そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

白夜行#11(最終回)

http://www.tbs.co.jp/byakuyakou/
『何をしても幸せにならなければいけない人生なんて、生きること自体罰みたいなもんだって』


なんか一生分の良いヤマダ様を見た。これでもうどんなにこの先彼がいつもの演技をしてても大丈夫。(基本的にオレの中でヤマダ様は良くも悪くもキムタク、ナナコと同じカテゴリー「何をやっても本人」って役者にカテゴライズされてるので)
話がここまで来るともう綾瀬はるかの演技は目をつぶるよ。最後の嘘の自供のシーンがどんなに学芸会レベルでも。好意的に見ればいかにも嘘の自供してますって見えなくもないけど、ただその自供に被って演出される過去の情景が全く重みをもって見えないってことで、かなり水を差されたのは確かだけど。


内容は、とにかく笹垣が死ななくて良かった。
「お互いがお互いの太陽」という呪いみたいな言葉に縛られてた亮司が最後の最後で自殺することを選んだことで、日の当たる場所は歩けなかったけど満足して死んでいったのは救いだったと思う。彼は自分の死期が近いと知っていたゆえに(雪穂は知らない…よね?)そうするのが最良だと思っていたということかな。そうでなければどうなってたか判らないけど、少なくとも笹垣が自分のことを認めてくれてて、しかも子供がいることも知り、後悔なく死んでいける。罪を償っても死ぬしかないのなら雪穂のために雪穂が生きられることを選択したわけだけど。
彼の中では最後、雪穂がかけよって来なかったことで彼女を守ったんだと思えたんだろうけど、実際は雪穂が唐沢の母がいうところの「永遠に生き地獄を彷徨う」ことになるのは判ってたと思うし、穿った見方をすれば彼が死ぬことで現実に罪には問われなくても雪穂の心と記憶に一生罪を背負わせた…のもありかと思うけど、それはないか。単純に自分がいなくなってもスカーレットのように生きて欲しいと思ってたのかなあ。(彼は多分その後のスカーレットは知らないと思うし)
だからこそ本当ならその亮司の意志を活かすのなら雪穂はただ生きるだけじゃダメなんだけど、結局そこまで筋が通ってたわけじゃなく、単に亮司と日の当たるところを歩きたかった…というだけの雪穂にはちょっとガッカリ。結局したたかな悪女でも生きることに貪欲な逞しい女性でもなかったんだけど、あのラストはそれはそれで哀しいからいいや。でもだったらやっぱりスカーレットじゃないよな。
最後に雪穂が読んでたのはアレクサンドラ・リプリーの続編「スカーレット」。その後のスカーレットを描いた物なんですが、調べたところによると評判はよろしくないですね。スカーレットが如何にしてレット・バトラーを取り戻すかという話らしいです。読んでないんで雪穂とどう被るのかは判らないんだけど。(ただどうもレット・バトラーの子供を育てるとか見守るとか?その辺が最後にわざわざ亮司の子供を出してきたってことか?)


最後、歩道橋の上で笹垣が今までの雪穂と亮司の(主に亮司の)やってきたことを鬼気迫る形相で亮司に話すんだけど、そのシーンだけで何かお腹いっぱいな気持ちに。ヤマダ様と武田鉄矢の演技だけでかなりカタルシスがあった。それだけでもう十分満足。