そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

創造と神秘のサグラダ・ファミリア

http://www.uplink.co.jp/sagrada/
監督・脚本:ステファン・ハウプト

 
オレのPCだと何故か公式サイトが表示されないのでこっちも貼っときます→http://eiga.com/movie/81607/
全体の進捗状況報告みたいなドキュメンタリーで面白かった(ただし2012年時点)。サグラダファミリアの細かい裏話?とか解説みたいなのがメイン。
てか詳細データを調べてたらこちらが内容に詳しいので、参考にしてくださいな(他力本願)

 
オレがスペイン・バルセロナに行ったのは13年前の2002年3月で、たまたま作り始めて120年周年記念をやってる時でした。
冒頭の状態ってその頃くらいの出来具合かなあ。身廊っていうんだっけ、あの森みたいな柱の部屋の屋根がまだ半分くらいしかできてなかったんで、本当にまだ全然って感じだと思った。本当にこれいつできるんだろうって思ってたら、この数年になって急に完成予想年が上がってきてビックリしたというか。それくらい出来てなかったんだよ。
でも資料を見たらやっぱり思ったよりできてる感じでもないというか、メインの大きな塔がまだだし、建物的には正面になる栄光のファサードはまだ出来てない状態。
本当に2026年にできるのか?って思ったけど、どうやら大幅なコンピュータ化と3Dプリンターなどを使うことによって、もしかしたらイケるかも?ってとこまで予定が立てられたみたい。
確かにTVなどでやってた他のドキュメンタリーやこの映画を見ると、この10年くらいでもそうとう工事が進んでるみたいです。世界遺産に登録されてからは観光客が増えてその観光収入で人員やコンピューターを投入できて、そのお陰で予想以上に作業が進んでるとか。(あと2010年にローマ法王ベネディクト16世が訪問する時にも大幅に人を増やして作業したらしい)
どちらにしてもサグラダ・ファミリアを見るたびに思うことは「絶対に見に行きたい!」しかないわけですが(笑)
このドキュメンタリー映画はその時に思い出すと楽しめるような裏話的な証言がたくさんあって楽しめた。
ガウディ、サグラダ・ファミリア関連の番組は気がついたらチェックはしてるんだけど、建物自体よりガウディの思想やなぜこういう建物なのかということを読み解く視点で撮られてるというか。
まあ一度実際の建物を見てるんで、地下にある模型や工房の仕事、塔の内部、もちろん塔の先まで登って壁の細かい彫刻などもジックリ見たから余計に実感的に思えるんだけど。
内容自体は上のブログにあるとおりだし、ガウディの取り組みかたなどはある程度知識として知ってたけど、宗教学者や現場監督の話などは面白かった。外尾悦郎氏の話もかなり掘り下げてたし。というかものすごく当たり前のようになんの説明もなく外尾悦郎氏がガウディの建築を引き継いだことを語ってるけど、自分は知ってるからいいけどあれは外国の人から見たらすごく不思議なんではなかろうか?外国のドキュメンタリーなんで特に思うんだけど、諸外国で外尾悦郎の認識ってどうなんだろね。外国の人は意外とそういうの気にしないんだろか。
引き継いだデザインで言えば受難のファサードの彫刻が抽象的なのは結構以前から賛否両論で、友達でもあれはないって言ってる人は結構いるのよね。
確かにガウディ本人が作った生誕のファサードなんかの雰囲気からするとあまりにも異質だとは思うんだけど、実際見た時は特に気にならなかったというか。身廊なんかもかなりソリッドなデザインだったし、そもそもデザイン画からの意味を考えるとサグラダ・ファミリアのプロからしたらあれはありらしい。そもそもあそこのデザインはそれを考えて抽象芸術家の人がやったってのをきいて納得はしたというかw
まあデザインに関してはそういうのを統括してる人がいて、真似じゃなく本質みたいなものを再現するという方針らしい。
そういう興味深い話が多かったんだけど、その中でオレが衝撃を受けた話としては今サグラダ・ファミリアの地下30メートルに高速鉄道のトンネルを掘ろうとしているという計画があるという。
スペイン人はバカなの?トンネル掘ったら普通に地盤が不安定になるだろうし、工事や実際鉄道が走る時の振動とかって馬鹿にならない気がするんだけどなあ。一応今反対派が頑張ってるらしくて、裁判で止めてくれることを祈るって状態らしい。
あと見に行った時は生誕のファサードが入口になってるからそっちが正面に見えるんだけど、実際の教会の正面は栄光のファサード、これから作るところなのですね。設計図を見ると正面の栄光のファサードから大通りに大きな広場があったはず…らしい。ところがその正面側の道挟んだ向かいって完全に住宅街。すごく狭苦しい。なぜかというと、工事反反対派が工事をやめさせるためにその広場部分に住宅建設の申請を出して、やっぱり工事を辞めたい市がそれを受理してしまったと。なので2ブロック分、まるっとマンションが建っていると。はぁ? ( ゚д゚) ポカーン
建設反対の運動は1936年のスペイン内戦のせいなんだけどその辺の事情は映画にあるので割愛。(上記ブログにもあるけどスペイン内戦のせい)
どう考えてもあと11年で教会本体ができるなら、住民には気の毒だけど住宅街区、壊したほうがいいよね?広場にしたほうがいいと思うんだけど。大体観光客は恐ろしく多いのに駐車場すらない、公園はあるけど横がすぐ道路だからみんな溢れちゃって酷い有様。何よりせっかくの正面からの眺めが良くないよね?スペイン人はバカなの?
割愛したけどそのスペイン内紛で資料の破壊・消失、設計図を書かずにいきなり模型を作るガウディの天才性、それゆえに資料を再現する職人やデザイナーたちの奮闘っぷりの証言と工期短縮の秘密など、実物を見た時によりその苦労が実感できそうなエピソード盛りだくさんでした。
たとえ完成した時に名前が残らなかったとしても現場で働く人たちはみんなこの建築物を愛し、関わったことを誇りに思い、そして100年以上作り続けているこの壮大なプロジェクトが終わることを信じているという。
出来上がった時この建物は一体何になるのか。(教会というには巨大すぎる)
神は概念になってはいけない、偶像としてこういうものが必要だと宗教学者も言ってたし(ちょっとウロなんで解釈違ったらスマン)、完成したこの巨大教会のことを想像するだけでロマンですよ (*´д`)
 
ググってたらこれから作る予定の部分のプロモビデオがあったので張っとく。全体像を考えるとまだ全然じゃん!っていいたくなるんだけど、本当にあと10年ちょっとで出来るんだろか。いやできると発表したわけだし、建築技術の進歩がスゴいってことか。

とにかく現物を見たいです。死ぬ前までにはどうしても…!