そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

夢の扉・液状ガラス

http://www.tbs.co.jp/yumetobi/(5月14日放送分)
たまたま見たんだけど、スゴイなこれ。
塩田政利さんという方が発明?した液状ガラスについての紹介。
液状ガラスって言うのは石英液状化し、何種類かの酵素によって液体状態を保たせているものらしいんだけど、これを木やコンクリートに塗ると燃えなくなるらしい。
木材に塗ることによって木の繊維内にしみ込み、ガラス化して(表面から5ミリほど)表面は燃えるんだけど中までは燃えず原形を止めることができるそうだ。これを塗ることによって各地の文化財を火災などから守ることが出来るんではないかという話。(これについては特に言及はしなかったけど表面の見た目はどうなるんだろうとちょっと気になった)
そしてコンクリートに塗布するとこちらも木と同じく中にしみ込んで表面をガラス化、半年ほどでボロボロになる海辺の堤防などもほぼ施工状態を保っているそうです。
この塩田さんという方はもともとはコンクリ屋だったらしいんですが、コンクリートの寿命が50年だと知って何とかもっともたせることが出来ないかと思い、古代遺跡が石で出来ているということから石=石英(ガラス)という発想で9年掛けて石英の液体化に成功したとか。
この方法はすでに国に認可されていていろんな公共事業にも使われているらしい。
発想もそうんだけどこの技術を使うことで文化財の保護・保存はもちろんのこと、コンクリを長持ちさせる(50年→200年ほど)、通常の耐火材と違って燃えても有害物質を出さないということで、産業廃棄物を大幅に減らすことが出来るらしいです。そういう大きな視点から社会貢献を考えているというのもちょっと感動した。
さらにこの液体ガラスにはもっとすごい効果もあって、今問題になっているアスベストを封じ込めることが出来るそうです。
アスベストの問題点は中に含まれる針状繊維が空気中に舞い上がり、肺に入ることによって中皮種や肺ガンになるんですが、そのアスベストに吹きつけることによって針状繊維のとがった部分をガラス繊維がコーティングし、飛散しなくさせるそうだ。現在アスベストの処理法は高熱で焼却するか化学処理をするしかないんだけどこれだとコストもかかるうえに結局膨大な産業廃棄物が出てしまう。ところがこの液状ガラスで処理すると簡単でどうもコストも安いらしい。安いって言うのにもビックリだけど、更にこのガラス化して無害化したアスベストをリサイクルで防火資材に出来るらしい。見た目はコンクリートみたいだけど1200℃の高温にも耐えられるそうだ。
アスベストの処理については国の規定だと1万平米を処理した実績がないといけないそうだが、この方は最初のインタビューでも「学者と違って机上の論理だけではダメ、実際に何でも試して大丈夫かどうかを確認する」といっていたので、そのうちこのアスベスト処理法もスタンダードになるんじゃないだろうか。
人有るところに技術有りと言いますが、まさにそんな感じ。世の中にはまだまだ表立って知られていないすごい人たちがいるもんですね。