そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

イニシエーション・ラブ

http://www.ilovetakkun.com
監督:堤幸彦 脚本:井上テテ 原作:乾くるみ

 
脳内ポイズンベリー」と同じくストーリー自体はごく普通のラブストーリーなのに、見せ方が変わるだけでまったく別物になるというパターン。これはちょっとサスペンスホラーっぽいかも。
面白かった!面白かったんだけど、見終わってものすごく「苦笑」って感じ。この顛末のマヌケさに苦笑。でも後でじわじわくる(^_^;)
今ものすごく何か言いたくなるのをグッとこらえてるけど、ネタばれになるようなこと言わないで感想を言うよ。でも気になる人は読まないほうがいいと思う。(たぶんなんか言ってる)
そしてこの映画、もし迷ってる人がいたら気になるならネタバレされないうちに見とけっていうよ。確かにすごい「あっ!」というような体験はできる(笑)
もちろん予告等で散々煽られて「何かあるんだ」と思って見てるせいもあるけど、ごく普通の田舎の若者のとてもベタな恋愛ストーリーを延々と見せられてるのに、全然退屈しない演出はさすが堤幸彦監督かも。でもぼんやり見てちゃダメ!
「いつ、何があるんだろう?」と思いながら見てるから最初の展開(SideA)は”松田翔太が出てない”し、何が起こってるのか分からなくてなんなんだこれと思ってたけど、後半SideBからは別の意味で「えええ?それってありえないだろよ??」と思いながら見続けて、最後にどんでん返しでえー (゚Д゚)って思うのよ。オチというよりネタばらし。清々しいまでのネタばらし。
あとこれ予告で見た時に今どき松田翔太がやけにチャラいアロハ着てるなあと思ってたけど80年代の話だったのか、これ80年代じゃないとダメな話だったのかなあ〜と思ったけど、話が80年代ヒットソングとのシンクロしててそこだけでも相当いいネタ。(パンフの原作者コメント見たら元々がそういうコンセプトの小説だったっぽい。どうりで)オレはど真ん中世代、彼らと同じ世代なのでとても懐かしく、当時のリアルライフの記憶をいろいろ呼び起こされたよ(^_^;)
ただまあモブの人たちはいかにもな80年代ファッションだったけど、たっくんはともかく前田敦子の繭子とか木村文乃の美弥子はそこまで80年代っぽくなくて安心したw アレやるだけでコスプレコントになるもんなー。バブル崩壊直前の80年代ファッション恐るべし!ちなみに当時オレは働いてたけど肩パッドスーツもソバージュもワンレンも好きじゃなかったので大丈夫w 男の人の極彩色でダブルのソフトスーツとかホントバカみたいと思ってた!(笑) (でもあれは景気のいい一部の人たちだから)
以下ネタバレ!
原作もソッコー買いました。ソッコー読みます(笑)

さすがにうっかり読まないように若干ネタバレな感想は隠すよ。
 
 
 
とにかく、この「してやられた」感ときたら(笑)
なんかおかしいなとは思ってた。ちゃんと布石がいくつかあったのは覚えてた。ただ予想できるかといったらどうか、ちょっと構成が意表を突きすぎてて反則なので、もう少しゆっくり考える時間があっても無理かも。
そもそも最初は車でラジカセ聞いてんじゃん?あれ”同時期の”松田翔太のたっくんてことだよね。
最初の”出会いシーン”がないだけで結構誤魔化されるんだなあと。もちろんその後の意図的にミスリードを誘ったとこがこの映画最大のポイントだけど。
ほかにも繭子がバーで「たっくん」って言いかけたり(予告等で松田翔太にそう呼びかけてるのを知ってるから違和感)、あの花柄のワンピース似たようなの持ってなかった?みたいな既視感(ストーリー展開の順番の問題)、後半は日付のテロップから年表示が消えてる(何かを誤魔化そうとしてる?)などなど…(パンフにちゃんとネタバレ時系列表があるよ)
何より雰囲気は似てるけどあのデブのたっくんが松田翔太のルックスになるとかありえなくね?だって何をどう考えてもありえないよな。ありえないからずっと「???」って思ってた。思ってたけどそれやられたら…的なものすごい反則技。見た目もだけど性格も若干違うくね?という感じがあって、どう考えてもデブのたっくんと松田翔太のたっくんが繋がらないとは思ってた。松田翔太になったとたん腹に一物あるオサレ星人にしか見えなくなったしw
でも前田敦子がゲロ可愛いので許す(笑)
あ、デブたっくんは「モテキ」で太った森山未來をやってたらしいけど、モテキで大丈夫だったからといってこれも大丈夫かって、そんなわけねえよ!(苦笑)
本能でやってるにしても、繭子はかなり確信犯であれをやってたと思うんだけど、そう思うとスゴい悪女な気がするんだけど。
指輪のこととかスニーカーのこととか、よくあるナチュラルな言い訳なのか策略でそう言ってるのかわからないけど、本心なのは確かなんだよな。だから悪意を感じなくて違和感がない。でもそれ間違いなく天然の悪女だよな。
パンフの前田敦子のネタバレコメント見たら、本人は悪女だとはまったく思わないでやってるって言ってたけど、そう演じてたから繭子はたぶん裏がなく可愛く見えたんだと思う。さすが前田敦子w本能で何か嗅ぎとったかw
まさか本当に最後の5分で覆るのか、何がどう覆るんだ?と思って見てたんだけど本当に最後の5分のネタばれすごい。これは映像ならではのネタばらしで、もうそのぱっと見のわかりやすさときたら呆気に取られるよ。一応いろいろ覚えてはいたんで2回見なくても大丈夫なくらいにはわかった。でも何かあったらもう一回は見る。確認するわーw
メッチャトリック言いたいんだけど我慢する…けど言いたい、あー言いたい。あれ一言で説明できるんだけどさ。○○年だと思ってたら○○年だった!これネタバレ?あのラストのマヌケさからのエンドロール、80's図鑑と監督のワンポイント解説もいい余韻wwwそこで笑えるから何となくいいかーって気分にはなるw
 
以下本当にネタバレなことを。
 
これ、タイトルの「イニシエーション・ラブ」って、劇中で美弥子が大人になるための通過儀礼の恋愛って言ってて、たっくんは繭子と別れて美弥子に乗り換えたことで大人になったというなら、毎回が初めての繭子は毎回”イニシエーションラブ”をやってるわけで、それが本気であれ嘘をついてるつもりがないのであれ、「大人になりたくない」ってことなら、それを自然にやってる繭子という女はとてもホラー的だと思ったよ。
多くの人は恋愛していろいろあって成長することで精神も年齢も「大人」になるんだけど、それを否定して毎回が初めてという”ウブな女の子”を繰り返す繭子。まったく自然に当たり前に○○(一応隠す)をするそのメンタリティも、同じようなことをずっとやるのか…と考えるだけでホラー。いやもしかしたらデブたっくんと地元で幸せになって終わるかもしれないけど(苦笑)
って、あれ、富士通に内定決まってるのってデブたっくんだったよね…どうなるのかしら? (゚Д゚)