そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

メメント

http://eiga.com/movie/1532/
監督・脚本:クリストファー・ノーラン

 

強盗犯に襲われて妻を失い、頭部を損傷し、約10分間しか記憶を保てない前向性健忘という記憶障害になったレナード。彼は、ポラロイド写真にメモを書き、体中にタトゥーを彫って記憶を繋ぎ止めながら、犯人を追う。
実在するこの障害を持つ男を主人公に、時間を遡りながら出来事を描くという大胆な構成が話題を呼び、全米でインディペンデントでは異例のヒットを記録。監督は本作が第2作の新鋭、クリストファー・ノーラン。(「映画.com」より)

 
やっと観ました。
決定的なネタバレは言ってないと思うけど、オチには触れてるので気になる人は読まないほうがいいかと。
 
元の記憶障害の症例もだけど、その「メメント」という単語のキャッチーさで公開当時相当話題になったのがこれ。
当時なんだかよくわからないサスペンス・ミステリーってことでなんとなく観に行きそびれ、(調べたら2000年に公開だからちょうどシャマラン監督が「シックスセンス」で出てきて話題になってた頃ですね)観ないままにしてるうちにあのバットマン三部作が公開されあっという間にノーラン監督はメジャーになっていき…という感じだったと記憶。
メメントのタイトルの由来は「メメント・モリ(死を思え)」なのでこういう短時間しか記憶を保てない記憶障害をもち、ポラロイドで写真を撮ったりあちこちにメモを書いたり、大事なことは体に入れ墨を入れて記憶するという設定をひっくるめてメメントというようになったのはこの映画からだと記憶してますが。もちろん忘却探偵・掟上今日子シリーズの設定はメメントから来てると思うんだけど…(この手のジャンルはあまりよく知らないので)
ただそういう部分でのキャッチーさはもとより、前情報として「結末から遡って話が進行する」と言うのは知ってたんだけどそれがどういうことなのかがまったく理解できてなくて、映画を見てやっとああそういうことかーと納得した次第。
つか結局一度観終わったあと、ストーリーの確認のために終わりから遡って物語を脳内でつなぎ合わせて見返していったら2回見ることになってしまったよw いやなんでこんな映画作ったんだろ?ノーラン監督って頭おかしいよな?(ホメてる)
これ逆に普通に記憶障害の男の復讐劇の話だとありきたりすぎてつまんないよな。当然最後に主人公にまつわるええっという真実があるんだけど、それがあって普通に構成された話でもそれでもありがちだよね。ちょっと「ユージュアル・サスペクツ」っぽいというか、もうすでにいろんな映画がやってるトリック構成というか。
それを結末から遡って最後に結末を知ることでその驚きの設定が生きるという構成になってる上に、これがループ?する物語だというところが巧いというか。(ネタバレは言ってないはず…)
 
ネタバレギリギリだけどあえていうけど、カラーのパートの部分が時系列を逆行しててその合間に入るモノクロパート(主に電話してる)は時間が順行してる部分。それがラスト近くでちょうど一致してモノクロがカラーになった瞬間「あ、そうか!」って思って、自分が今まで何を見てきたのかを真の意味で気がつくという構成自体にものすごい衝撃を受けるというか。
実はその辺、途中まで「イニシエーション・ラブ」みたいな叙述系のトリック構成なのかなあと思って観てて、カラーとモノクロの部分はちょっとそういう感じはあるけどそれ以上だったというか。
この映画のトリックは遡ってるだけじゃなくその転換にあって、そこが一本に繋がることで何重もの驚きになるというのがすごいカタルシスというかw
話としては、本当のところ何が真実なのかはわからないんだよね、これ。だって主人公レナードの主観の視点の話なのにそのレナードの記憶があやふやなんだから。
本来ならそれを補う信頼できる人物を(掟上なら厄介とかの第三者)置くところだけど、それ自体をあやふやにするための主人公視点なのか?確かに誰が信用できる人物か、それ以上に本当はどんな人物なのかもわからない。主人公が感じるのと同じくらいみんな胡散臭く思えるし、一体全体本当に信用できるのは誰なのか。まああいつだと思いたいんだけど、どちらにしても色んな意味でひでえ話だ。○○○が一番ありえないパターンで一番信用できなかった。完全に頭おかしいよあいつ。
そういう構成トリックのためのトリッキーなストーリーではあるけど、ここまでやってればぐうの音も出ないw(もちろん好き嫌いはあると思うが)
バットマン三部作はかろうじて違うけど、基本的にこの「メメント」といい「インセプション」といい「インターステラー」も「ダンケルク」も、時間という概念を思いもよらない発想でトリック的に扱う映画を作るということでは、とてつもなく頭のおかしな人だと思う。普通思いつかないし思いついてもそれをエンタメとして成り立たせられるような作劇&演出(とてもねちっこく拘る)出来ないよ。
いやーちゃんと公開時に観とけばよかったなー。そうすればバットマンの人っていう印象じゃなかったと思うわw(もちろんインセプッションでそのイメージは払拭されたけど)
好きか嫌いかで言えば○○○が好きじゃないので好きにはなれないけど、大変面白かったですw
 

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