そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2D・TCX)

http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/
監督:ジョージ・ミラー 脚本:ジョージ・ミラー、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラサウリス
 

 
マッドマックス怒りのデスロード観てきた!メッチャ面白かった!
あえて2Dって書いたけど、ネット上では4DX(TOHOシネマズではMX4D)推奨みたいなヒャッハー映画だと言われてるのは知ってて、あえての2Dです。(それでも当然500席弱のTCXだけど) *1
もちろん見るまでは自分の好み的にそんなに期待してなかったってのもあるけど、ネット上でやたら盛り上がってるけどそもそも前シリーズ全然見てないし(おまけにこれが元ネタの北斗の拳もオタクな割に別に好きではない)どうしようかなあーとか言ってた過去の自分にバカメと言ってやりたい。観てよかった!しかも最後ちょっと泣けた!映画として出来が良すぎて泣けたしフュリオサが超カッコイイ超姉御だった!ヽ(;▽;)ノ
なんといったらいいのかよくわかんないけど、とにかくストーリーがわかりやすくて、最初から最後までドンパチやってるバイオレンスものなわりにグロとかエロとかはないし人は死ぬけど非道ではない。ストレートにバカなところはあるけどそこまでいわれてるほどバカ映画ではない。ヒャッハーしたくて見るのもいいけど思った以上にちゃんとしてるし、世界観の作りこみが行き届いててものすごいから画面見てるだけでも相当楽しめるし、エンタメとしてすごく出来がいい。爆笑どころもたくさんあるし、おまけにラストはハッピーエンドで物悲しくも逞しく、スカっと爽やかな気分で席を立てるよ。
パンフはこれから読むけどチラッと見たら撮影は4ヶ月ほどだったらしく、その間あの砂漠で延々と撮影(順撮り)して、しかもあのカーチェイスとアクションはほとんどCG使ってないらしいけど、そういうリアルな何かが生み出す仲間意識とグルーブ感というか盛り上がりがすごく伝わってくるというか、どう面白いのか言い表せないですよ!とにかく面白かったんだ!(そういう意味では自分はそうは思わないけどヒャッハーな映画ってイメージとしては伝わるなーw)
というかこの映画をとってる監督が70歳ってのもスゴい。感性が若すぎる。
あと4Dはいらないけど重低音は絶対必要!あのドラムビートはヤバい。
ネタバレ気味ですが、まあ問題なし!
公式予告編→https://youtu.be/YWNWi-ZWL3c https://youtu.be/hEJnMQG9ev8
 
 
話の内容は殆どなし、女たち(ボスにとっての子産み女で贅沢できて大事にされてる)が砦(=拘束)から逃れて追手に追われて逃げて、結局戻ってくるだけの話。
ネットで言われてるようなフェミニズム云々いう気はまったくないしそういうのはあまり感じなかったんだけど、これって男が主人公でもいい話だしちょっと前までならそうだったと思う。でもストーリーの主役がマックス(トム・ハーディ)じゃなくフュリオサ(シャーリーズ・セロン)と美しい女たちで、彼女らが砦から逃げたけど結局戻る、戻ってそこで植物を育てて子供を生むための戦いだって意味では絶対女性たちが主役じゃないとダメなんだよな。
求めたはずの理想郷が汚染され喪われてたと知ったフュリオサがマックスに言われて砦に戻るためにイモータン・ジョーを倒して砦で生きていくための、その執念と生きることへの必死さになんかシンクロしてマジ泣けてきちゃったよ (つω・`。)
というかこれ順撮りらしいから、最後の方ってもう本当に最後なんだろうな。シャーリーズ・セロンを筆頭に、そこまでの撮影の何かものすごい積み重ね、後もう地ょっと感がものすごくにじみ出てきてる (>_<)
脚本も何気に上手いんだよね。最低限のセリフで無駄なところがまったくなくて、最初から全編ドンパチドカンボカンの物量作戦で圧倒しながら、その中でフィリオサとマックス、なぜかいるニュークスと協力して信頼が生まれ、目的地に着いてひと息つくけど(映画的にもこれ大事)その目的は叶うことなく。そこで砦に戻る理由付けをして、希望→絶望からまた希望を持たせるような展開が上手い。しかも希望を持つと心が壊れたあとに残るのは狂気だけとか言ってたマックスがそれを提案するのがいい。マックスもそこで何も期待してない自分に向き合うというか。
そして戦う理由が行きと帰りじゃ違うのよね。行きは逃げるため、あるかどうか分からない新天地に向かうための戦いで、帰りは生きるための戦いだから覚悟が違う。いきなり種とか植物出してくるのも突っ込むべきかどうか迷うけど、あれはたぶんそういう世界なんだと。あと最初のほうでスプレンディドが「弾は死の種、植えられたら死ぬわ」とか言ってるのが詩的でよかった。
劇中でもあの核汚染後の砂漠化がどれくらい続いてるのかわかんないけど(パンフ見たら45年ってあったけどマックスたちの年が…???)TV放送があったとか今もあるのかなとか言ってるし、あの世界ではああなんだよな。(それ以前に車が神なことに突っ込むべきw)あと塩の荒野はたぶん海よね。160日走ったらどっかに着くんじゃね?
 
