そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

天道はツンデレじゃないかも?

なんか毎日カブトのことを考えてるよ!カブトというか天道のこと?

ちょっと思いついて考え始めたら意外なとこに思い至ったんっで最後まで考えてみました。一応オイラの考えなのでもちろんんこの考察自体がとんだ勘違いかもしれませんが、そのつもりで。
あと米村脚本と井上脚本ではこの間も言った通り多少キャラクターの描写が違うと思っていたんですがこの考察をして天道の行動と意味を追ってみたら、以外と井上脚本の天道も芯は外してないなあと思ったんですね。一番目に付くパフォーマンスの部分が一般視聴者に対してすごく判りやすくなってるだけで。
まあそのくらいのつもりで今んとこ見るようにしようかと。

演出の間違いかも

16話の感想を回っててチラホラと見かけたのが、「どうしてカブトは加賀美の代わりにワームを倒したのか判らない。それじゃ加賀美の自信を取り戻すことにならないからダメなんじゃないの?」なんですが、感想でもちらっと書いてる通り、ここで重要なのは「加賀美が自信を取り戻し、自らの存在証明をすること」なんですよね。加賀美は休職届けを出してZECTという後ろ盾なしに自分一人でワームを調査し、(実際には岬さんと風間のサポートはあったんだけどそれは擬態ワームが複数いたからと思えば状況に合わせて作戦を変更したともいえる)正体を現わしたワームに対し生身で立ち向かっているので、もしゼクトガンにもっと威力があれば加賀美は生身でワームを倒してたかも…といってもいいと思うんですね。もともと加賀美はザビー変身の時に一度倒してるし、カブトはそれをちょっと手伝ってあげたってことで。
だから実際に加賀美がワームを倒すか倒さないかじゃなく、加賀美自身にとって自分が必要な存在だと思えること、やれば出来るんだということを証明しようとして行動したことが大事なのかなと思ったんですね。
そう考えると別に取り立てておかしいところもないよなあ〜、加賀美が頑張ってるから天道もちょっとだけ影から手伝ってくれたんだね…と思っていたんですよ。まあ見ようによっては天道は何だかんだいって加賀美のことを面倒見てるんじゃないかということで。


ところがそれで気がついたんですが、メタ視点から見た場合、じゃあなぜこの16話のあのシーンで加賀美がゼクトガンでワームを倒したことにせず、カブトが手助けするという流れにしたのか?

さっき言った理屈から言えば、ストーリー的には加賀美が自分でワームをやっつければ自らの存在証明が出来て、見てる人にもなんら疑問を抱かせることなく「ああ加賀美はワームを倒すことで自分の存在証明をしたんだ、よかったなあ」とスッキリとしたはずなんですが、なぜかカブトvsワームは入れる必要があった。話の意味合いから言えばあえて必要ないカブトvsワームの戦いを入れなければいけない理由がある。
それは「ワームがクロックアップするから」じゃないかと思うんですね。

どういうことかといえば、あのシーンで加賀美が撃った弾丸が発射されてからワームに到達するまでの間に、成体ワームがクロックアップしてしまえば加賀美は瞬殺されてしまうわけですね。それを防ぐためにカブトはクロックアップして、加賀美の弾丸がワームに到達する前にワームを倒し、あたかも加賀美が倒したように見せかけた。(これは天道の親切心かも)それであればカブトとワームの戦闘を入れる必然性があるわけです。

ところが実際はそうは見えなかった。なぜかというと加賀美が銃を撃った瞬間にカブトはクロックアップしてワームを倒しにいってるけど、ワームがクロックアップした描写がない。(一応クロックアップ中のカブトと同じ時間流では動いている)だから上記のカブトが加賀美を助けないといけない理由が判りにくい。
まわりくどくなりましたが、単純に演出の問題、描写が足りないか間違ってるかということなのですね。
つまり、この仮定が正しいとしてあそこのシーンを演出するなら、
 1.加賀美が発砲(それを見ているカブト)
 2.弾丸がワームに到達する直前、ワームがクロックアップ
 3.カブト、クロックアップ
 4.カブトvsワーム ライダーキックでワームを撃破、クロックオーバー
 5.加賀美の撃った弾が着弾
というふうに見せないとこのシーンの意味が判らないんですね。
この流れならば、天道は加賀美のやりたいことを知ってるのにカブトがワームを倒してしまい、加賀美が自分で倒したと勘違いしてしまう…という流れになり、スッキリすると思うんですよ。
それゆえ鈴村監督の演出が間違ってんじゃないの?というのがオレの結論なんですが。
思い起こせば響鬼の陰陽環のときもすずむーは京介がカシャに対して何がしたいのかよく判らなかったという描写不足演出の過去があるんですが、またかって感じです。プロの仕事に対してあまりこういうことは言いたくないんだけど、ミスリードを狙ったわけじゃなく単純に演出力不足なら勘弁して下さいってことです。オレの解釈が正しければですが。あと脚本についてはどういう本だったのかは判らないんで、放送されたものが全てという前提です。

天道はワームを倒すのが仕事

とまあここまで考えたらまたちょっと疑問が出てきました。
果たして天道は加賀美の自信回復のためにワームを倒してやるほどお人好しか?ということです。
天道は基本的に「ワームを倒す」ということが行動原理のキャラですね。それは今回の医師に擬態したワームがどんなに人助けをしようとワームである以上倒すと即座に判断したことからもそう言えます。
基本は人の命を助けるために戦っているキャラなので、命の危険が迫れば別ですが、人命に関らないかぎり人の手助けはしないんじゃないかと思ったんですね。

