そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ベイマックス(2D字幕)

http://www.disney.co.jp/movie/baymax.html
監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ 脚本:ジョーダン・ロバーツ、ドン・ホール

 
ベイマックス見やした。ヒロかわいいよヒロ (*´Д`) ハァハァ
もーマジにヒロのキャラのビジュアルデザインも性格もちょーツボで好み!エンディングのコミック絵がメッチャカワイイ!(*´∀`) =3
ベイマックスはある意味もう萌えどころもキャラもいろんな意味で予想通りすぎて、カワイイんだけどなんか既視感がw
今回はそこまで入れ込んでもなかったんで2Dで見たんだけど、ちょっと字幕が多くて画面を隅々までチェックしきれないので吹き替えでも悪くないと思う。2回め見ることがあれば3D吹き替えで見たいと思うよ。(たぶん2回め見る気はする)
一応ファミリー映画だけど子供向けってわけでもないし、ほんとにありがちな普通にマーベルヒーローもの映画。ファンタスティック・フォーとかみたいな一昔前の単純ヒーローチームネタの映画というか。
自分的にはだからってわけでもないだろうけど、ストーリーはまったく面白いとは感じなかったのよね。好きか嫌いかで言えば好き、少なくとも嫌いじゃないんだけどとにかく話がつまらないと思った。毒もなさすぎる。つーか、映像的にはもう一回見たいけどこのストーリーをもう一回見るのは結構苦痛かも。
てことでストーリーには突っ込むけど映像としてはマジで素晴らしかったです。
以下の感想はそのつもりで。とりあえずネタバレですが。
 
 
最後のあれはわかっててもグッとはきたけど、別に感動するって感じでもないというかホントにありがちじゃん?自分的には「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と同じくらいかなあ。あれが面白かった人にはいいかも。
まあ元ネタ自体がマーベルヒーローもの(「ビッグ・ヒーロー・シックス」)でそういう点ではまったく捻りなく一昔前のマーベルヒーロー映画すぎてつまらないけど、ただマーベルヒーローものをディズニーアニメーションでやったと言うことが素晴らしく効果的だなーとは思った。実写でやったらただの痛いアメコミヒーローもの映画だよ。
これのストーリーがダメだと思った一番の理由は、とにかくすべてが予定調和&ステレオタイプなご都合主義。あと説明不足すぎで既成事実的な展開多すぎて萎える。教授にも社長にもマイクロボットにもあまりにもつっこまなさすぎて全体にのれないというかもの足りない。
見終わってから公式のキャッチコピー知ったけど、「兄がヒロに託した本当の使命とは」が何かわかりません (>_<) 少なくとも人を助けるために自己犠牲を伴う行いが正しいってことじゃないよね?それは「守る」ってことなのか?
特にえっと思ったのは、冒頭ヒロが科学の天才だということについての説明がないのよね。ロボットバトルが強いってのをその証明にしてるんだけど、わりと「天才だから天才なのだ」って感じだし、マイクロボットにしても大元の理論はキャラハン教授が創ったんだし、だからあれがどれだけスゴいのかがさっぱりわからない。(そもそも劇中の科学技術レベルもわかんない)
あとマイクロボットって特性から考えてもアレ絶対弱点があると思うんだけどそこにもノーツッコミ。しかも基本は教授の理論でヒロが作ったもののコピーなのに、どうしてヒロたちのチームがマイクロボットに対抗できないのかわからない。センサーを外せば勝ちって、科学知識いらねー。短絡的すぎるだろ。そのための対抗策が戦隊チームってのも方向性間違ってるし。(ただあれはとてもマーベルヒーローものっぽいと思うんでいいんだけど)
短絡的といえば火事が完全に事故扱いで、その事件性に何も気が付かないとか、兄が巻き込まれで死んだからといって教授がそうだとも限らないわけで、そもそもなんで教授が火事で死んだと思ってるのか、死体はどうしたのか等々気になってたんだけど突っ込まないままだし、結局そういうことかよ(一応ネタバレ)っていうのが当然の話すぎてむしろビックリ。ヒロは子供だからともかくとして他の大学生の仲間たちはなぜそれに気がつかない?
だからクレイ社長が敵だと思わせといて実は…っていうことにしても、そこになんの驚きもないし、むしろ社長は結局なにか悪いことをしたわけでもないよね?勝手に悪人にされてるけど。それ自体も教授がクレイを悪い人間だといったのをヒロが鵜呑みにしたからだと思うし。(物事の基準がヒロ目線すぎて座りが悪い)
そして教授とヒロは同じ過ちを犯してるんだけど、その結果教授は捕まったけどヒロはお咎め無し、というかヒロの復讐が間違ってると言われなかったのがなあ。ヒロは14歳の子供だから…と言われたらそうなんだけど、そのせいで話がボヤンとする気がするその1。
ヒロのやってることの動機が間違っていると突っ込まれないせいで、この話がヒロの主観(子供目線の話)だということに気が付かなかったのよね。勝手に社長を悪人だと決めつけてることといい。
最終的にベイマックスはヒロが兄を失った悲しみを優しさでケアしたけど、ケアロボットを戦闘ロボットに改造したことや、復讐心でリミッターが外れて相手を殺してもいいと思ったことについて突っ込みがないんだけどいいのかなあ。ヒーロー物ならそれでもいいような気はするけど、子供向けでしょ。なんかそのせいで話がボヤンとする気がするその2。
 