ストーリーも上手いんだけど、演出もソツなく無駄なくまとまってた。
弾けるところは弾けきってるけど必要な情報はきっちり詰め込んでくるし、あととにかく車の取り回しやアクションがものスゴい。
前作まで見てなくても冒頭のナレーションだけでなんとなく劇中世界は十分にわかるんだけど、セリフでちょこっと入れてくるものから細かい美術設定やギミックの作り込みや設定もきっちり詰めてるってことで、宗教や文化や世界観などなどあれだけ画面の隅々まで拘ってるのはすごい通り越して凄まじい。画面の情報量多すぎ。なのでじっくり堪能したければ3Dよりは2Dかも。
マックスの0型血液がハイオク血液だとか、故にただの「輸血袋」呼ばわりとか雑だけどスゴい説得力w(しかも最後への伏線だったし!)(なんでマックスがずっと輸血用のチューブを肩に付けてるんだろうと思ってたw)(というかあんなん位置を抜き続けられてよく平気だったなマックス)
おデブな子産み女たちが母乳を絞られてそれが人々の栄養源だったり、放射能の影響で五体満足な人間自体が希な世界なのにボスのお気に入りは美女揃いとか(モデルばっか!)、あんな世界なのに車やバイクのカスタマイズは超パンクでデコラティブ、そしてハンドル!あとV8(エンジン)教とか(笑)
ウォータンクはヤバイ!メチャクチャすぎてヤバイ!ボンネットの火災を砂を被せて消すのがカッコイイ!すごい爆発に巻き込まれても最後まで頑張った!
二回目見てもやっぱりフュリオサが刺されて以降の流れが泣ける。鉄馬の婆さんたちも超カッコイイ!植物の種…。・゚・(ノД`)・゚・。
 
んでま、この映画あまりにネットの皆さんがバカ映画っていうから「ワイルド・スピード スカイミッション」とどっちがバカなんだろう、単に客層の問題じゃね?と思ってたけど、どう考えてもワイルド・スピードの方が真っ当にバカ映画でした(苦笑)(あれこそは真のバカ映画だよw)
というかこの映画はバカ映画じゃないぞ。いろんな意味で狂ってるけどw あとヒャッハーだけですますのももったいない。ていうかヒャッハー要素はドラム乗せて宙吊りで火を噴くギター引いてるバンドトラックと棒飛び隊だよ!あれ爆笑wwwメッチャ笑った!
あとニュークスくんもいろいろ笑った。つかニュークスの首の腫瘍、瘤に顔が、顔がーと思ってたらラリーとバリーって名前ついててワロタwwwあいつカワイイよな!でも最後、俺を見ろ!と言って散っていくニュークスくんは初めて女の子に恋をして俺の命を捧げるぜ!(どうせもうすぐ死ぬし)ってことだし、だからとても美しいんだと思うな!だってあいつらみんな語彙が少なくて頭悪い、むしろ不良の純愛みたいな?泣ける。・゚・(ノД`)・゚・。
あーそうだ、マッドマックス怒りのデスロードは何かに似てると思ったんだけど、見終わった後の印象が「ストリートオブファイヤー」に似てると思ったんだよね(オレだけか?)さすらいの流れ者が女を助けて去っていくっていう。てかああいうのって基本の王道だけど。
とにかくマッドマックスシリーズはまったく守備範囲外だったオレでも予想外に大変楽しめました!というかこの映画好きかもw
脇役に至るまで愛が溢れてる!(笑)皆にちゃんと見せ場があるよ、いい映画だよ!
 
あとwiki見たらかなりいろんな設定が記載されてた。前日譚コミックスのあらすじとか、この映画には出てきてない設定スゴいなw
というかトム・ハーディがクランクアップしたのが2012年ってそれから2年以上かかってるのか!? と思ったけどダークナイトライジングが2012年だった。時の流れが早過ぎる ('A`)
フェミニズムはあくまでもストーリー上で必要だったからで、この映画をフェミニズムで語るのは違うよね

*1:そういやTOHOシネマズのMX4Dは4DXとは違うと知ったよ。MX4Dは評判良くないみたい?でもそもそもオレはああいう集中力途切れさせられるようなアトラクション要素は好きじゃないし、顔に水かかるのも嫌なので普通に2Dのでかい画面で十分でした。