かった…お母さんとちゃんと和解出来てよかった。
もし希美が癌で余命宣告されてなかったら別の生き方もあったろうけど、まあその辺での一人で生きる覚悟があったから、原作にない10年後の今の話が美しくまとまったってのはあるかも。いいけど番組のアオリで15年後っていってるけど、話の発端からは15年かもしれんがどちらかと言うと「事件から10年後」だと思うけどなあ？
あ、高野さんと奥さんは、ほんとにもう今さら真相は公にしても仕方ないことだと思うから、それこそ奥さんの罪を共有して黙って、二人でそれを抱えて生きていくことが愛なんだと思うよ。（だからといって高野さんに落ち度はなにもないと思うけどさ）ちょっとホロリ。
希美はとにかく野バラ荘も含めてすべての「Nのために」秘密を抱えて余命を生きることで、やっと成瀬くんと生きてもいいという心積もりになったってことなのかな。ああ、すべてを知らなくてもそれを受け止めてくれる成瀬くんの覚悟は本当に美しいよ… (´Д⊂ヽ
あとま、どうでもいいけど榮倉さんは余命宣告されすぎ（苦笑）余命宣告されてもあんまりかわいそうに見えないからいいってのはあるけど、あまりに元気すぎてどうかと思うよ。演技力がないならせめて気持ちでカバーしろよ… ほんとこういう時は榮倉さんの起用はどうかと思うよ。あまりにも演技に心がなさすぎる。
このドラマは、好みのドラマとは違うけど今期一番くらいに出来は良かったかも。見応えあって面白かった。