なんか見てて思ったのは、大人顔負けの科学知識と天才さゆえに事件の真相を暴くためにケアロボットを武装化して、自分のやってることが危険なことだと気づかず正義を行おうとしている14歳の少年のやってることは間違っているんだって言ってくれる「大人」が欲しかった気がするのよね。
スパイダーマンならベンおじさんが諭すとこだけど、これの場合なら大学生の仲間たちは(子供の心を持ったオタクであっても)一応兄ちゃんと同じ立場なんだし、大人の立場で暴走するヒロを止めて欲しかったなあと思わんでもない。もちろんそのきっかけが兄タダシの残したベイマックスでもいいんだけど、タダシがベイマックスのようなケアロボットをつくったのはなんのためなのかって話じゃんよ。(この映画ではよくわかんなかったけどね)
少なくとも武装化して戦うためじゃないと思うのよね。それがその時のヒロにとって必要なケアであっても。
オレが思ってたのはそういうお話なのよ。大いなる力には責任が伴うんじゃないのか?復讐心は何も生み出さないと思うよ?だからこそ一旦ヒロを止めて、改心したヒロが本当に正しいことに力を使うような話にして欲しかったんだけどなあ。
ベイマックス自体にそこまで自分の意志がないせいもあるだろうけど、ベイマックスの意思は兄の想いじゃんよ。そこは映画としては大事にしてほしいと思ったんだけど。まあ傷ついた人間をケアするためなら武装化も辞さずっていうならそれはそれでって話だけどさ。(お話として武装化が悪いとは言ってない)
 
まあそんな感じで話が面白いとは感じないけど、あの美術設定は素晴らしいの一言に尽きる。
そして世界観やビジュアルデザイン、それを表現するCGの色や質感等の雰囲気、アニメーション的な動きの気持ち良さとかキャラのディテールに至るまでの映像面はほんとうにマジで素晴らしいよ!好みすぎる!
ギミックもいちいち細かくていい。ヒロがベイマックス飛行形態に乗っかるときのロックシステムとか、ベイマックスの収納ギミックとかよく考えられててスゴい。
シーン的なことでいうと、鯉のぼり型の風力発電システムの上で休憩するとか素敵すぎてヤバイ。何もかもが素晴らしいよ! (*´∀`)=3
最後のあのゲートはちょっと予想外の展開だったけど、ああいうネタ、昔の柴田昌弘の短編にもあったなあ…ってぼんやり思っちゃったよw ブラックホール的空間転移装置は片方壊れたらとてつもなくヤバイ破壊兵器ってのは常識w
あとあれが唐突だなって思ったのはヒロの発明品とか教授の研究とどう関連してるのかまったく説明もなかったからかなあ。せめてもっとわかりやすく同一の理論上にあるモノなら納得できたけど。
あとクライマックスのロケットパンチは、そうきたかーと思ったけど、あのアイデアだけでクライマックスを乗り切るつもりなのが明らかすぎだよねw 当然娘さんはその後どうしたんだと思ってたし。
あれはディズニーというかピクサーっぽい気がするなあ(てきとー)※なんとなくその辺あんまり把握してなかったんだけど、ディズニーだけど製作総指揮はジョン・ラセターなのよね。
だから当然最後の泣き所はあのメモリーだけど、うっかりメモリー抜けよと思ったねw ヒロが抜いたらダメだけどw(だからそうなるってのがわかってもウルッとはしたw)
とまあ映像面では素晴らしいんだけど、とにかく自分的にはお話がダメだったってことで。
アナ雪も話自体は突っ込みどころがあったけどそれでもなんか勢いで乗り切れたんだけど(まさに細かいことはいいんだよ的な)、これの場合下手にチームヒーローものの定番な展開だからかどうしても話としてチープだし、妙にやってることがシークエンスごとにバラバラすぎて我に返ってしまうのと、上で言ったようにストーリーの根本的な部分が些細なというレベルでなく気になりすぎて無理でした。ガーディアン〜もそうだったんだけどさ。
 
