そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

「ウォーターズ」


http://www.waters-movie.jp/

アイドル映画アイドル映画、特撮俳優がたくさん出てるアイドル映画(呪文か?)
そんなに悪くはなかったけど、そうでも思わんとこの中途半端さは人にはオススメ出来ねぇ。映画自体は意外と面白かったといっていいと思うけど…(どっちなんだ)
主役の7人以外にもバスケチームの監督で涼平、ちゃんとしたホストで弓削っち、どっかに三上@ボウケンブルーとかいろいろ出てました。
恐ろしいのはそれぞれのキャラ設定が通り一遍なせいで、役者の力量がモロに出てていろいろ微妙なことに。まあオグシュンと松尾くんはやっぱ上手いよな、としか(苦笑)オグシュンはさすが華もあるしね。平山広行がやっぱり結構いいんだけど、何で彼はあんなに地味なんだろう。キャリアもそれなりあるはずなのに、勿体ない。

しかしいいんだけど、映像作品として意味があったのは冒頭とラストの部分だけで、半端者たちが集まって店を開いて女社長達と対決する(間違ってないよな?)メインの部分は映像作品としては致命的に間が悪くて、どちらかといえば舞台向けじゃないかなあと思った。舞台ならああいうふうにキャラのセリフだけでだらだら話進めてても気にならないし。つーかわざわざ映画にする意味ないくらい。途中から完全に頭の中で舞台変換してました…って一応褒めてるつもりだけど、これは絶対舞台でライブで見たほうが面白いと思うなー。ラストのオチ抜きでね。
その原因の殆どは店以外の場所が殆ど出ないこと。真中の会社とオグシュンが芸をやってる路上、みんなで行く海くらい。二時間もある映画で店以外の場所が出ない映画なんて!(笑)
あとはいくらアイドル映画にしたってどうにも中途半端なキャラ設定とストーリー。キャラは書割り以上の説明もないし、そもそもなんのために店をやらなきゃいけないのかという理由付けがはっきりしない。自分のためなのか仲間のためなのかそれとも病気の少女の為なのか。これは最後まで見たら○○を理由に出来ないワケは何となく判るんだけど、そこは強引に突っ走って欲しかったな。というかうまいこと騙してそっちの理由にして欲しかったところ。その方が更にオチが利くんだけどなあ…ただ意図するものとは違ってくるかな、難しいところ。
見てて一番オイシイのが須賀っちなんだけど、だからこそ小栗旬が主人公の意味が薄くなっちゃって、これまた残念。大道芸人でなくホストをやるんなら、なぜそうなのかは描いてくれないとキャラとしての落とし所が…だから主人公らしくなくなってしまうんだよね。
で、そうでないなら7人を均等に描いたほうが「仲間」の意味で出て良かったんだけど、これも描き方が中途半端。こういう映画ならもう割り切ってセオリー通りにそれぞれの過去を紹介してくれたほうが判りやすいのに。要するに見てて誰が話の中心なんだか判んないんだよな。
白雪姫と7人のドワーフたちのひと夏の思い出…にしても中途半端。そういう青春モノでもあるようなないような。最後でいきなりそんなこといわれてもってとこでそのあとがオチだし。
全体的には、話自体は悪くないんだけど映画としてはちょっとどうかなあって感じで、深みもないしわざわざ映画にする必要もない映画かな。そういや原作あるんだっけ?これは絶対舞台の方が面白いと思います。


ちなみに店の名前の「DOGDAYS」は盛夏。でも全然夏の話には見えなかったなぁ。ああ、海辺で花火やってたか。
これは改装する前の店の看板だね。映画館に飾ってあった。
  


以下ネタバレなので伏せます。見るつもりのある人は読まないほうがいいかも。



多分元々は最後のオチである詐欺師の部分をやりたかったんだろうと思うんだけど、それに別の話をくっつけて青春モノにしたふうなんだよね。これだとどちらかというと詐欺師連中を主人公にして、犯罪コメディーとか社会派コメディーみたいなモノにした方が一般受けは良かったと思うんだが…それでオグシュンを絡めて少女と元大道芸人ホストのひと夏の楽しかった思い出って感じで。まあそれじゃ普通すぎるか。
もしくは騙されて集まった半端者7人がぶつかり合って協力して、偉そうな女社長達から金をふんだくって新しい居場所を見つけた…という青春映画。これも普通なんだけど、両方足しちゃうと一体なんの映画見たのか判らなくなってしまって、全然マイナスだと思う。
まあそもそも、ラスト辺りで一千万を並べたときに心臓が悪いはずの少女・チカの病院の描写がないと気付いた時点で、あーもしかしてまた騙されてる?と気がついてしまうんでそこでもう一気に冷めちゃうんだよね。(原田芳夫と鳴海璃子の二人が話から浮いてる時点で気がつく人は気がつくかも。そもそも最初から胡散臭いし)
しかも最後、肝心のチカの気持ちの描き方が微妙だからなんだか爽やかじゃなく引っ掛かる感じ。逆に騙されたと判った7人がそれでも楽しそうに弾けてるのは爽やかだから、ここでも別の映画を見てるみたい。最後の鳴海と真中のDOGDAYS前のワンカットもイメージショットすぎて意味不明。
この辺はどちらかといえば、話をうまいこともっていってチカのためにお金を稼ごうの方が判りやすいしスッキリするんだけど、詐欺師であるチカたちを必要以上に出さないようにしてるせいかその辺の動機づけがはっきりしない。しかもチカの気持ちもはっきりしない。彼ら相手に詐欺を働くことに対してどう思ってるのか描いてくれないと、彼女がナレーションをしている意味もない。
あと真中瞳ベンチャー社長が真っ当な人間なので、彼女たちからお金を頂くことの意味(というかホストの仕事に対しての報酬だという意味合い)がよく判らないのが難点。あんなことで貰う額として大きすぎるんだよね。しかもオグシュンの賭けの何に対してなのか。そもそも負けたら仲間をどうするのか言ってないような?

とまあいろいろ惜しい映画ではあるんで、いろいろ言ってみました。キャスティングという点では楽しめたんで文句ないし。よくこれだけ特撮俳優ばかり集めたものだと、これは素直に嬉しく思うよ。