そう思ったのは、この加賀美が成体ワームに立ち向かっていったシーンで、もし相手がクロックアップしないサナギワームだったらこんなことはしなかったんじゃないかなあと思ったからなんですね。加賀美がワームを撃破するまで手を出さずに見守っていたかも。つまりあくまでも成体ワームがクロックアップする可能性があるから加賀美の命を守るために、加賀美の意向とは関係なくワームを倒したのかなとも考えられるんですね。
実際9話でサナギワーム相手に加賀美が戦ってるときは、それを確認しただけで特に手助けするわけでもなく別のワームを追って行ってしまった。サナギなら加賀美のようにガムシャラに突っ込んでいっても何とかなる。装備もシャドウのものだし、特に心配はしてなかった。でも成体ワームは別。そもそも人間が相手に出来る存在ではないから加賀美がやられる可能性の方が高い。だからその前に助けた、それだけ。

最近天道が加賀美を評して言う「面白い奴だ」はそういう意味で言うと、加賀美の行動が面白いわけではなく、天道の想定範囲外の行動をするということが面白いのではないかな?
今回だと加賀美はワームを自分が倒したと勘違いして大喜びしています。これは以前サナギワームを倒しているからそれで喜ぶのは今更だと思うんですが、それよりも成体ワームはクロックアップするから人間では対処できないということを加賀美は知っているはずなんですよね、ZECTにいるんだし。なのに自分がサナギならともかく成体ワームを倒したと思えるおめでたさが「面白い」のかなあと。
この間の影山に囮にされた時だって、天道としては加賀美を見殺しにすることなんて有り得ないのだから、加賀美が囮にされようがどうであろうが自分は絶対に助けるつもりでいる。例え殺されかけても、本当に殺されることはないと(天道自身が助けるということも含めて)天道は知っている。だからそういうことでいちいち怒ったり泣いたりする加賀美は自分の思惑を外れていて「面白い」。
(ただ人命を守るというのは最優先事項なので影山のように人の命を犠牲にしてもワームを倒せればいいという考えは許せないのですね)

要するに天道から見たら全ては自分の思う通りに運んでいるのだからそうなって当たり前の結果についてはいちいち騒ぐことではない、そのことに一喜一憂する加賀美の反応が天道からすれば「面白い」ってことなのかなーと。だって天道は「総てを司る男」だからなあ。自分の思惑通りにことが運んで当然って思ってるんだよな。


ちょっと簡単に天道と加賀美の力関係についておさらいしてみます。
4話で天道は、加賀美は弟ワームを倒せないだろうと思っていたけど、加賀美が天道を殴ってまでも自分でやるといって出向いていったから任せた。でも結局銃口を向けるけど弟ワームは倒せない、だけどそこまでやったから天道は加賀美の意志を尊重して、倒すかどうかは加賀美に判断させてくれてるわけです。そしてこれは人間・加賀美と弟・ワームの比較で考えるまでもなく、人間に害をなすワームは倒すべき存在なわけです。記憶や能力云々の問題じゃなくワームはどういう人格であろうと倒すべきもの。
たぶん加賀美が弟を殺さないでくれと言ったら天道はワームを倒して加賀美を見限るだけだったと思うんです。

10話で加賀美が天道というかカブトにザビースティンガーを放ったときは、天道に煽られたからとはいえ加賀美がやるべきことはザビーとして命令に従うこと。
青くさい友情をたてにする加賀美には興味が無いのか、あくまで自分のやるべきことをやる意志の強さを求めてるような気はします。なぜならそれがワームを倒すための最善の道だから。加賀美は命令に従ったものの天道に止められ、そこで加賀美は天道に負けてると見なしたのか、天道はそれ以上は攻撃せず、加賀美の判断に満足して帰っていった風にも取れるんですね。
負けたからにはザビーではいられないから加賀美はザビーゼクターを手放したのか、そこでシャドウの隊長も降りたことになる。今思うと影山がそこで深追いしなかったのは隊長命令が無いからかも。

だからそこでワームを倒すという目的のためには天道をも攻撃した加賀美なのに、次の11話では加賀美は天道との間に友情が成立したと勘違いをした。天道からしたらおや?ってことなのかも。見込み違いと思われた?
そして安易に天道を頼る加賀美には(たぶん本当に命が危ないとき以外は)全く手助けしてません。

14話で内通者扱いでシャドウに追いかけられているとき、天道は事情を知っているにしても加賀美の話さえ聞こうとしませんね。加賀美からしたらなんで話すらも聞いてくれないんだってことですが、ワームに狙われてるわけでもない加賀美に加勢するいわれはない、それより自分の食事の方が最優先。だって腹が減っててワームと戦えなかったら困るのは自分と全人類だから。
そのあと内通者がワームだったということが明らかになったとき、加賀美の命は守るつもりだったけど、加賀美の内通者の濡れ衣をはらすためにカブトに変身したわけじゃない。本当の内通者がワームだったから戦ったんですね。

そう考えると今回16話で、天道が加賀美の自信回復のためにワームを倒してやるとは思えないんですね。単純に相手がワームだから戦った。加賀美の身に危険が迫っていたから加賀美の意志とは関係なくワームを倒した。ただそれだけかも。
確かに15話のサルでのシーン、加賀美が独力でワーム事件を調査するといったときはすごく嬉しそうだったけど、岬さんの影からサポート要請は断ってる。つまり加賀美のことよりワーム事件を解決するほうが明らかに優先順位高いってことなんじゃないかなあと。加賀美のことはそのついでくらいなのかしら…って気がしてしょうがありませんよ。
でもそうはいっても天道が加賀美のことを気に入ってるのは確かだとは思うので、何かと気にしてやってるとは思いますが…


とにかく天道様の考えることは奥深いです。