追記。2回め見に行ったんで感想→http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20150102/p1
 
 

「魔法の映画はこうして生まれる〜ジョン・ラセターとディズニー・アニメーション」

ついでに。先月NHKでやってたやつをやっと見たので。ベイマックスのメイキング的なドキュメンタリーだけど、映画見てから見ようかと思って。(てか見る暇なかっただけ)
ざっくりいうと、あのスタジオがやってる脚本のブレーンストーミング、あれはあかん。あかんやつや。アナ雪でもやってたみたいだけど、あんなことやるから意思統一がされないで話の印象がバラバラになるんだよ。
なんで唯我独尊クリエイターの宮崎駿を尊敬してるのにみんなのいうこと聞いちゃうんだw みんなの意見を吸い上げるってのは一見いいような気がするけど全然良くないから。嫌悪感は持たれないかもしれないし、一人が考えるだけじゃ配慮が行き届かない&設定等を煮詰めることが出来るかもしれないけど、あんなので映画が面白くなるわけねえ。要は「誰が」アイデアを出すのかって話だけど。
ああいうのは飛び抜けた発想を持つ中心人物が考えたことに対して不備を潰すためにやることであって、みんなでより良いストーリーを考えましょなんてことでやることじゃないよ。クソだね。
どうりでアナ雪もそうだと思ったよ。でもアナ雪は脚本がツッコミどころがあっても感情とか勢いという力業で押し切ったから(あと歌の力?)まあいいかって言えるんだけどね。
あとやっぱり映像はすごいな。あのヒロの髪の毛は絶対とてつもなくこだわってると思ったよ。あの髪の毛表現はほんとすごいと思った。まさか1本1本修正してるとは。手描きと変わんねえw
あと服の質感をちゃんと個別の素材で表現してるとか。ベイマックスのあの素材の柔らかさ…というよりあの素材の厚みの弾力の表現ね。それと洋服の細かな毛羽立ちとか髪の毛の自然さとかすごいよ。まさに「神は細部に宿る」だよ。水とか炎とかの自然物も本当に自然だし。
アニメーションに関しては結局演技をつけるのはアニメーターであって、それはあくまでも想像力の産物であるから客観的に見ながらいじるデジタルと脳内のものを主観で描きだすアナログという違いはあるけど、これはすごく上手くやってる方かなあ。
ラセターさんも言ってるけど、実際はデジタルはツールでしかないから「出来ることが違うだけ」なんだよね。
ただ本当にこの作品に関しては、リアルとアニメっぽさが上手く融合されててとてもセンスがいいよ。描写は実写と同じようにこだわってるけど実写じゃない、ちゃんと脳内補正が入った想像の産物になってるって意味でレベルはとても高かったし、それがよくわかったメイキングだった。
だからこれ、当たり前に字幕で見たけど、字幕で見てたら思った以上に画面情報が多くてかなりいっぱいいっぱいになったんだよなー。(でもオレは幼少時から訓練されたオタクエリートなので目はいいのだw)
 
そういやLEGOムービーの2Dと3D(方式のほうの意味)を見た時に思ったけど、アニメの3Dは細部はリアル現実の見た目くらいディテールが飛ぶんで実はそんなに疲れないのよね。(実写3Dは不自然なので疲れる>HFRでも)
2Dのほうが相当ハイビジョンでディテールが見えちゃうんで、描き込みが多い3Dアニメだと疲れる気がするよ(^_^;)